「靴が示すのは…」ジョジョ・ラビット sawakoさんの映画レビュー(感想・評価)
靴が示すのは…
ナチスをテーマにした映画は数あれど、軽いタッチで笑わせ泣かせてくれるあたり、ライフイズビューティフルを彷彿とさせますが、あれはイタリアでの話。ナチスの本拠地であるドイツでは緊迫してたと思うけど残忍なシーンを殆どなしで描いてる本作は素晴らしい。
ジョジョ役の少年、最後は表情が大人になってましたね。シナリオの通りの順番で撮影できない作品が殆どだと思うけど、逆にそれならあの演技力はすごい。
そして、プールの場面やお散歩の帰り道度々出てくる母の靴のアップ、靴の柄を印象付けてた理由が母の死だったとは…この辺も靴の産業が発達してるドイツならではの発想、と思ったけど全編英語だし配給はディズニーなのね(笑)
皆さんのレビュー通り母が父親役をやるシーンが泣ける。そしてラストの大尉がジョジョを庇うシーンも冒頭に書いたライフイズ〜を思い出す。
ビートルズ等の音楽はすぐにはわからなかったけどあえてアメリカのロックを持ってくるところが良いですね。
エルサとジョジョで、ユダヤ人とドイツ人の著名人を列挙し競い合うシーンも音楽や演劇に携わる私としてはとても勉強になりました。
パラサイトも鑑賞したけど、やっぱりこういう生きてることの素晴らしさを教えてくれる作品の方がよいなーメッセージ性でいえば断然こちら。でも題材的に目新しさやパンチがないという意見もわかるんですけどね。
戦場のピアニストも久々に見てみたくなりました。音楽や踊りは、平和だからこそ必要とされる…