「なんてひどい話、だけど観ておくべき素晴らしい映画!」異端の鳥 ちこどんさんの映画レビュー(感想・評価)
なんてひどい話、だけど観ておくべき素晴らしい映画!
ユダヤ人のホロコーストって収容所で沢山殺されたイメージだけど、人数からすると街中や収容所以外で「普通のドイツ人」に殺された人の方が多かったと聞いて、大変なショックを受けた事は今でも忘れられません。
この映画もショッキングな映像が数多くあって、消化するのに時間がかかりそうです。
今の私達からすると、子供が独りで身寄りもなく路頭に迷っていたら誰かしらが力になろうとしてくれると思うのだけど、違ってたのね。
むしろ人が沢山いたら、その大勢の人達に殴られたりひどい目に合わされてしまうなんて。
何人かの優しい心を持った人がいた事が、観ている私達の心の傷を多少は浅くしてくれました。
人間の皮を被った獣のような人達。
でも本当は人間ってこんなに残酷なものなのかもしれない。怖いけど。
ナチスやルワンダのツチ族フツ族だって、日本人の戦争中の残虐行為だって、関東大震災の時のデマで朝鮮出身者を殺したのだって、普段は普通の人達。
私達の内なる獣を飼い慣らして「人間らしい人間」でいる為にも、こんな映画は繰り返し作られるべきですね。
それにしてもこの子の心の傷が癒される日は来るのかしら。
余談ですが、
モノクロで説明がなくてショッキングな映像がちらほらあって、東欧とロシアの違いや一方はSFという違いはあっても「神々のたそがれ」が脳内再上映されてしまったのは私だけでしょうか?
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