「この作品は、「シン・帰って来たウルトラマン」でもあり庵野秀明の世界観を凝縮した「シン・庵野秀明」なのかも知れないなぁ と、そんな気がします。好き嫌いは分かれるかもです。」シン・ウルトラマン もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品は、「シン・帰って来たウルトラマン」でもあり庵野秀明の世界観を凝縮した「シン・庵野秀明」なのかも知れないなぁ と、そんな気がします。好き嫌いは分かれるかもです。
最初にお断りいたしますが、この作品好きです。
その前提でレビュー書いた訳なのですが、途中もしか
したら " けなしてる? " と受け止められてしまうよう
な内容と思われてしまったらゴメンなさい。
そんなつもりは全くありません。
自分でも意外なくらい、この作品が好きになりました。
そういうことでよろしくお願いいたします。・_・;
ウルトラマン
その名を知らぬ者など居ないのでは?という位に
有名なスーパーヒーローと思うわけですが。
昭和の時代。
幼少期にTVで観てあこがれた子どもたち。
その中の一人に庵野秀明少年も入っているでしょう。
…いや、入っているどころではないですね。
大学に進んでからも冷めぬ熱意のままに
「帰って来たウルトラマン」を自主制作。
原作へのリスペクトは忘れずに、
視聴者として生まれた素朴な疑問に正面から挑み
予算の無いアマチュア製作であることを逆手に
プロの製作元では作れそうも無い「独自の」作品を
作り上げてしまった男、それが庵野秀明です。
1980年代当初、庵野秀明と作成した作品のことは
遠く離れた東北の地にも伝わっていました。
どういう伝で入手したのか詳細不明なのですが
「帰って来たウルトラマン」はもとより
「Daicon Ⅲ オープニングアニメ」のランドセル少女
(幼女?)の映像を手にした好事家(=オタク・▼・)
が集まって鑑賞し、喝采を送っておりました。
と、まあ。そんな事は置いといて。
ようやくこの作品を鑑賞しました。
◇
アマチュア時の「帰って来たウルトラマン」
そのときに作りたかったもの・作ったものをベースに
現在の能力・ためた情熱・膨らんだ憧憬
とういったものを注ぎきった集大成の作品かと。
お話のゴールというか、一度決めたストーリーの着地点を
製作途中でブレさせる事無く描き切った作品。
それが、この「シン・ウルトラマン」なのかなと感じます。
※庵野監督って、原作付きの作品の場合にはしっかりと
アニメ世界を作り上げるという印象があります。
「彼氏彼女の事情」(1998年製作のTVシリーズ作品) は
当時楽しんで最後まで視聴してました。
◇以下、私的な雑感です
◆
エヴァンゲリオンは、TVシリーズの放映時から観ていた
のですが途中で頓挫しました。わーい
劇場板の何本かまで観て段階で、エヴァは一体どこへ向かって
いるのか分からなくなり
「シリーズが終わってからまとめて鑑賞しよう」
と、心に決め、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」でようやく
終わったらしいのでサブスク鑑賞(劇場では観てません)し、
「ここが最初から考えていた終着点?」
と嘆息と同時に脱力
「庵野秀明とはこういう作家なのだなぁ」
と、しみじみ悟ったものでした。
どうみても迷走し放題の作品としか思えなかったです。
その間
「シン・ゴジラ」 があり、さらに
「シン・ウルトラマン」があり、立て続けに
「シン・仮面ライダー」の制作発表があり と
今度は
「シン」と付ければ何をやっても許されると思ってるのかぁ(怒)と
シン・ゴジラはかろうじて劇場鑑賞したものの
シン・ウルトラマンは観る気が起きなかったのです。
シン・仮面…においては何をかいわんや です。
そして3年。
サブスクであちらこちらと観たり作品紹介を読んだりしていたら、
またまた「シン・ウルトラマン」がお薦め一覧に。 うむむ
一度観るしかないのか?
というわけで、レビュー冒頭に戻ります。
じゅわっ
◇
なんだかんだ書きましたが
これだけの作品を世に送り出せる熱量を持った作家って
そうそう居ないかと思います。
尊敬に値する映像作家の一人なのは間違いないです。
◇それはそうと
ザラブ
山形の方言で「葬式」のことデス。@△@つまり
ザラブ星人=お葬式星人 …うーん 禍々しさは感じるか
さらに余談ながら
結婚式のことは「ムカサリ」と言います。@-@んー
いずれの単語も、今日の日常会話では出てこないと思います。
余程の高齢者か、周囲から隔絶された土地でない限り。
◇少し残念
元祖ウルトラマンにあって
このウルトラマンに無くなったもの
飛び去るときの声。じゅわっ だか シュワッチ とか
あと、造型的にカラータイマー。でもこれは
カラーゲージボディ(?)に様式をかえていたという事か。
3分間の縛りは不要になったでしょうし。ま いいか。
◇最後に
ゾフィーの姿に気付いたメフィラス(山本耕史)が
「面倒になりそうだ 私は手を引く」
…なんというか
「ガチガチにお固い風紀委員」に見つかったかのように
舌打ちしながら立ち去る姿がなんともはや。
(あいつ すぐにゼットンけしかけるからなぁ…)
そんな感じなのでしょうか。憎めません。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
