マーティン・エデンのレビュー・感想・評価
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とてもイタリアの映画で普遍的な映画
マルティン役のルカ、フリッセンデン役のチェッキが説得力ある存在と演技力でこの映画の軸となっている。舞台がアメリカでなく、イタリアの、それもナポリであることが良かった。
11歳から船で働き小学校も途中でやめたマルティンがエレンに出会い、彼らのように話し考えられるようになりたいと思う気持とすぐ実行する行動力に心動かされた。特にことばの勉強と本を通して、という所に共感を覚えた。その彼の熱意の一方で、子どもの時から貧しくて働きづくめのマルティンの身体の頑丈さと目の力の強さはとても魅力的だ。
作家として成功しゴージャスな家に住み、世話になった未亡人家庭の為に家を買い、労働者運動の為に金を惜しげもなく与える。
でも、ブリッデンセンを失い、知識と勉強への熱愛をくれたエレナとの間に絶対に埋められない溝を再確認した絶望のマルティンは、すべての大人の中に居ると思う。
大人になって、年とって、完全に満ち足りた人なんて居ないと思う。いたら嘘か、見栄か、面倒だからそう言ってるだけではないかと思う。
貧しくて働きづめの人々、農業、漁業、酪農、食料の調達に運搬、まさに永遠のエッセンシャル・ワーカーだ。弱者の側に常に居続けようとしたマルティン。
映像が素晴らしい。子どもの頃、姉とダンスしてる場面かなと思わせる映像(マルティンの家にビデオカメラなんてあった訳ない。だから余計に愛おしい映像だった)、加えてイタリアの美しい歌も沢山!これはミュージカル?と思ってしまうほど。見て良かった。
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ニューシネマパラダイスでトトの青年時代をやった役者さんが、マルティンの姉の夫として出ています。エーーー!とびっくりしてほんの少しショックでした。が、面影はもちろんあり!
主人公マーティンを演じるルカ・マリネッリの迫真の演技に最後まで目が離せない
マーティンは学ぶことを途中で止めた労働者階級の船乗り。ある日、港でいざござに巻き込まれている男性を助けたことをきっかけに上流階級の家庭の娘・エレナと出会い恋に落ちる。彼女との恋を成立させるためには、自身も上流階級に上らなくてはいけないと考えたマーティン。それは、はたまた船乗りが新たな航路を選ぶように、マーティンはエレナと結ばれるという目的地のための手段を選んだ。それは文学で成功し、作家となることだった。
最初は恋を成就させるためにひたむきに文学の道を志す純粋な男性がそこにいた。しかしながら、学も十分に無く、それまでのキャリアも無い彼の応募作品は歯牙にもかけられず、全てが「送り主へ返却」と突き返された。それでも、文学で成功することに執着するマーティンの心が次第に変化していく様をルカ・マリネッリが見事に演じている。彼は全身、得に目で演技ができる演者だと思った。ヴェネチア国際映画祭でホアキン・フェニックスを抑えて男優賞に輝いたのも頷ける。
いつしか作家になることは手段ではなく、目的になり、エレナとの関係性も雲行きが怪しくなる頃、純粋だった青年の目にはやがて狂気と表せばいいのか、悲嘆と表せばいいのか、何とも言えない感情の色が映し出されていた。本当にルカ・マリネッリの演技に感服する。
映像の撮られ方も独特だった。たしかフィルムを使い分けていたと試写会後のアフタートークで話していた。比喩的な映像が所々に差し込まれ、それが何を意味するのかは観る人に委ねられる。2度、3度と観れば、あの場面の意味が分かり、より作品に深くのめり込めるような演出が素敵だった。
労働者階級出身のマーティンエデン。 ブルジョア階級の女性エレナと出...
労働者階級出身のマーティンエデン。
ブルジョア階級の女性エレナと出会い
美しさと知性に惹かれると共に
文学への関心に目覚める。
多くの本を読み教養を身に付け
作家を目指す。
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アメリカンドリーム体現者となった
作家ジャックロンドン(1876-1976)
彼の自伝的小説を
イタリア・ナポリを舞台に映画化。
1900年代の第一次大戦前からの1世紀
歴史と共にアーカイブ映像も組み込み
階級社会の中
20世紀を駆け抜け
時代に立ち向かっていく男の姿を
ルカが演じ
ヴェネチア国際映画祭で男優賞受賞。
激動の時代
生きる意義
心の叫びを言葉にしたマーティン
決してハッピーエンドではない
その苦悶は時代を超え
今を生きる私たちにも通じる
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ジャックロンドンを
この映画を通して知りました。
他にも映画化されている作品があるそうなので、機会をみつけ鑑賞してみたいと思います。
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