「笑って泣ける映画ではなく、笑いながら泣ける映画」喜劇 愛妻物語 shironさんの映画レビュー(感想・評価)
笑って泣ける映画ではなく、笑いながら泣ける映画
大声を出して笑いながら、胸が締め付けられて涙が止まらない。
ごく稀にそんなシーンに巡り合います。
私の場合『SING』の洗車のシーンや、『ビフォア・サンセット』のラストのダンスシーンなど。
表面的な“出来事”として捉えると可笑しくて笑えるシチュエーションだけど、そこに至る二人の思いが胸に迫って泣けてくる…
そんな、主観と客観が同時に自分の中に入ってくる感覚に、ものすごく興奮するのですが、
これって映画ならではの体感ではないでしょうか?
『喜劇 愛妻物語』も、そんなシーンがある映画でした。
しょっぱなから、水川あさみのパンツのアップ!!
くたびれた毛玉に目が釘付けww
ものすごい生活感は、近所にいそうな感じで引き込まれます。
男の「ヤリたい!」気持ちの熱量は理解出来ないものの、妻とのセックスに向けての計画と努力の空回りが笑えました。
原作が小説なので、主人公の心情がナレーションで語られるのですが、その声がモロ『W座』
ホントやめて〜〜〜!!
WOWOWに『W座からの招待状』という番組があって、毎週ハズレ無しの厳選された映画を堪能しています。
番組の冒頭に、その日に放映される作品からの招待状が届くスタイルなのですが
文:小山薫堂、絵:信濃八太郎、声:濱田岳、音:阿部海太郎
なんとも贅沢な招待状で、とくに濱田岳さんの声は、普段より抑えたトーンの中に穏やかな温かみがあって、心地良く映画の世界に誘ってくれます…って、まさにその声で!!
W座の素敵な声が、セックスしたい男の心の内を切々と語る!
キモさ倍増〜ww
そんな、妻とのセックスに向かってあの手のこの手を駆使する夫に対して、もはや反射神経で拒否する妻の斬れ味が鋭いww
不甲斐ない旦那に愛想が尽きている妻から
スラスラ出てくる暴言は、酷過ぎて笑えます。
美人でしっかり者の妻は、苦しい家計をやりくりする一家の大黒柱。
酒の飲みっぷりもカッコイイです。
立て板に水の罵詈雑言マシーンと化した妻の聞くに耐えない言葉を、セックスしたい一心で受け流す夫。
上辺だけのご機嫌取りは、負のスパイラルにハマっていきます。
でも、愛想は尽きても、愛は尽きていない。
むしろ才能を認めているからこそ苛立ちも強く、罵詈雑言も奮い立って欲しいと思っているがゆえ(?)
それなのに、チャンスを逃しても愚痴るだけの夫に対してついに…!
好感度が下がるであろう、濱田岳のエロに必死な演技が凄かったww
そしてラストの何とも言えない表情も絶妙!!
笑いながら愛しさに包まれる映画でした。
追記:大久保さんのグイグイ来るエロスと、夏帆ちゃんの匂い立つエロスも見どころです。(^^)
高橋正己さん、コメント有難う御座います。
これがW座でかかると面白いでしょうね!!
ちょっとW座では選ばれない映画かしら(^^;)
余談:家の生活感がすごくて、美術さんの仕事に感激したのですが、水川あさみさんの話によると、監督の自宅で撮影したそうです。
多少は手を加えたようですが、どおりでリアルww