「安定カップルにはおすすめの離婚映画」マリッジ・ストーリー ぐちたさんの映画レビュー(感想・評価)
安定カップルにはおすすめの離婚映画
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アダム・ドライバーが演じる舞台監督チャーリーと、スカーレット・ヨハンソンが演じる女優ニコールの夫婦。8才の一人息子を連れて、家族で暮らすニューヨークを去り、ロサンゼルスに移ったニコールは離婚する気持ちを固めていた。
二人で話し合って離婚の手続きを進めていくつもりが、妻が弁護士を立てたことで夫も弁護士を雇うことになった。親権争いを少しでも有利にするために、夫はニューヨークの住まいとは別にロサンゼルスに家を借り、ニューヨークとロサンゼルスを行き来する生活を強いられる。
弁護士を立てても事態はよくならない。特に夫にとっては精神的にも金銭的にも消耗戦である。
そして離婚。
物語の展開に特にサプライズはなく、夫婦関係のいろんな場面を経験してきた大人には物足りない。映画のラストで、ニコールがチャーリーのほどけた靴ひもをニコールが結ぶことで示す小さな愛情も、リアリティがないように感じた。そういうキレイな離婚もあるんだろうが。
ローラ・ダーンが敏腕弁護士を演じてアカデミー賞の助演女優賞を受賞したが、弁護士であるから知的ではあるだろうが、ビッチに近いタイプの弁護士が高額の報酬を得ることに、あるいはアメリカ社会のそういう部分に好感は持てない。
結婚が持つ苦い可能性を見てみるという意味で、まだ結婚していないカップルなんかにはお勧めの映画かもしれない。
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