「自由の素晴らしさを」ジョジョ・ラビット KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
自由の素晴らしさを
日経ホールにて試写会鑑賞。
日本人の殆どが生まれた時から自由を持って存在するわけだからどうしても当たり前になってしまうが、こういう作品を見ると改めて自由って素晴らしいことなんだと思わされる。
主人公のジョジョはヒトラーに憧れて軍に入隊することを夢見る少年。ただ本質はウサギも殺せないとても優しい少年。ただヒトラーは偉い、軍に入隊し国に尽くすことがかっこよく正しいんだと生まれた時から国全体でそう育ってしまうわけだ。同時にユダヤ人も悪だと擦り込まれる。
家の中にユダヤ人のエルサがいて彼女との会話の際に洗脳されるという言葉をジョジョは発していたが、すでに国家に洗脳されているジョジョが発言したのはとても印象に残った。
ジョジョはエルサと会話を重ね、時を過ごすとともにユダヤ人への理解を通り越し彼女に恋をした。恋をすると同時にジョジョはエルサに優しく接するようにとても温かい時間を過ごす事になる。
最後はドイツが敗れた。その際はもうユダヤ人がどうだとか周りも関係なくなり自分の事で一杯になる。それと同時にヒトラーへの忠誠心なんかも全くなくなる描写もあった。
洗脳や決められたレールで生きることはとても窮屈であり、同時に簡単に壊れやすいものである。
ジョジョは母から考える自由を与えてもらった。
その自由の先には愛や優しさが待っていた。あのままヒトラー政権が続いていたらジョジョは愛や優しさに触れることなく戦場で死ぬこともあったかもしれない。
そう考えると改めて自由って素晴らしい事だと思わさせれる。縛られた環境の先には限られた可能性しかないが、自由には無限の可能性がある。非常に温かい気持ちで鑑賞し終得ることができた。