劇場公開日 2022年5月27日

「戦争美化は許されるんでしょうか」トップガン マーヴェリック po.bacardiさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5戦争美化は許されるんでしょうか

2022年6月11日
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36年前の前作は、ベトナム戦争で戦意を喪失した国民の気持ちを高揚させる映画として作られ、以降の軍志願者が増えた国策映画。その後、アメリカは湾岸戦争へ突き進みました。今作も米国防総省が監修しています。この時期にまた、このような翼賛映画を作ったと言うことは、アメリカが来るべき World war III に備え始めたのではないかという気にもなります。

今回のオペレーションも、中東と思しき国家のウラン倉庫に向けて、国際法を無視して戦闘機で突っ込み、基地を爆破するというのがメインストーリー。ブッシュがイラク戦争に突き進み、プーチンが2014年にクリミア半島に侵攻し、2022年にまたキーウに侵攻するロジックと何も変わりません。ロシアのウクライナ侵攻を映画でやっているだけです。

「戦闘機カッケー!」と言う感情は分からなくもないですが、所詮、人を殺しに行くためのマシンであることを忘れてはならないと思います。

戦闘機の実機を使って撮影したことも、映画史に暗黒史の1ページを刻んでしまいました。人間同士の殺し合いを肯定どころか礼賛しているのは、アルマゲドンよりタチが悪いです。

この映画を気持ちいいと思うメンタリティは、主に男性に多いのでしょうが、僕はただただ気持ち悪かったです。

「敵基地を破壊し尽くして帰って来たぜ、イェーイ」と喜び合う映画は採点などしたくないですが、お金も払っていることですし、100点満点のマイナス200点という所でしょうか。

楽しんでご覧になられた方を批判するつもりは毛頭ありません。映画は様々な見方のできる所が素晴らしいです。トム・クルーズには、ミッション・インポシブルに期待します!

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po.bacardi