「切ない愛の物語」マリッジ・ストーリー SHさんの映画レビュー(感想・評価)
切ない愛の物語
時が静かに平坦にあっという間に流れてしまう─。セレブの夫婦間闘争で、自分のような凡人には全く無縁のようにも感じてしまうけれど、相手を思う気持ちや反発してしまう感情など共感できる部分が非常に多くて、時に笑い時に涙する、なんとも切ない愛の物語だった。
こうした地味な(といったら失礼だけど)秀作は意外と多く存在するし、この映画での感動は他の作品で補えてしまうような気さえしたけれど、ランディー・ニューマンの優しい調べとともに静かにエンドロールが流れ出すと、ああいい映画だったなー、としみじみ何かをかみしめた。
この作品の何ともいえないアメリカ臭さが嫌なんだけど、それが故の感動もまた否定することはできない。
超メジャーなエンタメ作品で活躍した二人が、一転して超現実的な物静かな映画の主演を見事に演じきっているところも、間違いなく見所の一つ。
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