「「ドイツが勝った」。ジョジョの嘘におっさんは泣かされたよ。」ジョジョ・ラビット しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
「ドイツが勝った」。ジョジョの嘘におっさんは泣かされたよ。
もちろん、子を持つ親にしてみれば、子を第一優先にしていなかったような「あの結果」は死ぬほど悔しいし、その前の足元だけの、からのしつこいほどの描写も「あれありき」でズルいんだけど、一応子供目線の、という注釈がつく映画なので、素直にそこは泣かされた。
中盤のお決まりのゲシュタポ家宅捜査、ジョジョの、ユダヤ人に対する「教育」とエルザの「嘘」でつづられた本が救う皮肉。
ラストの「ドイツが勝った」。
すべてを失ったジョジョの嘘。その嘘を解き放った勇気こそが靴紐を結ばせる。
ジョジョの成長のみを丹念に丁寧に追った映画だけど、その後の「敗戦国ドイツ」の惨状を知っているものにとっては、いくらなんでも能天気すぎる、という気持ちもある。
だがそこで「Heroes」
これまでも映画でこの曲がアホのように使われきたが、
We can be heroes for just one day
「敗戦国ドイツ」の惨状がこのあと二人を待ち受けている。にしても、この日だけは、という歌詞がぴったりくる。
この二人に限らず、今は、今日だけは、まずは自由を謳歌し、踊ろう。
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