劇場公開日 2020年1月17日

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「劇場版優しい世界」ジョジョ・ラビット オレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0劇場版優しい世界

2022年4月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

盲目的にアドルフヒトラーを崇拝する10歳の少年ジョジョが自宅に隠れ住んでいたユダヤ人の少女エルサと出会い、少しずつ変化していく様子を描いた愛と勇気に満ちた感動作。

第92回アカデミー賞において脚色賞を受賞した今作は人類史上最悪の出来事を信じられないほどポップでカラフルに描きつつコミカルでシニカルな演出で表現された予想外な感動作だった。

中でもひときわ存在感を放っていたのがジョジョの母ロージーを演じたスカーレットヨハンソンだった。
かつての優しかったジョジョに戻ってほしいと切に願う母役として愛に溢れた演技を見せる一方、反ナチス運動を根気よく続けていく芯の強い女性像も見事に表現し、近作にあたる『マリッジストーリー 』と同様に彼女の一つのキャリアハイを堪能できる素晴らしい存在だった。

またジョジョの上官役のキャプテンKを演じたサムロックウェルも素晴らしい演技を披露していた。
戦前から退いた高慢な指導官の印象を最初は持っていたが、話が展開するにつれロージーに頭が上がらなかったり、実は優しい一面もあったりと人間味溢れる存在でジョジョの成長を不器用に見届ける人物を好演。
オスカーを受賞した『スリービルボード』のディクソン同様に彼の代表作と言える存在感だった。

また監督兼俳優としてアドルヒトラーを演じたタイカワイティティも独特の存在感だった。
常にコミカルにジョジョの良き友として居続けた一方、ジョジョの思想が次第に自らの思想と離れていくにつれ、顕著になっていく怒りの姿勢と命令口調の怒号で隠していた本物のヒトラーの素顔を垣間見せる演技が見事だった。
MCUデビュー以降引っ張りだこの彼が賞レースでも戦える作品を送り出してきたことも印象的だった。

長々と書いてしまったがトーマシンマッケンジーが最高に美人だからとにかく見てほしい笑。
あとヨーキーに友達になってもらいたい笑。

オレ