「昭和生まれの元怪獣少年限定映画」シン・ウルトラマン ジロン99さんの映画レビュー(感想・評価)
昭和生まれの元怪獣少年限定映画
非常にレビューし難い映画です。
バリバリ初代ウルトラマン世代の僕は楽しめたけれど、それ以外の人たちにはオススメする度胸はありません😅
あまりにもターゲットを限定し過ぎじゃないかと。
この映画を観て楽しめる指標として「シン・ゴジラ」を楽しめたかどうかは重要なポイントです。
あれがダメだった人はやめた方がよいでしょう。
僕はあれは全くダメだったので(ぶっちゃけ映画として⭐️1と評価しています)、実を言うとこの映画も期待していませんでしたが、思った以上には面白かったので「シン・ゴジラ」よりはマシな映画です。
それでも普段MCUなどの完成度の高いヒーロー映画やハリウッドSF映画を観ている方にはオススメする勇気はありません。
【残念な点】
●物語やディテールの描き方に穴が多く、普通ならば当然描くような描写が欠けていたりすること
(例えば怪獣出現現場でに営巣した自衛隊作戦本部の外観を全く描かないなど、怪獣出現現場とのロケーション的な繋がりやリアル感が全編通して全くなく、禍特隊キャストはほとんど撮影スタジオ内から出ていない印象を受ける)
●特撮に当たる怪獣やウルトラマンのCG描写が非常に低レベルであること(これは実はミニュチュア操演特撮へのオマージュなのですが、これはやってはいけない内輪受けですので評価されるべきではないと思います)
●セクハラ的な描写あり
●マニア受けな玩具が本部に大量に飾ってあったりマニアに媚び過ぎなセット作り
●全編通して人物描写が足りなかったり、人物の行動を示す情報が著しく少なく、カット繋ぎが強引過ぎる
●前半部分の劇版音楽の使い方…あれはないだろう。最初の1〜2曲までなら分かるけど…音楽の所為で前半は入り込みにくかった…旧劇版曲を使うのは良いと思うけど、キチンとレコーディングし直すべき
【良かった点】
●初代ウルトラマンマニアが喜ぶ原作のツッコミどころを再構成した展開や設定の追加
●2時間によくこれだけの内容を収めたなぁと。
●「シン・ゴジラ」ほど、人気タレント総出演のお祭り騒ぎにはなっていなかったこと
●昭和テレビっぽいフィルム感を感じさせる映像の色味
…これくらいかな?
●長澤まさみファンは涎ものです。ほぼ彼女が主役です。
マニア心は満たしてくれましたが、
映画としてはあまり評価出来ず、非常に残念感が強い作品でした。
もうすこし丁寧に作って欲しかったですね…