劇場公開日 2022年5月13日

「ウルトラマンを知らない者の感想」シン・ウルトラマン andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ウルトラマンを知らない者の感想

2022年6月17日
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鑑賞方法:映画館

私は「ウルトラマン」をまともに見たことがない。一般的なウルトラマンの形状と3分のことしか知らないと言っても過言ではない。
その点において過去作へのオマージュがふんだんに含まれているらしいこの映画をきちんと評価することはできない気がする。
特撮エンタメ映画としてはある程度まとまっていて面白いとは思った。テーマというか展開がものすごくベタに感じるのは普遍的なテーマ感だからかもしれない(観終わったあと何か似たような話読んだな、と記憶を辿って折原みとの「地球-『箱舟の惑星』」を思い出した)。
なんというか、「シン・ゴジラ」的ハードな一面と怪獣と戦うという空想特撮ものが複雑にこんがらがってものすごいスピードで駆けていく、という感覚だった。ウルトラマンを知らない者からすると。
禍特対の面々は多少過剰な形の演出を受けた演技性を感じたのだけれど、それに対応しきれなかった有岡大貴がいちばんナチュラルに共感性が高い、という謎の効果を生み出していた。長澤まさみは与えられた役割を完璧にこなしているばっかりに、なんだか無理をしてマッチョイズムを纏ってしまった女性のように映ったのは少し残念。狙った演出と思いつつもこれはちょっとnot for meだな…と感じる部分も。
個人的にはちょっとしか出てこない防災大臣岩松了が良かったです。
あと何だか画に一貫性を感じなかったのは確か。
怪獣は多分、知っている人には大歓喜なんだろうけども、あまりきちんと捉えきれず。
ウルトラマンに思い入れが強ければもっと楽しめたのだろうなあ、とは感じました。「シン・ゴジラ」の方がテーマを一本道にしやすいから観やすかったのかもしれない。
特報で流れた「シン・仮面ライダー」にちょっとゾクゾクさせられた。

andhyphen