サラブレッドのレビュー・感想・評価
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ローイングエルゴメーター
二階から聞こえて来るローイングエルゴメーターの音は、水中で色々な音が混じって聴こえてくる、くぐもった感じと同じだ。
アマンダも、リリーも、母親も、継父も、この音と一緒で一体何を考えてるのか、ハッキリしたことは分からない。
リリーが課題をコピペでやり過ごそうとしたように、もともと向上心もビジョンも何もないのだ。
唯一行動パターンが読めそうなのはティムだけだが、底辺で生きてて大言壮語を吐く…そう、ありそうなキャラクター設定で、実は最も人間らしくさえある。
しかし、アマンダもリリーも逆にティムの行動をコントロール出来ず、どこか皮肉だ。
そして、くぐもった感じの音と同じで、映画のストーリーにも予想を寄せ付けない気持ち悪さ残る。
エンディングもそうだ。
人間性のカケラが云々というより、単に行き当たりばったりで、プロコンも何もない。
アマンダがプロローグで、リリーにプロコンが重要だと言っていたが、この二人にこそプロコンがないのだ。
ただ、ふと見回すと、これほどではないにしても、こんな人間は結構いるように思う。
行き当たりばったりで、感情表現に抑揚もなく、自分本位で周囲に対し節度も何もない、ちょっと近寄るのはよしとこうと思うようなやつ。
リリーの衝動を知っても受け入れようとするアマンダ。
プロコンなんて受け売りに過ぎなかったのか。
睡眠薬でイビキをかいて熟睡するソファのアマンダの腕を巻き付け、膝枕で横になって寄り添おうとするリリー。
これに何の意味があるのか。
罪を贖う気持ちが少しでもあるのか。
アマンダの近況を尋ねられ、喜怒哀楽のない、感情をあらわにすることのない表情で、淡々と手紙の内容を説明するリリー。
リリーの語り口調や能面のようや表情を前にして、怯えたような顔をするティムが印象的だ。
そして、何かくぐもった心の声が僕達の中で、いや、僕達の世界の中で行き場を失い、外に出ようとしてるのではないかと、ゾッとする作品だった。
ナイス無表情
久々に再会した無感情の幼馴染みアマンダに導かれて、疎ましい継父を殺そうという考えに至っていくリリーの話。
現在の自分の状況を偽るリリーと、自身は無感情だけど人の感情を鋭く読み取るアマンダ。
無感情だったり無表情だったり、淡々とした感じの演技は良いけれど、物語そのものも淡々と展開していき盛り上がらない。
計画を立てて実現に向けて右往左往する様子をみせて行くけれど、実行の描写はないしね。
ドス黒いものとかブラックな笑いとか、何かしら振り切ったものが欲しかったかな。
女優さんの生脚目当て
オリビアクックとアニャティーラジョイの女優さんが
目当てで観ました。
映画は難しい。
サスペンスと心理戦があり
体調悪いと睡眠へ
事実、寝てる方もチラホラ
アニャティーラジョイの魅力がひかる。
優しさを理解できない人が........... "You roofied me?"
2017年にサンダンス映画祭で公開されたアメリカのダーク・スリラーとされる映画として成立している本作。映画.comの解説などはあてにならないのがわかる映画でこの解説を鵜のみにすると映画のテイストの本質と、それと人のダークな部分が理解できなくなり、また一方に存在する無償の愛をわかるのに時間を要することとなる。失礼! 映画.com御社。それなら書くなってか?
殺人者の中には、人を殺す前に少なからずも動物に対して、鳩の首をちょん切ったり、子猫を箱に詰めて川に投げ捨てて溺死させたりと動物虐待という言葉が、この英語の世界でも存在する ”animal cruelty” という言葉。映画のオープニング・クレジットと同時進行する映像で連想をしなければならないので、ほとんどそれを明確には表していないのだが..........。
お嬢様で自分の能力に自信のあるところが垣間見られるリリー。それを演じているのがアニヤ・テイラー=ジョイ。最初、彼女が出ているので興味がわいたのだが、本当の主役なのが映画のエンディングロールでの名前の順でアマンダ役のオリビア・クックとわかったけれども、この映画の前に動画サイトで彼女が映画「サイコ(1960)」の前日譚を描いたTVシリーズ「Bates motel(2013)」Season2でのインタビューで彼女がイギリス人という事を知ることとなる。彼女曰く、イギリス英語を話すことを知られることでためらいがあってか、表にはあまり露出しなかったと本人が番組のMCに答えていた。
リリーが亡き父親を引きずっているのを知ってか知らずか、母親は、自宅に日焼け用機器を買ってまで義理の父親にかまってほしいらしく、「彼の好きな色にしたいの💛」なんて子供の前で恥ずかしくもなく言ってのけている。そんな惚れている義理の父親であるマークの強権的なところが、この映画を観ているものに彼女の心の葛藤や嫌悪を同調させようとしているように感じる。彼女がタバコを吸っていると......無理やり取り上げて
If my dad found me smoking in his house,
I would've gotten the buckle-end of the belt.
-Is that what you wanna do?
Just throw the pack out. I won't tell you mother.
人に対する憎悪。その解決方法は? この映画のラスト3分間の映像でわかるものとなっている。その横では純真なように”いびき”をかいてまで眠っている人。 悲しすぎる。
Do you remember that stuff you were saying to Tim the other day?
-What stuff?
The stuff about how.........his life......isn't worth living.
-Yeah.
Do you ever ask question about yourself?
-Like, any of our lives?
Like, in a philosophical sense? Like your life.......in particular.
I just mean like....if you can't....feel anything like, even happiness,
or...
シナリオ自体がだいたいゆっくりと2人芝居のように2人の会話中心でしかも2人ともにこりともしないので退屈と見える物語の中に笑えないブラックなジョークが散見する作りとなっている。その上、あからさまに凄惨なギミックを使ったゴア表現がされていないので拍子抜けをされる方がいるかもしれない。それと本当にこの終わり方でよいのか? 安直すぎないか? その反面、この人物の精神構造を読み取ると最初から最後まで織り込み済みか? という疑問もわいてくる。あんなこんなで、世間ではあまり視聴者からは多くの支持を受けていない映画となっている。しかし、amazon.comではすでに配信が始まっていて、レビューを見ると支持されている方もおられる。
この映画の監督は、日本の大監督やアメリカのロバート・ゼメキス監督が映画と音楽との共通点があることをともに述べていたことを思い出させるのだけれども、この映画に登場するBGMであったり、故意的と思われる、静けさの中の小さな音の響きなどにこだわった作り方をしていると視聴者に思わせている。
最後のシーン、2人が見ている深夜放送でシャーリー・テンプル(フォックス社をV字回復させ、人生をアメリカに捧げた方で、生涯シャーリー・テンプル・ブラック大使と呼ばれた人)の映画「The Little Princess (1939)」を何故、監督はわざわざ選んだのか? この映画の本質よりも個人的には謎となっている。シャリー・テンプル・ブラック大使には、毛沢東が作った”反面教師”という言葉に当てはまるドラック・アデクトや性的倒錯者から女神とあがめられているジュディ・ガーランドの存在があるからか? 考えすぎ!!
映画「Sabrina(1954)」に出てくる大富豪ララビー家のマンションよりは若干見劣りはするけれども、それでも日本ではみられない豪邸で、しかも価格が優に2500万円は超える2013年製 Aston Martin DB9 Volanteなんてのもかっ飛ばしている??
他人が愛するもの全てを殺す。心理サスペンスには、無用のゴア表現。
IN MEMORY OF ANTON YELCHIN より、ご冥福をお祈りいたします。
サスペンス
渋谷シネクイントにて公開前上映で鑑賞。サスペンス好きの私にはとてもうれしい映画だった。わかりやすいストーリーなので、見始めてすぐに映画の世界に引き込まれたし、グロくないし、何より、リリー役の若い女優さんが可愛くて、美形好きの私には見ていて気分が良かった。内容深いサスペンスではないけれど、二人の女優さんの演技がとても自然で上手だったのが高評価ポイント。マイナスな点は、ラスト5分が私にはちょっと理解出来ないというか、私の思うように終わってくれなかったことです。
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