「チッティ2.0 ジャッジメント・デイ」ロボット2.0 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
チッティ2.0 ジャッジメント・デイ
〈アイザック・アシモフによるロボット三原則〉
・ロボットは人間に危害を加えてはならない
・ロボットは人間の命令に従わなくてはならない
・ロボットは自らの存在を護らなくてはならない
それがなんぼのもんじゃい!
『ドラえもん』も『ターミネーター』も『トランスフォーマー』もびっくり!
インドのスーパー・ロボット・エンターテイメントがI'll be back!
前作はだいぶ前に一度見たきりで、正直細かい部分は忘れているが、荒唐無稽という言葉が逃げ出すくらいのブッ飛びエンターテイメントで、これぞ何でもありのインド映画! 面白かったのは今もはっきりと覚えている。
続編でも、あれはあれ、これはこれ。スーパーロボットのチッティと発明したバシー博士と大まかな概要さえ抑えておけば難なく話に入っていける。
インド中で、スマホが携帯業者や通信大臣やスマホに依存する一般人さえも突然襲い、空に飛び去るという怪事件が続発。
ロボット工学のバシー博士と助手の美人ロボット、ニラーは調査を開始。
何か得体の知れない超常現象的な力がある事を突き止め、やがて大量のスマホが合体し、ラドン…じゃなくて、巨大スマホ怪鳥に。
軍でも歯が立たない怪鳥に、インド中が大パニックに!
え~、この序盤だけでツッコミ所は100個以上。
それでいいんです、だって『ロボット』なんだから。
とやかくも言ってられないんです、だってツッコミ所はこの後どんどん増殖していくんだから。
この異常事態と怪鳥に立ち向かうべく、バシー博士は国からの要請で、封印していた伝説のスーパーロボット、チッティを再起動させる!
待ってたぜ、チッティ!
チッティvs巨大スマホ怪鳥!
B級感や粗いCG目立つが、それがまた『ロボット』!
迫力のブッ飛びアクションは今作も期待通り!
是非これはご自身の目で♪
…でも、これはまだあくまで“前半”。後半はもっと…おっと、慌てない慌てない!
さらに調査を進めていくと、ある鳥類学者の存在が浮かび上がる。
電波塔で自ら命を絶ったばかりのパクシ・ラジャン。
彼と怪鳥と今回の事件がどう関係しているのか…?
そこには、ラジャンのある悲劇があった…。
産まれて間もない頃助からないとされたが、一匹のスズメのお陰で一命を取り留めた生い立ちのラジャン。
以来、鳥に魅せられ、鳥を愛し、鳥と人の共存を唱える存在に。
が、鳥の数がめっきり減った。その原因は、インド中に氾濫するスマホの電磁波のせい。
ラジャンは通信大臣や携帯業者にスマホや電波塔の数を必要最低限にするよう訴えるも、全く相手にされず。
世間からも見離され、気付けば自分の鳥園の愛する鳥たちは近くに新たに建てられた電波塔のせいで死に絶え、何もかも失う。
人に絶望したラジャンは自殺するも、その憎悪が鳥たちの無念の霊体と融合、さらにスマホや電波を自在に操れるようになり…。
中盤は急にしんみりとした展開に。
でも、やってる事は前半部分と大して変わらない。
前半は怪現象もしくはモンパニ/怪獣映画みたいなありえねー!だったが、こちらはこちらでSFもしくは超常現象/オカルト現象みたいなありえねー!
またまた急に作風チェンジ。
悲劇のドラマから、ラジャンの復讐! 罪深き人々へ審判を下す!
スマホを使う者皆、死すべし!
ラジャンも怪人のような姿に変化!
チッティは人々を守る為に闘うが、ラジャンがバシー博士の身体を乗っ取り、反撃出来ず、敗れる。
チッティもここまで…否! 博士の秘策“バージョン2.0”をプログラムし、復活!
前作の“暴走モード”のような竹内力激似超絶俺様だが、何もかも性能アップ!
さあさあ、鳥怪人と化したラジャンとグレードアップしたチッティ2.0の命運を懸けた地球最大の“ブッ飛び”決戦の行方は…!?
まあとにかく、このクライマックスバトルが呆然唖然驚愕でスゲェ…。
日本の特撮ヒーロー番組みたいに鳥怪人となったラジャンもラジャンだが、それに対抗すべく、チッティは自分の同型を大増殖。
大増殖で一斉銃撃もさることながら、ラジャンがさらに大量のスマホを取り込み、巨大化!
チッティも周囲の鉄を取り込み、巨大化!
巨大“バードマン”vs巨大“アイアンマン”!
ロボット映画や特撮ヒーロー番組も真っ青の大バトル!
いやはや…、一体何をどうやったらこんなバカバカしい…いや、途方もないイマジネーションのアイデア思い付くのか。
敢えて言わせて貰おう。シャンカル監督、アンタは天才肌のバカであると!
“スーパースター”ラジニカーントも前作に引き続き博士とチッティの一人二役で、THE俺様映画!
ラジャン役の『パッドマン』のアクシャイ・クマールも、悲哀たっぷりの人間の頃と狂人と化した時のギャップが凄い…。
(このラジャン役、当初はあのアーノルド・シュワルツェネッガーにオファーされたらしいが、実現していたらどうなっていたんだろう…!)
序盤だけでツッコミ所は100個以上。終わる頃には1000…いや、1万にも達しているだろう。
それはつまり、本作の魅力でもあり、難点。
最たるは、ラジャンの描かれ方。確かに悲劇的な人物なのだが、途中からイカれた悪人みたいに描かれて、どっちの人物像として見たらいいの…?
ブッ飛びエンターテイメントだけではなく、悲劇のドラマや環境問題、テクノロジーへの警鐘を訴えているが、ちょっと過剰過ぎかなぁ…。インドで通信系側から批判の声が上がったのも分かる気がする…。
確かにスマホの電磁波が鳥に及ぼす被害は報告されているらしい。が、それは悪くて、この危ねぇーロボットはいいの…?
…と、まあ、1万個もあるので、ここらで。
理屈抜きにすれば、てんこ盛りのスーパーインドロボット・エンターテイメント・バージョン2.0!
バージョン3.0もあるかな…?
そうそう、本作の“バージョン3.0”も(≧▽≦)