「ちゃんと娯楽作としてほしい」シン・ウルトラマン ドラゴンミズホさんの映画レビュー(感想・評価)
ちゃんと娯楽作としてほしい
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観客が置いてけぼりになる作風はいかなものか。
●オープニングが不親切だ。いかな誰もが知るウルトラマンの世界とはいえ、雑な説明でさっさと本編に入るやり方はどうも不親切に感じる。新しいウルトラマンを期待する観客としては、丁寧にこの世界感に誘ってほしい。まったくワクワクしないまま、いきなりウルトラマン登場には呆れた。
●主人公もウルトラマンのバックボーンも感情のない説明ゼリフで消化されるので感情移入出来ない。ヒロインもその仲間もそうだ。
●齋藤工の芝居の演出は失敗だと思う。いかに宇宙人とはいえ、無表情な人間味を感じない演技はいただけない。例えば「ターミネーター2」ならロボットとはいえ、どこか親しみのある芝居やエピソードを計算的に配置する。それがないので今回のウルトラマンはまったく主人公の魅力がない。
●変な構図は見にくくなるだけで不愉快。心情を追うためのアングルのはずが、製作者の悪ふざけにしか見えない。芝居が滑稽で安っぽいので、なお悪趣味にしか感じない。
●芝居が安っぽいドラマみたい。演者より演出のせいだと思う。この内容じゃあ、演じる方も何を表現してよいのか戸惑うだろう。とにかく表面的なのは演じる側が深くキャラクターを追求していないためか?
●とにかくスカッとしないのは、バトルの描写が雑。何を置いてもどの場面でも、ピンチを感じないのが原因。
製作者側に観客の顔が見えていないとしか思えない。間違って子供連れでいった人はかわいそう。
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