ベイビーティースのレビュー・感想・評価
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ちょっと残念
情緒不安定というか、登場人物の感情の起伏が激しすぎて、ついていけないシーンが多々あった。主人公のミラは喜んだと思ったら怒り出す、泣き出したと思ったらまた怒り出す。母親のアナも同じように怒ったり笑ったり忙しい。
客観的に見ればミラは我儘娘だし、アナはジャンキー、モーゼスはチンピラである。父親で精神科医のヘンリーだけが落ち着いた精神の持ち主かと言えば、実は色情狂だ。どの登場人物も感情移入するには無理がある。
ミラは体の病気よりも前に精神的に病んでいると思う。学校のトイレのシーンがその証だ。友人からカツラを一瞬だけ貸してほしいと言われて貸すが、貸している間は病気で毛が抜けてしまった頭部を恥じるかのように俯いたままだ。カツラなしでは外に出られないのは、病気と本当に向き合えていない心の弱さを示している。粗暴な言動は弱い心を隠すための鎧だ。ミラが病気と向き合うのは帰宅してカツラを外したときだけである。カツラを外した自分を笑ったり否定しなかったモーゼスに愛情を感じてしまうのもやむを得ない。
アナは自分の想定する幸せをミラに押し付ける。バイオリンを習い学校に毎日行って、常識的なボーイフレンドとプロム(プロムって何だ?)に参加するのが娘の幸せだと思っている。現在の医学はミラの病気を救えず、対症療法としての鎮痛薬モルヒネを投与するしかない。いつ訪れるかわからない娘の死まで、アナは無理に微笑もうとする。
モーゼスの狙いはミラが処方されるモルヒネである。モルヒネは健康な人が服用すれば脳内快楽物質を分泌させる。要するに麻薬である。モーゼスはそれを売って生活する。つまりそれがモーゼスの仕事だ。自分になつくミラに愛おしさを感じるが、あくまでも通りすがりの男としての姿勢を崩さない。いつ死んでもいいニヒルな生き方だ。死に対する向き合い方がミラに似ている。それがミラがモーゼスに惹かれる理由のひとつである。
本作品はタイトル(原題も「Babyteeth」)からして、ミラをベイビーティースに喩えて人生の儚さを表現したかったのかもしれないが、儚い人生にしてはうるさすぎると思った。乳歯はあとから生えてきた永久歯に押されるように抜けるが、それならミラの下に健常者の弟か妹を登場させて、病気の恐ろしさと健康な人には病気の人の感覚は理解できないという人間の溝を表現すれば、もっと立体的な作品になったと思う。ちょっと残念だ。
【生きるということ】
ミラが、ベイビーティースに例えられているのなら切ないなと思っていた。
僕には、「僕の乳歯は標本になってるんだ」と教えてくれた友達がいる。
虫歯などなく、歯医者になど行ったこともなかったのに、子供の頃、一度歯茎が猛烈に腫れて、やむを得ず歯医者に行ったら、奥歯の永久歯が、乳歯に下からめり込むように生えてきて、乳歯の根っこが横に押し広げられて、歯茎が腫れたらしいのだ。
それで、乳歯を取り除いてもらった時、歯科医が「こんな珍しいことはないので、この乳歯を標本にしたいからくれないか」と頼まれたと言っていた。
(以下ネタバレ)
もっと自由でいたいと願うミラ。
過保護と言われようが、少しでも長生きして欲しいと願う両親。
粗暴だが心の優しいモーズ。
モーズは孤独も抱えている。
ミラの日々変わるウィッグは、途中映し出されるFireworksのようだ。キラキラと色が変わり、そして消える。
ミラは、自分が去る前に、思いっきり輝いてみたかったのだろうか。
ミラに向き合い、こうしようと決めても、なかなか思う通りに振る舞えないのは、よく理解できるような気がする。
愛する人が去ることを、人はそんなに簡単に受け入れられるはずはないのだ。
だから、モーズも、ヘンリーも、アナも葛藤するのだ。
最後のビーチの場面、ミラがヘンリーに、モーズを宜しく頼むと言い残す。
うなずくヘンリー。
ベイビーティースは抜け落ちる運命だ。
しかし、残ったものは、強く結びついて、生きていくことは出来るのだ。
ベイビーティースには、あっさり抜け落ちるものもあれば、僕の友達の乳歯のように頑張り通すものもある。
ミラは、自分自身を精一杯生きたのだ。
花火のようにキラキラもしていたのだ。
それがメッセージなのだ。
だれよりも、おとなな16歳
初めてあったときのあなたは、怖いもの知らずで、向こう見ずだった。
不安定な母よりも、その場しのぎの父よりも、向こう見ずな彼よりも。
いや〜、ミラの演技に脱帽でしょ。
学校にいるときは、別人のように不安そう。なのに、家では女王さま。
両親は、グッダグダだけど、だんだん覚悟ができてくるのかな。それを仕掛けるのも彼女なわけで。
とにかく、だれよりもオトナで、肝が座ってるミラにグッときてしまいました。
最後のカット、ここにミラの覚悟が集約されてます。
余韻にじんわり。
あらゆる違和感を消化できれば楽しめる
強引な展開とか生理的な嫌悪感とか見えない設定とか文字いっぱいとか…色んな違和感をどう処理できるか、それでだいぶ印象が変わってくる作品だと思う。
自分の場合は、ちょっとした笑いと、印影の美しさと、音楽などに惹かれたので、奇を衒うような映画だなと思いつつも、結構見入った感じです。
曖昧にしているからこそ、各々自由な解釈で楽しむことはできると個人的には思うことができたけれど、怠惰としか感じられない場合も・・・
恋愛ものの新たな風。
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病気の女子高生ラナが、行き場のない不良少年モーゼスと初めての恋をする話。
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病気の少女と不良との恋で親が反対するけど、、っていう王道の悲しいラブストーリーを少し変わった撮り方で話を紡いでいくので、何度も擦られてる素材なのに新しく感じる。
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そもそもこういうのってカップル2人の気持ちに感情移入させて、親の反対を押し切ってもそれでも一緒にいたいっていう2人を応援させるようにできてる気がするんだけど、この映画はそれをさせない。
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どの登場人物とも距離をとるので、全員に共感できないし、全員に共感できる部分もある。そもそもこの家族デフォルト全員狂っているので、登場人物の気持ちを考えるのが大変。
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特に父親が精神科医で患者の診察中に突然隣人の妊婦のところに電球を変えに行くくだりは、頭おかしすぎて笑えた。でもやっぱ人ってデフォルトみんな頭おかしいと思うので、これが現実かなとも。
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何はともあれ、ミラありきでミラの家にいられたモーゼスが今後もこの家族とずっと家族のような関係を保っていて欲しいと願うばかり。
ストーリーは単純明快だけど、色々な見方ができる映画。今週お勧め作品。
今年36本目(合計103本目)。
日本ではよくある、飽きるほどともいわれる「難病をかかえた少女が、青年と向き合う恋愛もの」の類の映画に入ります。映画名の babyteeth は「乳歯」(※ 「歯」tooth は複数形が teeth になる点に注意)。つまり、まだ乳歯が抜けきらない中高生程度の女の子の甘酸っぱいお話。おそらく映画名のこのタイトルは、その「甘酸っぱさ」を象徴してつけたのかな?と思っています(乳歯が抜けるのは人によって差があるようです)。
とはいえ、展開としては非常にやさしく進みますし、いかに親が難病と闘う娘を、不良青年との恋愛を許していくかという、論点が非常にシンプルであっちこっちストーリーが飛ばないという点で見ていてわかりやすいです。また、オーストラリアの映画なのですが「背景:○○のとき」みたいな表現(日本語版字幕も出ます)が随所に織り込まれているので、今どこの描写?ということは起きにくいです(若干、日本語訳に難があるが、わかる範囲)。また、ストーリーも原則時間軸が一方通行なので(一部例外あり/ネタバレ回避)、「何がどうなっているのかわからない」ということも起こらないです。恋愛もののシンプルさという観点では、伝えたい点は非常にシンプルですし、問題提起もはっきりとしているので(ある難病に対して、痛みの緩和にある薬品を使うことの可否(と、いわゆる自己決定権)について。日本ではこのような使用においては厳格な管理のもとで使われています)、「何がなんだかわからないまま終わる」ということもありません。
今週、迷ったらまず押したいなと思える1作でした。
甘酸っぱい恋愛もので、「ピンク」(アダルト的な意味はない)、「波」が、おそらく映画を通じての共通ワードでしょうか。結構エンディングもこれを意識した独特な作りになっています。
加点減点要素は、下記で4.9、繰り上げて5.0としています。
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(減点0.3) 明確な英文法ミスがあり(主人公の発言)、それに引きつられて字幕も変な状況になっているところが数か所あります。ある程度であれば許容範囲ですが、4か所ほどあるうち1か所はこの映画の「伝えたいこと」にもダイレクトに関わってくるところで、ちょっとこれはどうかな…とは思いました(興味がある方は「 so 倒置構文」などでググってみてください)。
※ 標準英文法では、当該部分は「倒置が起きるのが正しい」です。
(加点0.1) この手の映画ではややもすると難病ものでお涙ちょうだいものになることが多いのですが(意識しなくても、結果そうなることが多い)、この映画は明確に「未成年といえども治療方針の自己決定権」という点について触れている点で、他の同類の映画とは明確に違います。もちろん、分別のわからない幼児などに自己決定権を論じても無駄ですが、中高生であれば、理解できる平易な語に直したうえで「どの治療方針にするかを自己決定する」権利は与えられるべきものであり(日本でもこの取り組みはあります)、その点を明確に問題提起していた(実際、中高生の当事者が難病だったら、自己決定権があるよ?と言われてもどうするでしょうか?多くの子は調べることもあきらめて親に投げるのではないでしょうか?)点は、見てとても良かった、良い映画だったと思いました。
(加点0.1) この映画、エンディングが結構独特です(書きたいのですが、ネタバレになってしまう…)。こんなタイプのエンディングもいいなと思えたので(提示した問題に対して考える時間を与えてくれる。だいたい2分間、心地よい音楽が流れます)、ここは明確に良い点と考えました。
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この系統の作品は
予告編の雰囲気が『WAVES』に似てるから、なんとなく嫌な予感がしたんだけど、案の定、自分が共感したり、理解できる部分は少なかった。『WAVES』と同じく音と映像は申し分ないんだけど、グッとくることがないままエンドロールを迎えてしまった。最後の砂浜のシーンはとても良かったんだけどね。
2人の出会いは、自然なんだけど、そこからの展開に無理があるし、ミラの父親と母親にも違和感を感じる。微妙な家族関係が通常であれば、物語にアクセントを加えるんだろうけど、自分にとっては、謎が増えるばかり。
一家の向かいに引っ越してきたシングル妊婦がまた、意味不明。この辺を理解するには読解力が必要なのかな。退屈したりすることはないけれども、気持ちが揺さぶられるには遠い作品だった。
余命系の映画は基本フォーマットはだいたい一緒。 出会い、恋に落ちて...
余命系の映画は基本フォーマットはだいたい一緒。
出会い、恋に落ちて、最高の時間を過ごして、病気が進行して、死ぬ。
だから物語を一生懸命やるよりは、どう見せるかのセンスによるところが大きいのだと思う。
本作はストーリーはほんとシンプルでフォーマット通りなんだけど、めちゃくちゃセンスが良くて、主演の2人の多くを語らない演技が素晴らしくて、両親の造形もまた良くて、いい映画を見た後の余韻に浸れる。
ラストカットで泣けた。
星2つになってましたが良い作品と思いました
監督の描きたかったのはラストのラストのシーンなんだろうなと思えばもろもろの力技はまあ良しとできたので
観終わってみれば良い作品でした
(ただ帰り道評価が星2つになってしまってたのでちょっと驚き)
ヘンリーが頑張ってました
グッとくるけどお涙頂戴じゃない難病モノ
ROMANCE (part 1) 乳歯と煙草(屋内喫煙)。癌にかかったミラ&勘当されたモーゼス、住む世界も年齢も違う2人の甘酸っぱくほろ苦い恋模様。それは難病モノが大好きな日本人には遺伝子レベルで馴染みのありそうな題材、しかも不良少年。けど、それを繊細な感性と演技演出で持ってして描くことで、すごく新鮮に感じられた。観客はこの話がどこへ向かい、最終的にはどうなるか想像がつきながらも、見せ方の上手さもあって、そう単純にはいかない。
BREAKTHROUGH 例えば、屋上でミラが置いてきぼりにされるシーンなんて、置き去りにするモーゼス役トビー・ウォレスが個人的にジョシュ・ハートネットを彷彿とさせる顔だからか、『ヴァージン・スーサイズ』のフィールドで迎える朝を思い出したくらい。彼はヴェネツィア映画祭で新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞(『ヒミズ』で染谷将太と二階堂ふみが獲ったアレ)受賞と言うからお墨付き。
JUST ANOTHER DIAMOND DAY だけど主人公2人にミラの両親役、四者四様皆良い。キャラクター描写がそれぞれ深い、しっかりとバックグラウンドを感じさせる。カットのつなぎ方とかたまにジャンプカットっぽくなるのもドキュメンタリーっぽさ出していたかも。精神科医の父親役ベン・メルデルソーンのファンで良かったとしみじみ思った。『君の名前で僕を呼んで』のマイケル・スタールバーグとはまた違うかもしれないけど、作品を見終わった後のこの…あの感じ。胸しめつけられる。脚本における柱じゃないけど、毎シーンのように出る説明タイトル文字情報に、時折観客に向けられる視線。
THE BEACH
余韻を噛みしめるエンドロールまで良い。
両親への深い愛の物語。
これは余命幾ばくもない少女の人生最後の恋物語ではない。
友人に恵まれず、精神科医の父と情緒不安定な母は娘を失う恐怖から薬が手放せない。近く訪れるであろう死をなんとなく受け入れながら日々生きるミラ。そんなある日目の前に現れた訳あり青年モーゼス。
ミラにとっては恋の始まり。しかしモーゼスは病気のミラに向き合うつもりなど毛頭ない。目的はミラの家から薬を盗み出して売りさばくこと。それを知ってもミラの恋心は止められない。モーゼスの事は嫌い。でもミラの為に側にいてやってほしいと頼む両親。
さぁ泣け泣けと巻くして足るようなこともなく、静かでリアリティのある演出は秀逸。
そして終盤。これはミラとモーゼスの物語ではなくミラと両親の物語であることに気付かされる。16才なりに病と闘ったミラの両親への想いが美しい。ミラはもしかしたら両親の為に恋人を探していたのかもしれないな。いざと言う時自分の本当の願いを叶えてくれる相手として。
寄り添って眠る両親を見つめるミラがなんだか大人びて見えた。最期にミラが思い浮かべたのはモーゼスではなく父と母だっただろうな。そんな両親への愛情がいっぱい詰まった浜辺のラストシーン。ようやく素直に泣けました。
シネマカリテらしい秀作
極私的には、〝シネマカリテらしい〟作品として大いに納得、満足でした。
感覚としては、『シシリアン・ゴースト・ストーリー』に近いものがありました。
展開だけ追いかけてしまうと、面白みという観点では拍子抜けすると思います。
目の前の一分一秒、そのすべてにおいて精一杯の喜怒哀楽を表現しなければ、という焦りにも似たミラの切迫感があまりに痛切で辛くなります。
ミラを思う両親のそれぞれの苦しみが、ひとりでは抱えきれずについ周囲に当たってしまう姿もまた同じように辛いのです。
それでも、エンドロールで流れ続ける波の音を聞きながら、背景の色が空や海や白い砂浜が混じり合った薄い黄色からやや霞んだ風合いのピンクになる頃には、ひとつの生の営みの物語なんだな、と静かな心持ちになっていくのでした。
切ない
いつも闘病物の設定がしっくりこなかった。病とは思えない健康きれいな娘とやたら理解がある彼氏と綺麗事の応酬、その点この映画は全く忖度なしです。エリザが本当に可愛くない。見せ場のドレスも似合わない。(オージーはブラ見えても全く気にしない。)彼氏も病気持ちの娘を迎え入れる気がない。ママにいたってはイケイケなのはクスリのおかげ。
リアルすぎて泣けます。ローグワンパパがよかった。
感性で楽しむことそして共感もできず…
予告でうたっている通り主人公の16歳の少女ミラが大病(多分白血病)を患ってるところから作品は始まる。
そして作品が始まると同時に後の恋人となるモーゼスと出会う。
ミラの父は精神科医であり家も大きく、学校や習い事の背景などから育ちの良さが分かる。
一方モーゼスは実の母に勘当され、決まった住まいもなさそうであり、その場凌ぎの生活を送るいわゆるアウトローな生活をしている。
モーゼスが当初ミラに近づいたのもお金を借りる事や、家にある数ある薬を盗みそれを不当に売り捌くのが目的であった。
もちろんミラの両親はモーゼスがミラに近づくことを許さない。だがミラは残り少ない人生を彼と過ごすことを
強く望みその攻防が序盤から中盤にかけて続く。
体感で多分ラスト40分切ったくらいで両親がミラの願いを聞く決断をしモーゼスを自宅に招き入れ一緒に過ごす。時が経つに連れミラへの愛情は強まり、そしてミラの家族との間にも信頼や愛が芽生え、ミラの最後まで共に過ごす事となる。
主人公が大病を患い残りの人生を恋人というパターンの多くの作品とこの作品が異なるのは、主人公のミラが病気になるまでの背景や回顧するシーンが少ない。
病気だから、残りの時間が限られてるからといって時間を逆算して過ごすのではなく一瞬一瞬を本能的に生きる美しさは描かれている。本能的に生きる事をミラ自身が大切だと望んだからこそ、後先考えず野生的に生きるモーゼスに惹かれたのではないか。
その為決してドラマ性の濃い作品ではない。アートチックな描写が多かったり感性で楽しむような作品に感じた。
あまりアート系だったりこのタイプの感性を持ち合わせてない未熟な僕にはあまり楽しむ事はできなかった。
またミラの気持ちや意思なんかは理解できたつもりでいるが、どうもモーゼスの存在が共感できず。
その辺は主観性をなくしいかにミラの気持ち視線で見れれば共感に繋がるんだろうけどダメであった。
色彩や音楽なんかも綺麗で美しい作品ではあった。
それとミラ役のE.スカンレンの恋愛経験が少なくあの初々しい演技はとても魅了される。親目線のような視線で時には可愛らしい気持ちに、時に切ない気持ちにさせられる。
タイトルなし
病を抱える16歳の女子高生ミラ
モーゼスと出会い恋に落ち
リスクを冒しながらも
新しい世界へ踏み出す
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子供を見送らなければならない
父ヘンリーと母アナ
モーゼスと弟・🎻先生・隣人
ミラが救い繋げた絆
ミラの最後の恋
残した愛
ありふれた日常に
残り少ない命に輝きをもたせた
こゝろ揺さぶられる作品です😌
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バイオリン・ピアノの音色
流れてくる音楽・鳥の鳴き声
繊細な描写に音が耳に残ります
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#シャノンマーフィー 長編デビュー作
#ヴェネチア国際映画祭 審査員特別賞・
女優賞・金獅子賞ノミネート
モーゼスを演じた #トビーウォレス は
最優秀新人賞を受賞しています
ミラを演じたのは
「ストーリーオブマイライフ」の三女ベスで
注目浴びた #エリザスカンレン
感性豊かに綴られる重厚なラブストーリー、生への渇望が愛で埋まる痛みに涙
"エモい"なんて言葉が似合うであろう映画だと思い込んでいたのが、蓋を開けると、それはとても痛くて優しくて温かい世界が広がっていた。心が躍って、震えて、涙して。こんなに深い作品だったとは。
はじめに描いていたイメージは、「病気の彼女が知る、最初で最後の恋」のような、エモさを綴るような作品だと思っていた。しかし、この作品はそんな生ぬるいことなど言わない。骨太なドラマから突きつけるのは、「生への欲求」。病気を抱えた女の子の家族、好きになった彼、周りのほとんどが"足りない"人で、強くも偉くもない。人としての欠陥を持っている。だからこそ、そこを埋めようとして、彼女や彼に当たったりする。序盤は割と凸凹だけが機能するので、やや引き込まれにくかったが、彼に連れられたことによって開かれる世界を堪能するとき、骨太なドラマを積み上げていく。そこに流れるクラシックやクラブミュージックに、自然が奏でる音まで、感情を煽動することで、一層の面白みを感じる。また、章立てされたチャプターが限られた時間を有限かつ価値のあるものへ昇華させている。多彩な表情を魅せる映画だけに、こちらも器が大きくないと感じられない部分も多数あるのが特徴的だった。最後に、タイトルの意味が特に素晴らしい。序盤で出てくる乳歯が意味を成すとき、あっけなく落ちてゆく様が何故か美しい。だからこそ、入り口と出口の違いに驚きながら楽しんで欲しい。
可笑しく思えるような不思議な二人が、いつの間にか「変哲のない二人のすべて」を見ていることに気づく。いい意味でエモく、密度の濃すぎる青春の行方。バランスの取れた優しい1本。
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