hisのレビュー・感想・評価
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エモすぎる宮沢氷魚と藤原季節
BLというジャンルの映画作品は何度かみさせていただきましたが、その中でもダントツいいです。宮沢氷魚くんの役は口数の少ない同性愛者という役だったのですが、そのような難しい役の中で宮沢氷魚くんの表現の仕方が素晴らしかったです。エモ散らかしてました。
BLというと、ありえない設定のストーリーやネタに走ることもあるのですが、hisという作品は現時代において同性愛者への偏見にどう向き合うのかというしっかりしたコンセプトがあり、その中で起こる離婚裁判、子育てという問題が起こるたびに人を愛すだけでは済まされないこともあるのだなと考えさせられました。
とりあえず見てほしいです。藤原季節と宮沢氷魚のタッグは強過ぎた。
この年になったら男も女も関係ない
美しい山と川に囲まれた白河の町に住む主人公と、娘を連れてきた元恋人を淡々と描きながらも、
同性愛者だけでなく、働く女性の生き方、シングルマザー、過疎化、高齢者、都会と田舎など様々に考えさせられる映画でした。
はっきりと解決できるような問題ではないけれど、
自分に正直に、悪いことしたら素直に謝ろう、それが一番大事なことなんじゃないかな。
人生、短いようで意外と長いし。
そして、男だ女だなんて関係ない。
温かい気持ちと小さな勇気をもらったそんな素敵な映画でした。
宮沢氷魚くんの透明感がすごい!今後も楽しみな俳優さんです。
松本若菜にエールを。
松本若菜さん演じる妻が心に残った。私にとっては主役のカップル以上に。愛した人が本当は自分を見てなくて、親も当たりが強くて、仕事はフリーで安定しなくて、娘は夫といる時間の方が長くて…って、あれはつらい。最後、渚が妻に謝罪と感謝を伝えてくれて本当によかった。あれがなかったら見てられなかった。
法廷のシーンが見応えあった。戸田恵子vs堀部圭亮。「マリッジストーリー」もそうだったけど、弁護士を前にたてて、夫婦が傷つけ合う姿は苦しい。お互いのいいところもいっぱい知ってるのに。
誰かを大切だと思う気持ち
不確かな愛から生まれる愛情
白川の田舎の風景と人々。
そして同性愛という異質なコントラストが
時間とともに不思議に馴染んでくる。
このようなことは、日本でも珍しいことで
はなくなる日もそう遠くない気がしてなら
ない。
結婚という確かな約束もなく、ただ愛を信
じる同性愛は純粋な反面、不確かな愛だと
思う。
新しい愛や家族の在り方に一石投じる作品
かもしれない。
余談であるが、数年前米国のハーバードと
スタンフォード大学の首席は同性に育てた
れた子供だったと聞いて驚いたことがあった。
また有名なアーティストが同性の親だったと
カミングアウトしたこともあった。
才能や知識を深める環境は同性の親でも
十分に作れるのだと思う。
必要なのは子供への愛情ではないか、
それは両親のお互いの愛情があって成り
立つものだと思う。
育児放棄や虐待する親なら同性愛者の親
の方がずっと良い。
不確かな愛から生まれる愛情は無償の愛
ではないだろうか。
優しくなりたいと思った。
☆☆☆★★★(ちょい甘) 映画の前半で、彼がフライパンを使った場面...
☆☆☆★★★(ちょい甘)
映画の前半で、彼がフライパンを使った場面で「もしや?」と思った。
映画の中盤で、もう1人の彼が同じ事をした時に「やっぱりそうなんじゃないか?」と、やはり思った。
映画の後半で裁判場面となり。このままでは、幼い娘が証言に立たなけれならない…可能性が出るに至り彼は決断する。
映画のラスト直前に、ある人物がフライパンを使い…。
ここに至り私は確信した。この作品は、今泉版による、新時代の『クレイマー、クレイマー』である…と。
『愛がなんだ』以降の今泉監督の勢いが止まらない。
どの作品でも、会話の面白さ。登場人物達の拗らせ感や、周囲の人を巻き込みながらストーリーが展開して行く世界観に魅了されて来ました。
そんな今泉ワールドを期待してスクリーンを眺め始めたところ。アレっ?何だかこれまでとはかなり違う…と、戸惑う事しきり。
最近の数作品に共通していた、登場人物達が話す会話の妙に引きずられる様に躍動していたと思える映画のリズム感が、いつまで経っても生まれずにいた気がする。
その様に、前半から中盤にかけては。なかなか映画の世界に没頭出来ずにいたのが、正直なところでした。
BL男子のちょっとだけ拗れた関係も、これまで今泉監督が描いて来た男女の恋愛模様とは少し違っている為に、ほんの少しの違和感を感じてしまったのも事実。映画本編自体もゆったりとした動きで。この辺りは、まだまだ同性愛に対する偏見とはしっかりと向き合えない2人の感情を反映させてはいた…とは言えるのでしょうが。
それだけに。カミングアウト後から後半に描かれる裁判劇以降は、やっと映画自体が走り始めた感を感じられ、段々と面白くなって来ました。
偏見と戦う…と言った側面と同時に、どこか《勧善懲悪》劇的な要素も重なった結果かもしれませんけど…。
初めに〝新時代の『クレイマー、クレイマー』〟と記しましたが。映画のラストは、観客に判断を委ねる終わり方になっていました。その辺りは、本家が描いていた。現実を直視させるかの様な!突き放すリアルな感覚とは異なり。映画としての説得力の弱さを感じてしまった…と言うところではありました。
2020年1月28日 TOHOシネマズ日本橋/スクリーン3
マイノリティとかじゃなくて
〈耽美〉という言葉を調べ直してみた!
ただ、恋愛映画を多く手掛けてきたからといって
今泉監督が「恋愛映画の名手」とは言われていなかったでしょう。
なぜならば、恋愛を通して、わたしたちのこころを打つから。
作品群の根底に、性別を越えた
人間性や人生論を見るから…
その最たる作品だと、本作『his 』を観て思いました。
同姓愛者は世の中で声を上げづらい弱い立場ではありますが
本作での、その後ろめたい感情をむやみに拡大して美化したりせず
純粋に、まっすぐに、真正面に立ち向かっていった姿勢に、
こころを打たれました。
世間一般で言う〈普通なこと〉と〈特別なこと〉などは
極論かもしれないが、主観と客観に過ぎないんだと思う。
仕事や子育てをする中で
これは男の役割、それは女の役割と決めつけず
性別の枠に収めることなく、役割を担うことができる。
どの時代にも新しい価値観は生まれる。
昔は特別なことでも、
その様々な価値観を認めてきたから
今は普通な環境の世の中になっている。
~ヒトは認め合って、はじめてヒトになれるんだと、
愛し合い助け合って生きることこそ、ヒトの美徳なのだと~
観賞後、そんな哲学的な感傷にひたってしまう自分がいる…
いつの間にか恋愛とは別の、もっと大きくて深い部分で
こころを打たれている自分がいる…
そこが、今泉監督が「恋愛映画の名手」
だけでは収まらない、
皆さんに支持されている理由なのだろうと思います。
もう1回観たい!
とてもとても素敵な映画でした。
田舎の美しい景色、かわいいわんこ、卵料理、自転車、渚の赤い服、迅の薪割り。
閉鎖的ではあるけどよそ者を受け入れる器があってみんな優しい町の人達。
主演のお二人がとにかく素敵です!
難しい役だったと思いますが見事に演じきってます!
なによりお二人とも美しい。
実年齢より少し上の設定ですが落ち着いて見えるので違和感ないです。
本当にカップルみたいに見えました。
そして娘の空ちゃんがめちゃめちゃ愛くるしいです。
娘を心から愛しているからこそ親権を争う両親。裁判所の外で泣き崩れる渚を受け止める迅。二人の背中にじーんときました。
ゲイのカップルに子供を育てることができるのか?
きっとできます。でも周りがそれを認めないんですよね。
当たり前に認められる社会にならなくてはならないですよね。
10年後、夏休み。空ちゃんが一人で町までやって来ます。
迅が車で駅まで迎えに来てくれて、それから二人で渚の元へ向かいます。
できたばかりのパイプオルガンの音色が山に吸い込まれていって、三人は並んで耳を澄ませている。
そんな未来を思わず想像してしまいました。
本当に良い映画でした。タイミングが合えばもう1回観たいし円盤もきっと買うと思います。
【追記】2月3日、2回目鑑賞& 2月10日、3回目鑑賞
本当に余韻がずっと残る映画です。
ここ数日hisのことをよく考えています。
答えを求めてはいけない
この作品は、LGBTQの答えとか正解を出しているわけでない。ただただ愛のある暖かな物語。
とても人間愛に溢れてました。
涙が止まりませんでした。
この作品を見て、中途半端と思う人は、何か答えを求めてしまっているんだろうなと。
これは社会の答えを求めるものではなく、
各々が自分自身で感じて捉えれば良いと思います。
好きなように生きたらええ
緒方さんの言葉。「好きなように生きたらええ」この言葉が全て。
誰を好きになろうとその人の勝手。
世間の当たり前という思い込みや、偏見のせいで好きなように生きれない人、言えない人、自分を押し殺して生きる人がいる中で、そんな人達の背中を押してくれる映画ではないだろうか。
この映画は同性愛者をテーマにしているが、専業主夫、地方移住、女性活躍、シングルの子育て など近年話題になっている社会的テーマが多く盛り込まれている。
何が幸で不幸か、世間の大多数がそうであるから「幸せ 」というのは洗脳であって、幸せは自分が決めること。
裁判のシーンでは、まさかの展開でしたが、これは子どもにとっては後々良かったのかもしれない。世間が変われば話は別だけど…。
レナのようにバリバリ働くお母さんも現代は多く、ただ子育てと仕事との両立は容易いことではない。
そういった背景も描かれていて良かった。
令和の時代にあった素晴らしい映画です。より多くの人たちに観てほしい。多様性を受け入れられるような時代になってほしいと強く思う。
タイトルなし(ネタバレ)
私の日本語はあまりよくないのですみませんでした。
世界中でこのような映画は珍しいです。米国では、1930年に実装されたヘイズ・コードの影響により同性カップルを含むほとんどの映画の結末は悲しいになります。バイセクシュアルとして、それらの悲しい映画を見て育って心を傷つけました。「あなたのような人にとって幸せな未来はない」という理解したメッセージでした。
だから、hisを観ながらずーっと緊張しました。迅と渚の幸せに深く投資したけど、心のほんの一部で彼らが最後に悲惨になるという可能性を受け入れました。ハッピーエンドは私を安心して泣かせました。
両方の主演俳優は素晴らしかったと思います。特に渚は恐ろしいキャラクターである可能性があったけど、藤原くんは多面的で善意のある人を作りました。
早くまた観に行きたいです。
本当に弱いのは誰なのか、
ひたむきな演技が心に響く
片手で、卵割れない人。
これは人が人を愛する話しだと思う。
好きになった人がたまたま、同性だった…というだけ。
少し前の風潮なら、同性愛=奇人変人!トンでもない事!でしたが、ここ十年位で随分変わりました。映画を観るとメインじゃなくても必ずゲイっぽい人が出たりする。ゲイの方々が全く出てこない映画の方が珍しい。
でも、大きな声で堂々と『そっち側の人です!』と云えるのはホンの一握りの人達で、やはり山に囲まれた小さい集落で暮らす若者は簡単にはカミングアウト出来るはずもない。そして彼は唐突にフラれた経験があって日々静かに暮らしている。そこへ、フった相手が女の子を一人連れて訪ねてくる…ところから話しは始まります。お話しが進むにつれ、フラれた理由は本当に愛するが所以だったとか、子供は容赦なく本当の事を云うとか色々あり、裁判の場面も見応えあります。
片手で卵を割れない人は、不器用だ。そして
その不器用な人の中にも練習すれば割れるようになる軽度の不器用さんと、どれだけ練習しても割れない重度の不器用さんがいる。私は卵は無理に頑張らなくても、上手く割れる人が割ればいいと思うんだけど。
メインの3人のうち、誰に感情移入するかで鑑賞後の感想が変わるんじゃないかな?もう一度、いや、二度観たい映画です。
宮沢氷魚さんが、良い❗ヒットの予感!
生きること
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