「神々の対話?(ネタバレ注意!!!)」シン・ウルトラマン こっこさんの映画レビュー(感想・評価)
神々の対話?(ネタバレ注意!!!)
最初から、厳しい事ばかり言います。
地球と云う星の中でも、日本にだけ発生する「禍異獣」を、自衛隊等の部署が「適切に」処理している世界。世間も「ふ~ん」と云う薄いリアクション。対応する各部署も熱気はまるで無し。ちょっと厄介そうな「禍異獣」が現れた時に、ウルトラマンは姿を現し退治しますが、社会からアッサリと受け入れられ、
「この力を何か(軍事)利用出来ないか」と考える悪い大人達が出てきます。
その後現れた宇宙人は、「地球」という惑星の人間が、今後科学を発達させて他の惑星へ侵略してくる傾向が有るか無いか…の議論が宇宙人同士で続き、実際にそんな事ばかり考えてる小狡い地球人達はそっちのけ。
地球人から見れば、人知を超えた能力を持ってる宇宙人同士の会話は、いわば神様同士の会話の様で、拍子抜けするほどアッサリと方が付いて、それほど命懸けと云う印象も無く戦ったウルトラマンが頑張ったお陰と云う形で、他星の宇宙人達も皆許して帰ってくれて、めでたしめでたし。
自分は、「自分がこの映画に求めていたものは何だっけ?」と、エンドロールを見ながら自問自答してしまいました。
「皆が幸せに暮らすこの地球を、邪悪な宇宙人から守るため、力を合わせて戦う物語」じゃ無かったんだっけ???と。
でも、それじゃあ現行の「ウルトラマン何とか」で事足りちゃうんですよね。
だから、大人の観賞物として、こういうメッセージ性を持たせたのかな?と。
人間が科学技術をどれだけ発達させても、悪い方向へ利用する事ばかり考えるから、そんなに未来は明るくないよ、と。
でも、それにしては出てくる人間達は恐ろしいぐらい呑気で冷めていて、ルーティンワークの様な顔でやり取りしています。
「シン・ゴジラ」の時のような、「震災と云う裏テーマ」が無いので、出てくる人間達に使命感も何も感じられなくて、全てが淡々としちゃっているんですよ。
こう成ると、「性悪説に基づいた観念の宇宙人が、地球を滅ぼす又は管理する等の目的で色々仕掛けてくるけど、地球人だって悪い人ばかりじゃないって事を理解した宇宙人達は、ウルトラマンを葬り、地球人だった神永さんを助けて良かった~」ってだけの、スゴ~く有難味の無い特撮映画を観させられた気分に成りました。
キャストやスタッフの方々は何も悪くないです。長澤まさみは「やっぱり綺麗だなぁ~」と再確認出来ましたし(あかりちゃんもね)。禍特対と自衛隊の共同対策本部のシーンでは、「もしかして〇さんが映るんじゃないか?」とまで期待していましたが、そんなことは流石に出来ませんよねww。
でも、竹野内豊さんだけ、唯一「シン・ゴジラ」と同じ設定の役柄で嬉しくなりました!
脚本を書いたアノ方だけに、文句は言いたいです。〇ットンだって、「エヴァ…」の最後に出てくる戦艦だか何だかに良く似てたし…w。
ただ、これで良い意味でおかしな期待をせずに、「シン・仮面ライダー」を待てます。その点ではありがとうございました。
「学生の頃から憧れていて、本当に作りたかったのは、こんな話なの?!」と何度も脚本家に聞きたくなる映画でした。