みをつくし料理帖のレビュー・感想・評価
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旭日昇天とは一体!?
せっかくの初上映週なのに【鬼滅の刃】の圧迫を受けて話題もスクリーンも取られて可哀想と思っていたけど、あんまり人が入ってなくて映画館の判断は正しかったんだと思ってしまった。
ストーリー展開は過剰に盛り上げることはせず、じっくりと見せる方向だ。
関西の味付けと東京の味付けのカルチャーショックは自分も味わったので澪の戸惑いには共感。
それにしても、野江は旭日昇天の運を持っていると言いながら、澪より運が悪いんじゃ?
角川監督がインタビューで主演女優を成功させることを保証するとか言っていたけど、無理じゃない?
優しさと思いやりに溢れている
「みをつくし料理帖」と言えば有名な原作で、過去に2回テレビドラマになっているからタイトルに馴染みがある。料理が主体の作品だ。グルメ系の番組が溢れかえっている現在日本のテレビ事情からして、料理を扱った映画は日本人に親しみやすく、本作品もある程度のヒットは約束されている。
松本穂香はテレビドラマ版の「この世界の片隅に」で、すずさんという大役を好演していたから、本作品でどのような澪を演じるのか、かなり期待していた。
その期待に違わず、とてもよかったと思う。過去のテレビドラマでは北川景子、黒木華と、それぞれの澪が演じられたが、本作品の松本穂香も、彼女なりのどこかホンワカして悲壮感に陥ることのない明るい澪を表現できていた。
静かに物語が進む作品で、作品の世界観そのものが何かこちらの琴線に触れるところがあり、何気ない場面にも落涙を禁じ得なかった。その世界観の中心にあるのは多分、思いやりだと思う。
スープのある担々麺を考案した四川料理の陳建民は「料理は愛情」と表現し、本作品のごりょんさんは「料理は料理人の器量次第」と啖呵を切る。いずれも食べる人のことを思いやる気持ちのことだ。当方の知り合いの料理人は「面倒臭いと思ったら料理人は終わりだ」と言っていた。
北川景子も黒木華も撮影前にそうしたように、松本穂香も料理を猛練習したのだろう、料理の手付きが非常に手際よく美しかった。こういう努力はそれぞれの女優さんたちの「器量」なのだと思う。
和食では出汁を引くのに昆布(グルタミン酸)と鰹節(イノシン酸)を合わせるのは今や常識だが、それを考案した天才料理人がいたことに思いを馳せる。
料理には特許も著作権もない。それでも料理人たちは創意工夫を重ねて、より美味しいものを食べてもらおうとする。聞かれたら食材も作り方も全部教える。自宅でも美味しいものを食べてほしい。競合店に真似されても構わない。もっと美味しい料理を作ればいいだけだ。それが料理人の矜持である。
澪が作る料理のひとつひとつが美味しそうで、観ている最中から俄然空腹になった。鑑賞後に食事に行くことをおすすめする。美味しいものを食べながら観たばかりの映画を振り返るのも映画ファンの醍醐味だと思う。
手嶌葵が歌う、松任谷由実作詞作曲の主題歌は、本作品に相応しく静かで透明感がある。タイトルでもある「散りてなお」の歌詞は聴き馴染みのあるメロディで歌われ、初めて聴いた曲という気がしない。名曲の予感だ。
主題歌をバックのエンドロールでは作品中の料理や場面が一緒に流れ、感動がぶり返して再びハンカチの出番となる。優しさと思いやりに溢れた素晴らしい作品だと思う。
悪くはないけど、ますます映画は、日本では、取り残されます。
#84 言葉がなくても通じ合う
澪と小松原様の掛け合いにキュンとした。
恋心よりも好きな人の進むべき道を指南してくれる小松原様。現代でもこんな男子いないよ〜。
そんなことよりこの映画の本題はお料理。
江戸時代から牡蠣の昆布焼きとか贅沢な物を庶民が食べていたとしたら、凄いな。
さらに我が富山県民激愛のとろろ昆布のおにぎりがこんな昔からあったなんて、しかも元は上方の食べ物やったなんて、、、😹
こぼれ梅とか、他にも知らない食べ物が沢山出てきてグルメな人にも時代劇好きにもオススメ。
大人なら『鬼◯の刃』より絶対こっちでしょう。
ほんわかふんわかほんわかほいっ♪
個人的にはハズレが多いなという印象の松本穂香。
今回もそこまで期待はせずに鑑賞。
中村獅童や窪塚洋介が出演しているので2人を見に行くような気持ちで。
なかなかいい作品じゃないですか。
上品でゆったりとした作品。
これをダラダラしてると言っちゃえばそれで終わりなんですが、そのゆったりとした雰囲気と美味しそうな料理がマッチしている。まぁ、料理で慌ただしかったらどうしようも無いんですけどね笑
仲のいい幼馴染の澪(松本穂香)と野江(奈緒)は、大洪水で両親をなくし数年後お互い離れ離れになってしまう。
映像が本当に美しい
暖かく店や部屋を照らす太陽の光が観客をこの世界に引き込んで、穏やかな気持ちにさせる。
最後の空はあまりにもCG過ぎましたけどね
料理で2時間どう持たせるんだろうかと思っていたが、野江ちゃんと料理を通しての繋がりや江戸で名高い料理屋とのぶつかり合い、思いを寄せる澪など単純だけど良いストーリーだった。
松本穂香は良く着物が似合うこと。これからこんな役が多くなるんじゃない?今まで見てきた主演作品の中でもダントツで適役だった気がする。
中村獅童や窪塚洋介などの男性諸軍はやはりカッコよかったですねぇ。
ただ物足りなさはある。
笑えず、泣けずという感じで惜しいなと。
間延びしている部分があったので、もうちょっと時間を長くするか恋愛要素をなくして内容を深めて欲しかった。
料理を作っているシーンが意外と無い。
この世界の片隅にやきのう何食べた?みたいに、料理を作る際に解説があったりしたら良かったな。
美味しそうと思わせる間もなくすぐ次のシーンにいっちゃうんだもん。
まぁ、こういう映画もアリということで。
最近、シリアスな映画ばかり見ていたからこのホンワカ具合がちょうど良かった。
タイトルすいません笑 九州の人しか分からないネタです。他県の人も聞いたことあるのかな?
NHKの続きかと思ったら違った
映画は映画
NHK版の黒木華が良かったからこの作品には期待していない・・・という記述が目立つけど、それはヤボというもの。
映画版では澪の母親代わり芳のセリフの中にしか登場しない、芳の夫で天満一丁庵の主・故嘉平衛や種市が、澪の才能を見抜き当時としては珍しかった女性を料理人として抜擢したのと同様、角川春樹自身が薬師丸ひろ子や原田知世を抜擢し、そして原作者の髙田郁の才能に惚れ込み彼女とこの作品を世に送り出したことを考えれば、たとえどんなに良くても評価の定まっている黒木華で撮ることは、野村宏伸演ずる鶴屋の常連客のセリフではないが、はなっから「ありえねぇ」話なのだ。映画はあくまでも映画。テレビドラマとは違うのだ。
そしてその角川の期待に見事に応えたのが松本穂香であり、出演が決まった頃はほぼ無名であった奈緒で、また作品の世界同様、ベテラン俳優陣がシッカリと彼女たちを支え切った。
私も原作やドラマ版が大好きでこの作品に期待して観たのだが、セリフも説明の部分も少なく、最初の試写会ではこの作品の良さが良くわからなかった。でも二度目を観て、役者の目の表情にセリフ以上の意味が込められており、この作品の奥深さを感じた。是非二度以上を観ていただきたい作品だ。
ヤキが回った角川春樹の老残映画。
23歳の松本穂香ですが、10代なかばの純真さと一途さを演じていて、表情がクルクルと変わる愛らしさ多彩さは見事なものでしたが、このお話は松本穂香のファン以外にはキツい、というか痛すぎる話でした。
この出来ばえでは、角川春樹のおそらく最後の作品になるしかないのだろうと思いますが、一言で言って、ユルユルでガバガバな酷い話です。
下手くそさを誤魔化すために「お笑い」に走る、一群の下手くそ芸人の集団が日本には存在しますが、本作に登場する藤井隆などもその典型。
彼一人で、この映画を「よしもと新喜劇」の出来損ないみたいなドタバタに貶めており、こういう演技しかできない人間をキャスティングした角川春樹の眼力の衰えには驚きを隠せません。
たとえキャスティングしていても、彼の演技力を見て、登場画面をオールカットするぐらいの蛮勇を、かつての角川監督ならば揮えたはずですが、そういうことができないのなら、監督もヤキが回ったとしか言えないと思います。
江戸時代の日本料理の設定なのに、なんで幕末に日本に入ってきたはずの西洋ニンジンを、和ニンジンの代わりに使うかなぁー。
しかも大阪出身の料理人という設定なのになぁー。
時代考証もさることながら、そもそもあの画面では、オレンジ色のニンジンではなく、真っ赤な和ニンジンでないと活きないでしょ、と、細かな点、美的センスの欠如まで、ほんとに残念な限りでした。
収穫は、松任谷由実の作曲になるテーマ曲の美しさ。
これだけは映画を離れても十二分に美しい作品で、この映画の功績は、松任谷由実のテーマ曲を産んだことが唯一の功績になるのではないかと思った次第です。
とてもよく出来た映画です
ドラマの方が⭕か
昭和演出満載だけど観やすいけど
金は、ある。 春樹
原作の小説は結構好きでした。2012年あたりにTVで2時間ドラマがあったんですよ、北川景子と貫地谷しほりで。てっきり、貫地谷しほり→みお、北川景子→のえ、だと思い込んで視聴開始したんですが、これが逆だった。もうね、衝撃でした、俺的には。逆でしょ?と。大人の事情、事務所的に、ってやつどすかね。
今回、あのドラマのリベンジを果たしてくれたのが、元原作ファンとしては嬉しかったです。
角川春樹、自らがメガホンを取るという事で、期待値はそれほど高くも無く。ボチボチの満足感で、ボチボチの不平ありで、ボチボチの出来だった。
けど。
刺さるんですよ、これが。見事に。グサグサ。地味メイクの松本穂香、最高です。のえ役の奈緒も、意外に真面目に良かったです。あざといし、わざとらしく泣かしに来るんですけどね。
コーンコン、とか白けながら眺めてたんですけどね、予告では。これに、やられるとはw
角川春樹の意欲は製作費に現れているのか。丁寧な品質の画と、出来る役者さんだらけのキャストは、確実に脚本の拙さを埋めて余り有る出来で、結構満足です。
最後の、アレは蛇足だったけどw
良かった。結構。
料理が…
主役が・・・
天は神の御座す処
享和二年の大水で8歳にして両親を亡くし、幼馴染みとも離れ離れになった10年後、江戸の小さなそば屋で才能を開花させていく主人公の話。
みなしごとなり、彷徨っているところを一流料理屋の女将に拾われて育って来た10年間。
店は無くなり、そば屋働き始めて3カ月、大阪の昆布だしと江戸の鰹だし等、食文化の違いに悩みながらも、自分の味を見つけ頭角を現したことで巻き起こって行くストーリー。
幻の太夫がどうのと言っている時点で、誰もがお察しのフリな訳で、こんなに早くてどうするんだ?と思ったら、そこは隠さずあっさり本人達も観客も知るところに。
吉原の遊女、しかも太夫と町娘という関係性では、当然会えない状況で、食を通して友情をみせていく姿が温かいの何の。
澪と御寮さん、野江と忘八の義理物語も格好良すぎるし、つる屋の主人も良い仕事してます。
制約がある中での義と情の物語で、判りやすく温かくとても面白かった。
まったりと
角川監督の思う、「みをつくし料理帖」の世界観。
「みをつくし料理帖」は映像化、原作も未見、未読です。
観るきっかけは主演の松本穂香さん。
彼女の作品を追って辿って出会う作品が、
彼女の存在でより好きになる。
今1番作品を観るのが楽しみな女優さん。
奈緒さんもそんな1人。
映画「みをつくし料理帖」は、角川春樹監督、最後と監督作品として度々語られている事からも、
それまでの角川映画のダイナミックなイメージより、
料理人ヒロインと幼馴染の2人の物語に絞った、
ヒロイン映画に寄った作品だと思いました。
脇を固める角川映画ゆかりの演技派俳優さんたちも、
誰がか目立つ様な演出はなく、
ヒロインと幼馴染の2人を見守る様な演出に抑えられています。
それを考えずとも、松本穂香さん、奈緒さんは、
普段は大人しい役でも、実は芯の強い女性達である事を、
感じる瞬間がたくさんあります。
松本穂香さんの「下がり眉」な表情をずっとしたまま、
料理に取り組み、幼馴染を想い、周りの人達を思い、
その中で芯の強さを感じる演技がとても好きでした。
映画はチームワーク、スタッフさん、演者さんみんなで作るもの。この世界観をみんなで作っていると感じる映画でした。角川監督はこの2人の幼馴染の物語と料理人としてのヒロインの物語を撮りたかった、と映画全体を観て思いました。
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