マリッジ・ストーリーのレビュー・感想・評価
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冷めた想いもなぜか温かい
あなたにとって家族とはなんだろうか。
離婚調停で争う話なのに、どこか優しく温かい物語。一度想い合った人と人の絆はそうそう切れるものではない。「子は鎹」とはよく言ったもので、そこには子どもの存在が大きい。連れ添う当事者ふたりの問題ではなく、家族としての選択となるのだ。
核家族による生活スタイルが一般化し、子育てへの負担からネグレクトやDV、そして離婚に一人親家庭の社会問題が根深い現代において、拡張家族といったコミュニティで子どもを育てるというリベラルな考えも広がってきている。それでも、一緒にいることがすべてではないが、やはり子どもにとって実の両親は大切だと感じる。(生まれたすぐからの育ての親であれば話は別なのであろうか)
そして、離婚にもそれぞれのかたちがある。本人たちにしか分からないことで、周りが一概に否定できるものではない。形態はどうであれ、できる限りストレスなく幸せに生きていくことがなにより尊いわけだから。
それにしてもスカーレット・ヨハンソンが離婚の経緯を吐露する長回し&長台詞の演技には圧巻。リアルの舞台を観ているかのような臨場感だった。
アカデミー賞にも6部門でノミネートされた作品。(離婚弁護士役のローラ・ダーンが助演女優賞を受賞)『ROMA』につづき、ショーレースでもNetflixオリジナル映画の存在感が増してきている。
リアル過ぎて、引くわ!
マリッジストーリーではなく…
母 スカーレット・ヨハンソン
ゴーストワールドで、
サブカル女子ウケ一直線な感じにいくのかと思っていたけども、
すっかり、ハリウッド女優でスゴイね、スカーレット・ヨハンソン。
ソーラ・バーチは元気でしょうか?
しかし、最近は、すっかりお母さん役も演るようになって、
また、それが非常に良かったりして...。
ジョジョ・ラビットもめっちゃ良かったもんなー。
スカーレット・ヨハンソンって、いいなー。
アダム・ドライバーも良かったけど。
ただ、このご夫婦、クリエイティブ系だからなー。
わたくし夫婦経験ないから、周りの離婚した人たちと照らし合わせてみたけど、
ちょっと、コジャレ気味なんだよね。
嫁の家族の感じも苦手。アホっぽい。
この二人だから、あんなに子どもに甘いのかぁ...とか思ったり。
あと、他人様の強烈な夫婦の喧嘩を観せられて、ちょっとイラっとした。
まぁ、要はテーマが自分好みじゃなかっただけだな。
妻から、親しい他人になっていく過程
マリッジストーリーというタイトルと
YouTubeに挙げられている予告編で
てっきり、結婚するまでの過程のお話かと思っていたら…
結婚に区切りをつけて、離婚へと向かう過程を描いた映画です。
私がよく見る映画で
アダムドライバーはコメディで出てくるキャラクター役
スカーレットヨハンソンは、スーパーヒーロー役
と世間一般から離れたキャラクターを二人とも演じています。
本映画は、そんな二人が
どこにでもありそうな、大人の男女関係でこじれていく物語を演じております。
徐々に親しい他人になっていく過程で起こる
気持ちのすれ違い、意見の衝突を
二人の今までに見たことのないような
素晴らしい演技で見ることができます。
ぜひ見ていただきたいです。
魅力あるスターが演じた夫婦
TEDのネット配信でアダムドライバーの講演を聞いて感動したことがある。
とんとん拍子な印象をうける俳優だが海軍を経てジュリアードに学んだ。
その来歴を語っているのだが、鷹揚で理知とユーモアに富み、ゆたかな人間性が見えた。
かれはおそらくFrances Haで初めて見た。
それからスターウォーズや沈黙やパターソンなど──おや、ここにも──という感じで諸処で見た。
バームバックもジャームッシュもスコセッシも、ルーカスフィルムも彼を選んだが、起用される理由は明瞭だった。とても魅力的な俳優だと思う。
さいしょ造作の大きい人だと思った。背が大きい。鼻が大きい。口が大きい。耳が大きい。素朴で飾り気がなく、ハリウッド風のオーラをまとっていない。美男だが、容貌魁偉でもある。異彩があり、人混みに埋もれない。
加えて、ヨハンソンに関しては、ブロックバスターな大作でしか見ていなかったせいで、この映画で巧者なことを知った。
なんなんだ、やたら演技派じゃないか──という感じ。まったく目鱗だった。
普通人を演ると、ほんとに普通である。いじってない顔。ゆるい涙腺。目尻や鼻梁に寄る小皺。ナチュラルでmotherlyで、誰からも好かれるのが解る。
したがって、この映画を見て、妙な言い方だが、スターがなぜスターなのかが解った。
どうしても魅力的な二人だった。
どこかで見たような話だが、離婚のすったもんだ話が、普遍性を帯びてしまうのは、仕方がない。
バームバックが得意とする話でもあり、よく練られてもいるが、登場人物の仕事や立場が、バームバック夫妻と近いので、身売りゆえのリアリティがふんだんに感じられた。
また、映画は当事者の争いであると同時に、それぞれの弁護依頼人リオッタとダーンの対決でもあった。
気の滅入る離婚話なので、依頼人の人物像は思い切った誇張をしている──ように感じた。
ノラ(ダーン)は年甲斐もなくフェミニンで、ジェイ(リオッタ)は旧弊な頑固親父である。どちらも、持論に凝り固まっていて、自己完結していて、すごく強い。
レイリオッタはサムシングワイルドから惹かれている。饒舌になって紅潮してくる様子が笑えた。強面とトロい滑舌が好きだ。およそ世界一分かり易い短気顔で、高揚すると、こめかみに漫画チックな『井』が浮かぶ。
ふたりとも主役を食いそうな勢いだった。
ところで、きょうびの離婚は勘違いもしくは未成熟な結婚の末路が多い──ような気がする。
財産ではなく感情について、この映画のように、しっかりと向き合って争うことは、減っていくのではないだろうか。が、激しく争うのは相手のことを重んじているからに他ならない──愛に対して真摯な人たちだと思う。だから、こういう話は、自分のお粗末な離婚と比べてしまうせいで、なんかまぶしい。
夫婦の関係性
夫婦の関係性を土地や職業をメタファーにし、巧みに表現した恋愛映画
夫は妻を理想の妻であるよう指導する舞台監督であり、仕事で周りが見えない様はまるで真っ暗で外の見えない舞台の演劇場そのものだ。
また、子供のためにロサンゼルスには移住しようとせず、舞台の街ニューヨークに閉じこもる。
一方女優の妻は、夫の理想を演じることに疲れ、有名になることを望んで映画の街ロサンゼルスに住むことを決意する。
ニューヨークという閉じた街(歩く街)から、ロサンゼルスという開けた街(車で移動する街)に移住し、アメリカのスター女優になることを夢見る。
しかし、舞台監督と女優の間に生まれた子供が、本が読めず、数学が得意という点は負に落ちない。
心の機微が絶妙に描かれる
夫婦と恋人はイコールではない。
愛が残っているからこその離婚
離婚劇というよりは離婚の理由や夫婦の行き着く先を描いた作品。
スターウォーズのイメージが強いアダム・ドライバーだけど正直こんなに演技力があるのかと驚いた。
スカヨハとの喧嘩のシーンは本当にすごかった!喧嘩が進むにつれて意味もなく悪口を浴びせて、冷静さを取り戻した後の2人は本当の夫婦に見えたし。
一見まだまだやってける2人。離婚なんて勿体ないのにと誰もが思ったはず。
しかしそこには個人の抱える問題だったりが浮き彫りになって映画を観た後は離婚して正解だったな、と思えた。
愛が完全に無くなり夫婦仲が崩壊し子供や親にまで迷惑かけてドロドロ裁判。こんなのは確かに嫌だ。ならば崩壊する前に離婚した方がいい。そんなテーマを繊細なストーリーで紡いだ作品だった。
結婚っていいね。
ある子供のいる夫婦が離婚するプロセスを優しく描いた話。
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いろんな人のレビューに書かれてて私があえて言うことではないとは思うんだけど、この映画離婚の話なのに最終的には結婚っていいなって思わせてくれるんだよね。
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特に私は周りに比べて結婚願望そんなにないし、結婚したら幸せになれるなんて思ってないけど、そんな私でも結婚したいなと思える映画。もう一度言うけど離婚する映画だからねこれは(笑).
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もちろん離婚する理由にもそれぞれあって、この映画が全部は全部当てはまらないと思うけど、嫌いになったから別れるわけじゃないんだよね。だからこそより離婚調停がもつれて複雑になる。
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それでも一度は好きになって共に生きてきた夫婦だからこそ向かっていく先のエンディングには涙が出る。離婚しても家族は家族。だからこそ"marriage story"(結婚の話)なんだろうな。
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夫婦二人の喧嘩のシーン、あれ2人の演技合戦ですごいと思うんだけど、感情表現がアメリカすぎてちょっと面白くなっちゃった(笑)これは日本人が見ると大袈裟すぎちゃう気がするんだけどどうだろう。
信頼関係
夫は自分で決めたこと(NY拠点)がうまく進まず、溜息をつき過ぎて自分の処置に困っている。妻は自分で決めたこと(離婚)を自分で解決(LA拠点)するために鼻息をつき過ぎて自分の処置に困っている。
結婚によって自分のどこかが死んだように感じる。もう一度自分というものをちゃんと感じたい。妻の別れ話の理由はそれだけ。他の不満、夫の不倫さえも決定的な理由ではない。
子どもはもともと矛盾だらけで、合理的に解釈したり納得してもらうことは無理だ。ゆっくりと、それぞれにちょうど良い感じを作っていくしかない。
ところが、弁護士が出てきた途端に、二人の個人的な問題が劇場化していく。
離婚協議という「場面」、夫と妻という「役柄」、弁護士による攻撃的な「セリフ」。そこには男女の社会的構図の古い価値観が見え隠れする。
こんな演劇は気持ち悪いので、法定の場を離れて二人で話すことに。
夫と妻の役柄を捨てるにあたって、そこに待ち構えているのは「本来の自己」。剥き出しの自分が露呈する。エスカレートしてお互いに言いたくないことを口走る。
ついに思ってもいないことまで口走り、言ったほうが傷つき泣き崩れる。言われたほうがそっと背中を撫でる。
考えてみれば、赤裸々なガチンコ喧嘩ができる相手なんて、夫婦以外に人生にそうそういない。
「夫と妻」から「パパとママ」へ役柄を移行するには、靴紐を直すくらいの猶予と余裕と信頼が必要だ。かつて愛した人の本質を心の底で信頼している二人に泣けた。
アメリカの離婚事情が分かる
アクション映画じゃ無いけど、男と女の戦う映画
そもそもネガティブな映画は避けたいのだが、食わず嫌いも良くないと思うので観賞。
なんだかアメリカ映画だよなぁって印象。まあ、当然なんだけど。
この映画はアクション映画ではないけど、男と女の戦いが終止描かれている。個人的には思い素材。まあ、自分は既婚者で離婚経験が無いが、男女とか夫婦とは?を考えさせる映画だと思う。
気になるのはローラ・ダーン演じる弁護士。アメリカの観客にはバカ受けするんじゃないのって感じの存在感。この夫婦は弁護士達に振り回されてる印象もある。残念ながら子役はイタダケナイ。
てか、世代の違いでこれは正攻法なのだろう、可愛さがないところが・・・
ただラストシーンでなぜか救われた気分になる。不思議で捕らえようのない映画。
当事者はいつも置いていかれる
まず、大切な恋人のいる方に、男性であれ女性であれ、オススメしたい映画です。
愛し合っていたからこそ、憎んでしまうことが、痛いくらい伝わりました。冒頭の互いの尊敬する部分を手紙でとうとうと語られ、その点描を描いていくところからの展開が悲しい(*—*)
そして全体にぼんやり赤みがかった画がとてもステキです!カメラワークも無駄に動かず、たんたんと芝居を追っているところが良い!!
なんだかノスタルジーな写真を見ているような画で、ずっと観てられるなコレ。
いがみあって裁判になって、親や家族や弁護士や、だんだんと二人だけの問題だったのに、周りに相談したが故に当事者はどんどん離されて、関係ない調査員とかまで出てきてますます違うところで大切なことが決着していく。
なんだかなあ、それはそうなんだけどさあ、ちょっと待ってよ。という気持ちになりました。
映画館がこういう世情で開いていないので、ネトフリで観ました。劇場の大画面で観たい作品でした。好きな映画です。
スーパーパワーの闘い
1980年、アカデミー賞作品賞が「クレイマークレイマー」だった。
地獄の黙示録、スターウォーズ、
スーパーマン、はやりの大作のラインアップとは異質の作品だった。
当時、公開中だった作品とクレイマーの在り方が、昨今の作品群と本作の在り方に似てる一方、現代は俳優さんは両方のジャンルの作品に出演しているなあと思いながら、カイロ・レンとブラック・ウィドウが、どんな闘い、、、いや夫婦の話しになるのか興味があった。
セリフと芝居はかなり準備をしているのは伝わるが、口論のシーンが長すぎた。
2人の口論が、スーパーパワーの闘いにならないかハラハラした。
細かな作り込みに自分は乗れなかった。
いい子過ぎる子供の、違う面の描写や、
姉が書類とパイを持ってウロウロするような、細かなスパイスが後半まで散りばめられていたらと思うともったいない気がしないでもない。
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