「FINALが実現された事は喜ばしいが、残念な点も多い」銀魂 THE FINAL いるかさんの映画レビュー(感想・評価)
FINALが実現された事は喜ばしいが、残念な点も多い
良かった点
・完結しきれなかったアニメ銀魂の本当の最終回がようやく見れた
・笑えるギャグシーンがそれなりにある
・EDアニメーションに歴代OP、EDの要素が散りばめられており、集大成感があった
悪かった点
・アニメ化されていない原作の部分はあらすじナレーションのみで解説
・あらすじが冗長
・作画、動画がイマイチ
・作画、動画に関して
キャクターデザインがテレビシリーズから結構変わっており、少し違和感を感じた。
全体を通して作画は比較的整っていたものの、動画の方はお世辞にも良い出来とは言えなかった。
特にキャラクターが走る動画の完成度が低く、シリアスな場面でもキャラクターが走り出すと滑稽に見える場面が殆ど。
戦闘シーンもイマイチ迫力に欠けており、同じ劇場版銀魂の「新訳紅桜篇」や「万事屋よ永遠なれ」と比較しても迫力が下がっていた。
・あらすじに関して
冒頭の「これまでのなが〜いあらすじ」。
原作通り、某Z戦士のパロディであらすじが語られる。
しかし、パロディ以外にギャグ要素は多くない上に本当に長い。
笑えるポイントはあったし、あらすじが長いとツッコミが入ったり等フォローはあるものの、それでも冗長に感じた。
もっとも、テレビシリーズから時間が空いたことや、今回の映画までの経緯やストーリーがややこしい上に長いこと、更にアニメ化されていない話まであるため、あらすじが長くなる事は仕方ないことではあるが…
・dTVにて配信される前日譚に関して
1/8の映画公開時点でアニメ化されていない原作のストーリーがあり、しかもシナリオの上で結構大事な部分である。
そこが端折られているので、映画が始まって早々駆け足感が否めない。
おそらくdTVで1/15に配信される話なのだが、出来れば映画公開前に公開してほしかった。
実写版とdTVのコラボの前例はあるし、スケジュールの都合上仕方のないことなのだろうが…。
・まとめ
コロナ禍の影響により、上手く制作が立ち行かなかった部分もあるとは思う。
それがこうして完成して、銀魂のアニメシリーズが今度こそ原作通りの最終話を迎えて、公開されて見届けられたことは、シリーズのファンとして本当に感謝している。
その上で、やはり作画、動画の部分の完成度の低さはどうしても目に着いてしまい、残念であった。
ともかく、頓挫してしまった原作最後のアニメ化が実現されたことは、喜ばしいことだった。
多分、本編で鬼滅パロを描きたかったのだろうと思うが、おそらく制作の都合上収まらなかったのだろう。
それを原作者書き下ろしの入場特典にしてしまうという荒技で、なんとか鬼滅パロを実現して話題をかっさらってしまったのは最高に"銀魂"らしく、最後まで笑わせてもらった。
ありがとう、銀魂。
万事屋よ、永遠なれ。