みをつくし料理帖のレビュー・感想・評価
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優しさと思いやりに溢れている
「みをつくし料理帖」と言えば有名な原作で、過去に2回テレビドラマになっているからタイトルに馴染みがある。料理が主体の作品だ。グルメ系の番組が溢れかえっている現在日本のテレビ事情からして、料理を扱った映画は日本人に親しみやすく、本作品もある程度のヒットは約束されている。
松本穂香はテレビドラマ版の「この世界の片隅に」で、すずさんという大役を好演していたから、本作品でどのような澪を演じるのか、かなり期待していた。
その期待に違わず、とてもよかったと思う。過去のテレビドラマでは北川景子、黒木華と、それぞれの澪が演じられたが、本作品の松本穂香も、彼女なりのどこかホンワカして悲壮感に陥ることのない明るい澪を表現できていた。
静かに物語が進む作品で、作品の世界観そのものが何かこちらの琴線に触れるところがあり、何気ない場面にも落涙を禁じ得なかった。その世界観の中心にあるのは多分、思いやりだと思う。
スープのある担々麺を考案した四川料理の陳建民は「料理は愛情」と表現し、本作品のごりょんさんは「料理は料理人の器量次第」と啖呵を切る。いずれも食べる人のことを思いやる気持ちのことだ。当方の知り合いの料理人は「面倒臭いと思ったら料理人は終わりだ」と言っていた。
北川景子も黒木華も撮影前にそうしたように、松本穂香も料理を猛練習したのだろう、料理の手付きが非常に手際よく美しかった。こういう努力はそれぞれの女優さんたちの「器量」なのだと思う。
和食では出汁を引くのに昆布(グルタミン酸)と鰹節(イノシン酸)を合わせるのは今や常識だが、それを考案した天才料理人がいたことに思いを馳せる。
料理には特許も著作権もない。それでも料理人たちは創意工夫を重ねて、より美味しいものを食べてもらおうとする。聞かれたら食材も作り方も全部教える。自宅でも美味しいものを食べてほしい。競合店に真似されても構わない。もっと美味しい料理を作ればいいだけだ。それが料理人の矜持である。
澪が作る料理のひとつひとつが美味しそうで、観ている最中から俄然空腹になった。鑑賞後に食事に行くことをおすすめする。美味しいものを食べながら観たばかりの映画を振り返るのも映画ファンの醍醐味だと思う。
手嶌葵が歌う、松任谷由実作詞作曲の主題歌は、本作品に相応しく静かで透明感がある。タイトルでもある「散りてなお」の歌詞は聴き馴染みのあるメロディで歌われ、初めて聴いた曲という気がしない。名曲の予感だ。
主題歌をバックのエンドロールでは作品中の料理や場面が一緒に流れ、感動がぶり返して再びハンカチの出番となる。優しさと思いやりに溢れた素晴らしい作品だと思う。
悪くはないけど、ますます映画は、日本では、取り残されます。
上質な演技でした。色彩も豊か。しかし、もともと、単純なストーリーを高めていくだけの、理念やら脚色が不足。しかし!封切りの日、田舎のレイトショウでの鑑客は、私1人だけだった❗️本当です!劇場前で、並んでいたのは、「鬼滅の刃」の人々。漫画を読んでましたので、「鬼滅の刃」の漫画は、時代考証は欠損してましたが、もともと、漫画は荒唐無稽が楽しいのであり、かなり良い作品だと思いましたが、、しかし、アニメを観るために、レイトショウに、これだけの人々が、集まることは驚きでした。映画芸術は、いま、日本では、無意味になってますね。現実を肯定して、ただ「パンと見せ物」に集うだけですか、、
#84 言葉がなくても通じ合う
澪と小松原様の掛け合いにキュンとした。
恋心よりも好きな人の進むべき道を指南してくれる小松原様。現代でもこんな男子いないよ〜。
そんなことよりこの映画の本題はお料理。
江戸時代から牡蠣の昆布焼きとか贅沢な物を庶民が食べていたとしたら、凄いな。
さらに我が富山県民激愛のとろろ昆布のおにぎりがこんな昔からあったなんて、しかも元は上方の食べ物やったなんて、、、😹
こぼれ梅とか、他にも知らない食べ物が沢山出てきてグルメな人にも時代劇好きにもオススメ。
大人なら『鬼◯の刃』より絶対こっちでしょう。
ほんわかふんわかほんわかほいっ♪
個人的にはハズレが多いなという印象の松本穂香。
今回もそこまで期待はせずに鑑賞。
中村獅童や窪塚洋介が出演しているので2人を見に行くような気持ちで。
なかなかいい作品じゃないですか。
上品でゆったりとした作品。
これをダラダラしてると言っちゃえばそれで終わりなんですが、そのゆったりとした雰囲気と美味しそうな料理がマッチしている。まぁ、料理で慌ただしかったらどうしようも無いんですけどね笑
仲のいい幼馴染の澪(松本穂香)と野江(奈緒)は、大洪水で両親をなくし数年後お互い離れ離れになってしまう。
映像が本当に美しい
暖かく店や部屋を照らす太陽の光が観客をこの世界に引き込んで、穏やかな気持ちにさせる。
最後の空はあまりにもCG過ぎましたけどね
料理で2時間どう持たせるんだろうかと思っていたが、野江ちゃんと料理を通しての繋がりや江戸で名高い料理屋とのぶつかり合い、思いを寄せる澪など単純だけど良いストーリーだった。
松本穂香は良く着物が似合うこと。これからこんな役が多くなるんじゃない?今まで見てきた主演作品の中でもダントツで適役だった気がする。
中村獅童や窪塚洋介などの男性諸軍はやはりカッコよかったですねぇ。
ただ物足りなさはある。
笑えず、泣けずという感じで惜しいなと。
間延びしている部分があったので、もうちょっと時間を長くするか恋愛要素をなくして内容を深めて欲しかった。
料理を作っているシーンが意外と無い。
この世界の片隅にやきのう何食べた?みたいに、料理を作る際に解説があったりしたら良かったな。
美味しそうと思わせる間もなくすぐ次のシーンにいっちゃうんだもん。
まぁ、こういう映画もアリということで。
最近、シリアスな映画ばかり見ていたからこのホンワカ具合がちょうど良かった。
タイトルすいません笑 九州の人しか分からないネタです。他県の人も聞いたことあるのかな?
NHKの続きかと思ったら違った
調べずに見た自分が悪いのですが、NHKドラマの続きと思って鑑賞したら別スタッフによる作品でした。
悪い作品ではなかったかと思いますが、肩透かし感があり映画を集中して見れませんでした。
この映画はだいたい物語の中盤、最終目標が明確になる辺りまでの話ですが、その先を期待していたので。
映画は映画
NHK版の黒木華が良かったからこの作品には期待していない・・・という記述が目立つけど、それはヤボというもの。
映画版では澪の母親代わり芳のセリフの中にしか登場しない、芳の夫で天満一丁庵の主・故嘉平衛や種市が、澪の才能を見抜き当時としては珍しかった女性を料理人として抜擢したのと同様、角川春樹自身が薬師丸ひろ子や原田知世を抜擢し、そして原作者の髙田郁の才能に惚れ込み彼女とこの作品を世に送り出したことを考えれば、たとえどんなに良くても評価の定まっている黒木華で撮ることは、野村宏伸演ずる鶴屋の常連客のセリフではないが、はなっから「ありえねぇ」話なのだ。映画はあくまでも映画。テレビドラマとは違うのだ。
そしてその角川の期待に見事に応えたのが松本穂香であり、出演が決まった頃はほぼ無名であった奈緒で、また作品の世界同様、ベテラン俳優陣がシッカリと彼女たちを支え切った。
私も原作やドラマ版が大好きでこの作品に期待して観たのだが、セリフも説明の部分も少なく、最初の試写会ではこの作品の良さが良くわからなかった。でも二度目を観て、役者の目の表情にセリフ以上の意味が込められており、この作品の奥深さを感じた。是非二度以上を観ていただきたい作品だ。
ヤキが回った角川春樹の老残映画。
23歳の松本穂香ですが、10代なかばの純真さと一途さを演じていて、表情がクルクルと変わる愛らしさ多彩さは見事なものでしたが、このお話は松本穂香のファン以外にはキツい、というか痛すぎる話でした。
この出来ばえでは、角川春樹のおそらく最後の作品になるしかないのだろうと思いますが、一言で言って、ユルユルでガバガバな酷い話です。
下手くそさを誤魔化すために「お笑い」に走る、一群の下手くそ芸人の集団が日本には存在しますが、本作に登場する藤井隆などもその典型。
彼一人で、この映画を「よしもと新喜劇」の出来損ないみたいなドタバタに貶めており、こういう演技しかできない人間をキャスティングした角川春樹の眼力の衰えには驚きを隠せません。
たとえキャスティングしていても、彼の演技力を見て、登場画面をオールカットするぐらいの蛮勇を、かつての角川監督ならば揮えたはずですが、そういうことができないのなら、監督もヤキが回ったとしか言えないと思います。
江戸時代の日本料理の設定なのに、なんで幕末に日本に入ってきたはずの西洋ニンジンを、和ニンジンの代わりに使うかなぁー。
しかも大阪出身の料理人という設定なのになぁー。
時代考証もさることながら、そもそもあの画面では、オレンジ色のニンジンではなく、真っ赤な和ニンジンでないと活きないでしょ、と、細かな点、美的センスの欠如まで、ほんとに残念な限りでした。
収穫は、松任谷由実の作曲になるテーマ曲の美しさ。
これだけは映画を離れても十二分に美しい作品で、この映画の功績は、松任谷由実のテーマ曲を産んだことが唯一の功績になるのではないかと思った次第です。
とてもよく出来た映画です
最近の邦画界は、出来がとても良いと思います。糸、ミツドナイトスワン、浅田家、今回の、みをつくは一番だと私は思います。配役、物語、音楽すべて高いレベルに仕上がってると思います。代金に見合うだけの映画です。
ドラマの方が⭕か
運命に翻弄される幼馴染みの強い絆もいいが、
料理帖と言うからには、
ストーリー自体を変える必要はないが
評判になった茶碗蒸しや牡蠣料理の作り方を
簡単に公開しながら進めて欲しかった。
ドラマの方が、
1話ごとに料理が変わるし、最後は一品
レシピ紹介もあって
そんな感じの方が向いていると思うのですが?
わざわざ映画にしなくてもよかったんじゃ
ないかと?
映画とドラマの再放送だったら迷わず
再放送を観ます。
昭和演出満載だけど観やすいけど
たまには時代劇もいいものです。
好きな俳優陣がいるので鑑賞しました。
松本穂香、奈緒、良かったです。
でも1番良かったのは窪塚洋介。本当に才能のある俳優さんです。私生活は少し独特ですが、スクリーノ中の存在感はさすが。
時代劇と言っても、平民の、それも料理と恋愛?メインの話なので、誰でも楽しめると思います。
ただ、、、演出が昭和。映画と言うより、、国営放送ドラマみたいな。
浅野温子があぶない刑事みたいで、変にコメディで、昭和コント風。
何より、、、1番いいシーンが予告動画に含まれてるってどうなんでしょうね。
演者は良かったけど、、演出が、、ちょっと残念。
金は、ある。 春樹
原作の小説は結構好きでした。2012年あたりにTVで2時間ドラマがあったんですよ、北川景子と貫地谷しほりで。てっきり、貫地谷しほり→みお、北川景子→のえ、だと思い込んで視聴開始したんですが、これが逆だった。もうね、衝撃でした、俺的には。逆でしょ?と。大人の事情、事務所的に、ってやつどすかね。
今回、あのドラマのリベンジを果たしてくれたのが、元原作ファンとしては嬉しかったです。
角川春樹、自らがメガホンを取るという事で、期待値はそれほど高くも無く。ボチボチの満足感で、ボチボチの不平ありで、ボチボチの出来だった。
けど。
刺さるんですよ、これが。見事に。グサグサ。地味メイクの松本穂香、最高です。のえ役の奈緒も、意外に真面目に良かったです。あざといし、わざとらしく泣かしに来るんですけどね。
コーンコン、とか白けながら眺めてたんですけどね、予告では。これに、やられるとはw
角川春樹の意欲は製作費に現れているのか。丁寧な品質の画と、出来る役者さんだらけのキャストは、確実に脚本の拙さを埋めて余り有る出来で、結構満足です。
最後の、アレは蛇足だったけどw
良かった。結構。
料理が…
なんかゆっくりと流れる時間が見てたらだれてきて、眠気を誘う映画でした。
音楽も素敵で画角も良いのに良い映画に思えなかった。俳優たちも良かったけど、太夫の演技に大物感が見えなかった。1番の売りの料理が食べてみたいと思えなかったのが、この映画の敗因の一つだと思った。
何もかもが惜しい映画。
主役が・・・
原作未読、漫画、テレ朝版、NHK版、どれも観てない状態で観賞した。
ストーリーとしては良かったし、出演者も主役以外は非常に良かった。
つる家の客、藤井隆、窪塚洋介は特に良かった。石坂浩二、中村獅童もバッチリハマり役。
久々に見た衛藤美彩も相変わらず綺麗だった。
ただ・・・松本穂香がなぁ。主役としての華がない。
奈緒はまだマシだが、4千両の身受代がかかるあさひ大夫として何か芸の素晴らしさを見せて欲しかった。
良いけど、惜しい作品だった。
天は神の御座す処
享和二年の大水で8歳にして両親を亡くし、幼馴染みとも離れ離れになった10年後、江戸の小さなそば屋で才能を開花させていく主人公の話。
みなしごとなり、彷徨っているところを一流料理屋の女将に拾われて育って来た10年間。
店は無くなり、そば屋働き始めて3カ月、大阪の昆布だしと江戸の鰹だし等、食文化の違いに悩みながらも、自分の味を見つけ頭角を現したことで巻き起こって行くストーリー。
幻の太夫がどうのと言っている時点で、誰もがお察しのフリな訳で、こんなに早くてどうするんだ?と思ったら、そこは隠さずあっさり本人達も観客も知るところに。
吉原の遊女、しかも太夫と町娘という関係性では、当然会えない状況で、食を通して友情をみせていく姿が温かいの何の。
澪と御寮さん、野江と忘八の義理物語も格好良すぎるし、つる屋の主人も良い仕事してます。
制約がある中での義と情の物語で、判りやすく温かくとても面白かった。
まったりと
うーん、雰囲気はゆったりでよかった。昔っぽい格好が似合う人が結構多かったしね。でもまぁこういう内容はやっぱりじっくりゆっくりドラマの尺で、というかもはや朝ドラの尺くらいで、登場人物に対する思い入れがゆっくり湧いてくるような感じで作った方がいいんだろうなと思いますね。乃木坂の衛藤ちゃん好きなので期待してましたが、うーん、髪の毛おっきすぎてなんかあんまりぴんと来ませんでした、笑。今日は寒いし、あったかい和食食べたくなりますねぇ。
角川監督の思う、「みをつくし料理帖」の世界観。
「みをつくし料理帖」は映像化、原作も未見、未読です。
観るきっかけは主演の松本穂香さん。
彼女の作品を追って辿って出会う作品が、
彼女の存在でより好きになる。
今1番作品を観るのが楽しみな女優さん。
奈緒さんもそんな1人。
映画「みをつくし料理帖」は、角川春樹監督、最後と監督作品として度々語られている事からも、
それまでの角川映画のダイナミックなイメージより、
料理人ヒロインと幼馴染の2人の物語に絞った、
ヒロイン映画に寄った作品だと思いました。
脇を固める角川映画ゆかりの演技派俳優さんたちも、
誰がか目立つ様な演出はなく、
ヒロインと幼馴染の2人を見守る様な演出に抑えられています。
それを考えずとも、松本穂香さん、奈緒さんは、
普段は大人しい役でも、実は芯の強い女性達である事を、
感じる瞬間がたくさんあります。
松本穂香さんの「下がり眉」な表情をずっとしたまま、
料理に取り組み、幼馴染を想い、周りの人達を思い、
その中で芯の強さを感じる演技がとても好きでした。
映画はチームワーク、スタッフさん、演者さんみんなで作るもの。この世界観をみんなで作っていると感じる映画でした。角川監督はこの2人の幼馴染の物語と料理人としてのヒロインの物語を撮りたかった、と映画全体を観て思いました。
物足りない
公開初日に鑑賞。正直、物足りない。
主演の女優2人ははっきり言って力不足です。華というか、もうひと味足りませんでした。澪役の松本穂香さん、あさひ太夫役の奈緒さんは共に初見ですが、ひたむきに一生懸命演じていたのはわかりました。
ただ、尺と演出の都合か、あさひ太夫の凄味というか、何故この娘が幻の太夫なのかが全く伝わってきません。芸事の技量が素晴らしいとか噂だけでなく、何かもうひとつ、客と実際に接しているような時に、度量や懐の深さがわかるエピソードがあれば良かったのでは。
澪役の松本穂香さんは後半、多少良くなりました。明るい顔より俯いた憂いの表情の方が似合います。
まわりを固める共演陣も豪華ですが、なんだかバラバラで役に馴染んでいないような…役者ありきのキャスティングでしょう。過去NHKでやったドラマ版の配役なら見たかったなあ、と思わせてくれました。采女役の鹿賀丈史さんだけが良かった。
スクリーンで見たい!と思う邦画作品がなかなかなくて残念。このレベルならテレビで十分です。
全85件中、61~80件目を表示