「 映画『トップガン』を見てきました。普段なら空席だらけになる20時...」トップガン マーヴェリック 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
映画『トップガン』を見てきました。普段なら空席だらけになる20時...
映画『トップガン』を見てきました。普段なら空席だらけになる20時半からのIMAXレーザーに夜上映回は、満席に。それだけでも本作への期待の多さを痛感しました。
本作で驚いたのは飛行シーンの超リアルなこと。どう見てもCGには見えません。リンク先の撮影舞台裏の記事を見ると、米海軍の全面協力の下、主要出演陣が、実際にホンモノのF-18に乗って撮影しているというではありませんか。「F-18に乗って7Gを受けたら、大抵の人は気絶して嘔吐し、それで終わりだ。」と記事にあるように、全く操縦経験のない俳優が戦闘機の操縦訓練に参加することは命の危険すら起こりうる過酷なリスクを負うことになるようです。パイロットライセンスを持ち、普段からアクロバット飛行など乗りこなしているという主演のトムだけなら、さもありなんでしょうけれど、他のキャストまで飛行機に乗せるというこだわりは、映画史に残る偉業だと思います。そけだけに迫真の飛行シーンを見せつけられて、金鳥しっぱなしでした。
特に最高なのは、トムがF-18の能力を、スピードと高度において絶対的な限界まで押し上げるシーン。トム自身が挑んでいるだけに唖然呆然としました。
実写が多い分、海軍は非常に多くの許可が必要だったと思います。ヤバいシーンの連続する撮影だけに、「トップガン」の続編だから特別に許可しただけで、もうこんな撮影タイアップは“二度と行われることはない”というのが海軍上層部の正直な気持ちでしょう(実は彼らの多くが、子どもの頃「トップガン」を見て海軍を目指した経緯を持っているという。)
さて、本作は人間ドラマとしても秀逸でした。
主人公のピート・ミッチェル海軍大佐(=普段は、コールサインの「マーヴェリック」とよばれれている。)は、かつて自らも所属していたトップガンの訓練教官となり、海軍の選りすぐりの若いパイロットが集められることになったのです。けれどもその目的はあるならず者国家が稼働しようとしている核兵器開発プラントの破壊する作戦遂行のための養成だったのです。
参加するパイロットの中には、かつての友人で、マーヴェリックと訓練中に事故で亡くなっているブラッドショウ海軍中尉の息子ブラッドリー(コールサイン“ルースター”)がいました。ルースターは、自分の父親の死がマーヴェリックの責任だと思っていて、加えて自分が海軍に志願しようとしたとき、妨害して入隊を遅らせたマーヴェリックを恨んでいました。今回の作戦においても、ルースターを一人前のパイロットとして認めようとせず、メンバーからはずそうとしたマーヴェリックに対して、激しくぶつかっていくのでした。なぜルースターの海軍パイロットになる夢にたいして、マーヴェリックがいちいち邪魔立てするのか、その理由が明かされるとき、彼のルースターに対する父親のような気持にグッときました。そして仲違いしていた二人が、危機に直面することで、一気に和解するシーンは感動しました。言い訳や説明なんて野暮だったのですね。
とにかく2時間半があっという間に過ぎ去りました。映画史にまた残る名作の続編を、ぜひぜひ映画館の大画面で堪能されてください。