「ポランスキーにとってはブーメラン」オフィサー・アンド・スパイ かとしさんの映画レビュー(感想・評価)
ポランスキーにとってはブーメラン
少女への淫行で米国に入国できないポランスキーにとってはブーメラン的作品。本作で良心と法律に従うことを主張するのであれば、ポランスキー本人も米国の裁判所に出頭すべきともいえる。
それはさておき、88歳の巨匠ポランスキーの手腕は衰えておらず、ドレフュス事件を描いた本作も法廷劇として秀逸。権力の欺瞞に立ち向かうピカール中佐を高い緊張感を維持しながら描き、語り口のうまさはさすが。
なんとなくしか知らなかったドレフュス事件について知れたのも良かった。
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いなかびとさんのコメント
2022年6月5日
暗に少女淫行は冤罪事件だと言いたいのかもしれない。
この人は不幸の種を背負って生まれてきたように思われる。関わると災いをもたらす。
私の勘だけど、死んだら忘れられる映画監督ではないか。それでいいじゃないか。生きているうちに、いい思いをしたから。
今、大阪の中之島美術館で「モディリアーニ展」が開催されている。生前は全く売れない画家で、若死にした。美男子で画家としての才能(天才)を持ちながら、評価されなかった。彼の劇的な生涯は2回映画化されている。「モンパルナスの灯」はお勧めの映画だ。