「大林監督の映画に対する熱い想いが伝わる作品でした。」海辺の映画館 キネマの玉手箱 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
大林監督の映画に対する熱い想いが伝わる作品でした。
内容は、大林宣彦監督の人生観と経験を追体験させられるような独特の世界観に引き込まれ、監督の好きな中原中也に導かれて20世紀の日本の戦争映画を訪ねてみる物語。印象的な言葉は『未来は、もっとハッピーになって欲しい。』最後に囁く大林宣彦監督の言葉は遺言の様に響きました。映画に生きて映画に死んだそんな人生の人を羨ましくも思いますし悲しくも感じました。未来は生きている君達の手にとのメッセージが聞こえて来そうです。ヒューマニズムとしの人類の発生からどんどん時間を超越していきます。気が遠くなる様な時間の流れの中で人類とは争いを常に起こす事を日常とする生き物を肯定するかの様に、独自の解釈である映画こそがタイムマシンであるとの表現には驚いた。もう何でも言い切って下さいと思いました。歴史的に正誤は、不思議とどうでも良くなり感情論が先行する当たりエモーショナルに仕上げて映画を上手く使ってるなと感じましたし。何層にも分けた表現方法は素晴らしいの一言です。大林宣彦監督の人生も幼い時からの戦争の歴史が染み付いていたんだろな。戦争に対する厭世観と人類に対する諦観は痛いほど伝わり希望の子を主人公とする『希子』は、正に映画というパンドラの箱の底に残った希望なのかもしれません。深く考えさせられる事を目的として課題を投げかけられた様な素晴らしい映画です。この映画をおつくりになった。大林宣彦監督のご冥福をお祈りします。ありがとうございました。
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