「途中から良かった。それまでは退屈。」ジョジョ・ラビット パナソニックさんの映画レビュー(感想・評価)
途中から良かった。それまでは退屈。
アカデミー賞にノミネートされたり、チョビ髭が面白そうなので、鑑賞した。
おもいっきりのコメディで、お腹を抱えて笑いたいと思っての鑑賞だが、ジョジョの自宅に捜査員が来る辺りまではかなり退屈だった。ユーモアで笑わそうとはしてるけどあんまり笑えない。パラサイト半地下の家族の方が面白い。
ヒトラーの面白そうな姿が広告に使われていて面白そうに見えるが、面白くない。後半は逆に面白さ(笑いではないけど)が出てくる。
ヒトラーがユダヤ人を虐殺していたのは有名だけど、子供の心まで歪んだものにしてしまっているのは、当時のヒトラーは凄い影響力だったなと改めて思う。映画冒頭にヒトラーに対して右手をあげる人々の当時の映像が流れるが凄い時代だ。
ジョジョがユダヤ人には角があるとか、コウモリみたいに逆さになって寝るとかを信じてしまうのも無理がない。
捜査員が自宅にやって来ると、ジョジョの描いた絵を捜査員が見つけるのだが、その絵はユダヤ人の姿がいくつも描かれていて、その姿は完全なモンスターである。
映画のなかでヒトラーが出てくる。ジョジョの側に良く現れるのだが、このヒトラーはジョジョの中にあるナチスへの忠誠心を具現化したもの。最初はジョジョと共鳴しているのだが、ジョジョがだんだんとナチスに疑問を抱えていくと、最終的にはジョジョに蹴られて消えてしまう。つまり、反戦映画。
処刑された母を見つけるシーンは、悲しくなった。隣の女性の観客は涙を流していたようだ。それくらい悲しいシーン。
あと、ジョジョが描いた母と自転車に乗った絵を写すシーンと、隊長が銃殺される(銃声だけでおそらく射殺されただろうと思う)シーンも感動シーンだと思う。
本作がアカデミー賞脚色賞を受賞した。作品賞は取れなかったが、パラサイト半地下の家族の方が面白いから仕方ないと思う。エルサが壁の奥にいるのは、地下にいるパラサイトの住人ぽくて、うっすら内容が被ったと思った。ヒトラー役の人が監督であったと、観賞後に知った。
評価については、前半は退屈で3、後半盛り上がり4。3.5~4辺りだけど4にしておく。
ストーリーは以下。
起
第2次世界大戦中のドイツが舞台。
主人公は10歳の男の子ジョジョ。彼は純粋なナチ信仰。4人家族だが、父は出兵し姉は死んでいるので、母との二人暮らし。
ジョジョは訓練隊(作中なんと呼ばれてたか忘れたけど、子供を兵士に育てるためのグループ)に入る。隊長の指示のもと、ジョジョはいろいろな訓練を経験する。彼の側には常にヒトラーがいて、ジョジョを励ましてくれる。
ある時、ジョジョは教官の先輩兵士からウサギを殺すように指示されるが、優しいジョジョにはそれが出来なかった。この一件以降、ジョジョはジョジョラビットと皆から馬鹿にされてしまう。
そのあと、隊の子供たちは投てきタイプの爆弾の使い方を教わることとなるが、男を見せるためか、ジョジョは指導役の先輩から爆弾を奪い投げて見せるが木に当たって跳ね返り自爆してしまう。
承
重症を負ったジョジョは皆と離れ、自宅で母と生活することとなる。母が不在の時に、2階から物音が聞こえたジョジョは、2階を調べると壁の奥に隠れる少女を見つけてしまう。少女(と言ってもジョジョより年上)はユダヤ人で名前はエルサ。母が匿っていたのだ。
ジョジョにとってユダヤ人は悪魔。すぐに通報しなければならないが、少女に「自分を通報すれば母親も死刑だ」と脅され、抵抗するのをやめてしまう。
ジョジョの母は戦争には反対の立場だ。こういった思想は当時のドイツではNGのようで、見つかれば死刑になってしまう。
戦えないジョジョはロボットの姿をして町中から鉄を集める仕事をしていた。その際に、ジョジョの母が戦争反対のビラを配っているところを目撃してしまう。
転
ある時、ジョジョの自宅に捜査員がやって来た。そこに隊長も訪れた。ジョジョからすると、2階にエルサがいるわけだからドキドキものだ。捜査員が1階を隈無く探していると、2階から物音がする。捜査員が2階に行くとエルサが現れ、自分はジョジョの姉だと名乗る。隊長に身分証明書を渡し、誕生日を聞かれると5月1日と答えた。隊長は身分証明書通りだと答えた。またジョジョが書いたユダヤ人を馬鹿にした本が捜査員の目に留まり、結果、何事もなく捜査員たちは帰っていった。
ほっとするも、ジョジョが街を歩いていると、処刑された母を見つけてしまう。しばらく母の遺体の前(遺体と言っても首吊りのまま。)で座りこむ。
ジョジョは自宅に帰ると母が殺された怒りからエルサにナイフで刺してしまうが、座り込んでしまう。
結
戦争で見方のイタリアが負けたそうだ。ヒトラーも自殺している。ジョジョの街もいよいよ銃撃戦が始まった。銃撃戦が終わると、ジョジョは捕虜となるが、隣には隊長がいる。隊長の気転でジョジョはその場から解放された。隊長たち捕虜はその場で射殺される。
自宅に戻るとエルサに戦争はドイツが勝ったと嘘を言う。ジョジョはエルサが家を出ていかれたくないようだ。ジョジョとエルサは外に出ると、アメリカの国旗を掲げた車が走り、ドイツが負けたことが確実視される。エルサはジョジョの頬をビンタすると、二人は踊り出してエンディングを迎える。