「韓国映画初の「通貨危機」を描いている。」国家が破産する日 バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)
韓国映画初の「通貨危機」を描いている。
過去にも1970年代のオイルショック、1987年のブラックマンデー、2007年の世界金融危機などの金融危機というのは世界各国で起きているが、国の経済崩壊は静かに音を立てずにひしひしとやってくるということ。
当時の韓国も誰も国が危ないなんて思っていなかった。逆にバブルで映画でも描かれている通り社員には、他の会社に移らないようにと、ほいほいお金を渡すありさまで日本で言えばバブル期を思わせる。
見えなかったのか、見えないようにしていたのか…不安を抱えながらも国が安心だと言っていることを信じることしかできない。信じるしかないという国民。
わかっていても軌道修正をかけられず不のサイクルに陥っても、国民にはプロパガンダで経済的に潤っているように見せかけたり、安心だと言い聞かせる。
この映画でも国民には金融危機に発展するまで政府からは知らされなかった。
スタイリッシュさはあるが、決してエンターテイメントにはしておらず、ひしひしと迫る緊迫感を演出していて、ラストも決してハッピーエンドにはならない。
映画である程度のことを説明してくれているから、無知識で観ても理解はできるが、より楽しむには事前に韓国通貨危機について調べておいてから観るといいかもしれない。
久しぶりに何回か観たい作品に出合った。
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