「往年の特撮ファン向けとしてかなり大サービスな映画」シン・ウルトラマン YOSHII Yuichiさんの映画レビュー(感想・評価)
往年の特撮ファン向けとしてかなり大サービスな映画
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特撮表現の新解釈(シン解釈?)が随所にちりばめられており、そういう意味ではアイデア満載、特撮ファンにとってはたまらない映画なのではないだろうか。
一方で、そのようなリテラシーのまったくない小生のような人間にとっては、VFX表現の見どころを少しずらしてそれを付加価値とし、低予算を必死にごまかしてるようにしか見えず。。一箇所ぐらいはVFXの正攻法、力技、全力で作り込んだな〜ってかんじの見せ所がほしかった。最後宇宙に舞台を移すところなんかも、VFXとしては逆にスカスカになってしまっていたので肩透かしもいいところ。
登場人物たちも、わざととはいえ記号性が高すぎて色気がないというか、密度稼ぎの早口セリフと相まって全編しらじらしい雰囲気。完全に物語をすすめるための1パーツ、単なる歯車と化している。
色々な面で、日本映画の限界に挑戦している気概はかんじるものの、映像面、演技面、ストーリ展開面で、逃げてはいけない勝負から逃げまくっており、代わりに、こう観てほしい、特撮のリブートなんだからこう観るべきってのを暗に(庵に?)押し付けてくるあたりは、ファン以外の人間にとっては相当苦痛なのではないだろうか。
ウルトラマンってこういうものだから!って言われたら何も言えないけど、アメリカや韓国の映画に真正面から勝負をかける部分が、もっとあってほしかった。
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