「真ウルトラマン」シン・ウルトラマン かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
真ウルトラマン
企画段階のデザインと、当時のスーツアクターを用いた、スポンサーやテレビ局の意向を排除した原初であり本来のウルトラマンがここに居ます。
庵野秀明センスの画面作りと、日本的な特撮技法のミックスのクオリティは、すでにシン・ゴジラで証明済み。
今回はポリティカル(政治的)な部分を排除した、外星人ウルトラマンと最前線で禍威獣対策を講じる禍特対の活躍に焦点の置かれた、より理解しやすいドラマとなってます
(ストーリー)
巨大不明生物、禍威獣につづけて襲撃された日本。
なんとか6体までは退けるも、新たな7号ネロンガにはなすすべがない。
放射性物質を食料にするネロンガは核廃棄物を食らわんと貯蔵施設に肉迫。
あわやの瞬間にあらわれたウルトラマンが、その強靭な肉体と強力な光線でネロンガを排除する。
次々と襲撃してくる禍威獣を打ちたおすウルトラマンだが、人間社会を丸めこむ外星人たちに正体を明かされ、禍特対とともに動きを封じられてしまった。
たくみに人心を惑わすメフィラス星人に、なんとか侵略を諦めさせるも、母星からの使者ゾーフィと星系破壊兵器ゼットンにはまったく歯が立たず、ついにウルトラマンは倒されてしまう。
人類の叡智を集めてゼットンの倒し方を見いだす禍特対と、最後の戦いにおもむくウルトラマン。
コンマ数秒の誤差も許されぬ作戦は、果たして成功するのか。
幼い頃に受けたイメージのままのウルトラマンの姿が、ここにあります。
彼は重厚な背中に、知恵と勇気をつめ込んで戦う巨大なるヒーロー。
高層ビルのたちならぶ都会で、こちらも巨大な禍威獣や外星人との戦いを見ずして何を見るのか。
シン・ゴジラにつづき、今後の日本の特撮技法のスタンダードを決めたであろう傑作です。