劇場公開日 2020年1月17日

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「やんわりとした反戦映画」ジョジョ・ラビット うにたん♪(新型コロナで巣籠もりDVD観賞)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0やんわりとした反戦映画

2020年6月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

ヒトラーの妄想と会話してはしゃいでる軍国少年ジョジョ。
しかしウサギが殺せなかった事からウサギ扱いされ、ヒトラーユーゲントの訓練中に手榴弾で誤爆して、訓練から脱落、顔には傷、足には障害が残る。
しかしイジメられっこオーラを醸し出すジョジョに対して母親の強いこと強いこと(笑)
そりゃそうだスカヨハが母ちゃんなんて強いに決まってる(笑)

しかも母ちゃんドイツ人だけど戦争はキライ
バリバリのヒトラー信者の息子ジョジョとは揉めてしまう。揉めたら母ちゃん、顔に墨つけて髭にして息子を叱るシーンみたら息子の妄想癖は遺伝か?と思った。

おまけに家で壁の中に住むユダヤ人女性エルサを見つけるが体力でも口でも負けてしまう…やられ通しのジョジョ。ろくに友達も居ないのでエルサに絡むが毎回やられてしまう。流石に10才のぼくちゃんでは敵わないのは仕方ない。
しかし、ジョジョの母親が反戦活動に参加して処刑されると物語は一変し、ジョジョが盲目的に信じた全てがウソだった事を理解していく様は悲しい。彼が信じたユダヤ人とドイツ人の違いなど在りはしないし、角も生えない。
ゲシュタポに踏み込まれた時は姉を偽ったエルサをユーゲントのクレンツェンドルフが見逃してくれるなど、ドイツの全てが狂ってなかった様子は看て取れた。フィンケルとクレンツェンドルフが怪しい仲なのは間違いないのだが、同僚のミス・ラームの方が余程狂っていて恐ろしい。
ただ一人の友人ヨーキーが分かりやすい気持ちを出して好感が持てる、彼はただのデブじゃない。
ミス・ラームに唆されて連合軍に突っ込まされた時は逝った~と思ったが…。
ドイツでの戦闘では武器を持った民間人がどれだけ亡くなったか分からないが連合軍占領後は本当にマシになったのだろうか?
作中に出てくるジョジョの父やエルサの婚約者はどうなったのか?色々気にはなるが分からないまま。
ラストの踊って終わってしまうのはちょっとズルいよ。まだ幼い彼の恋心は実らなかったけど、それでもいい。新しく生まれた姉弟に祝福を。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)