「大人の責任」ジョジョ・ラビット ハムカツ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
大人の責任
子供というのは、全くの無知の存在で、母親から生まれます。そのため、育つ環境によって、価値観や当たり前がそれぞれ変わってきます。それは、ごく普通で当たり前のことであるが、子供を育てる上で関わる親や教師などが背負うべき責任である、そんなテーマがヒシヒシと伝わってくる映画でした。
また主人公ジョジョの成長を靴紐を通して分かりやすく見せてくれるシーンが素晴らしいと感じました。スカーレット・ジョハンソン演じる母ロージーは、自身が反ナチスでありながらも、ナチスであるジョジョを否定することはなく、息子の仕事を応援するなど、自らの意見を押し付けることをせず、息子巻き込まないようにし生活を守ってあげていました。しかし、ユダヤ人を匿って処刑された人々を見るシーンではしっかりと、ジョジョに現実を見せつけ、すべきことをしなさいと、社会に飲み込まれずに自身で考えるように促していました。母親として完璧であったがため、ロージーが処刑されたシーンでは、川辺で意味深に映されていたロージーが履いていた靴を写すことで母が死んだことを視聴者に見せた。本当に悲しくなりましたね、、、
エルサに関するシーンも良かったですよね!登場シーンで、今まで教え込まれてきたユダヤ人と自分が今見ているユダヤ人が全く違い、同じ人間であることを強制的に理解させられる。そして、エルサと会話を繰り返し、少しずつ知っていくことで、洗脳からの脱却をみせ、ジョジョ自身の成長も感じられました。これらのシーンより、監督の人種差別に対するメッセージが強く感じられましたよね。
今回は少し長くなりましたが、個人的に素晴らしい映画と出会えることができたと感じています。私自身まだ学生であり、将来的に結婚し、家庭を持つ前にみれたことが本当に良かったと感じる映画でした!