劇場公開日 2020年1月17日

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「重いテーマをコミカルに」ジョジョ・ラビット aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0重いテーマをコミカルに

2020年1月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

知的

かなり深刻なシチュエーションを、絶妙な塩梅で、コミカルなタッチで描いた珠玉作。まともに描かれたら、残酷過ぎてまあ観れなかったかも。

タイカ・ワイティティ監督、このバランス感覚天才かも。
大戦末期、ナチに心酔する10歳の男の子が主人公。これだけで深刻な設定なのに、作りが楽しく、すぐに世界に入れる。
冒頭、ヒトラーに歓声をあげるモノクロフィルムの女性たち。その映像のバックにビートルズの曲が。この時点でコメディとしてほっとさせられて、物語が始まる。これこそ映画の魔法だ。

ジョジョ役の子の可愛さはもとより、監督扮する想像上のヒトラーや、彼を取り巻く大人たちが魅力的。スカヨハ演ずるジョジョの母親、ヒトラーユーゲント教育係のK大尉、重要な役所のトーマシー・マッケンジーなどなど。

そういえば、評価の高かった「僕はイエス様が嫌い」に似ていて、神様の替わりにヒトラーとなった体裁だ。メッセージもありながら、楽しく見れる素晴らしい作品だと思う。

AMaclean