夕陽のあとのレビュー・感想・評価
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生みの親と育ての親。本当の親とは何か!
重い、ただ重いテーマの映画でした。
二人の母親の悲しき争いは、お互いに全く譲らず(譲れないが表現として正解かも)泥沼化状態で、解決策が無いように思え観ていて本当に辛くなりました。どちらが正しいかの回答なんて無いのですよね。どちらにも言い分はあります。それは分かるのです。でもね、途中で余りにも二人の母親の主張が強すぎて、子供の気持ちが全く置き去りにされてないか!?と観ていて少し腹が立ってしまう事もありました。
単純に考えてみると、生みの親といっても一度見捨ててしまったのですから、いまさら出てきて母親になろうということ自体、自分勝手で都合が良すぎるとしか思えないですよね。愛情たっぷり育ててきた、育ての親からすると身勝手と思うことはしょうがないことなんです。
でもなぜでしょうか。この映画では茜の事を決して身勝手で悪者と思うことができないのです。それは茜の健気さと真剣に我が子の事を思う純粋な行動に表れています。あぁ、この人も被害者なんだなと。もちろん、演じてる貫地谷しほりの素晴らしい演技力のおかげでもりました。迫真の演技は見事でした。
それが故に、鑑賞していても正解にたどり着けないのです。どちらかに肩を持たせてくれた方がよっぽど楽か…。結局、どちらにも肩を持つこともできず、正解も出ないまま、一緒に苦しんで鑑賞せざるおえず、何とも言えない苦しい時間が過ぎていきます。
正直、途中まで悲しい結末にしかならないのではと諦めすら感じ始めました。どんな残酷な結末になるのかと。ただ、二人を溶かしたのも、また子供である豊和なんですよね。豊和の純粋さには、本当に心が洗われる思いでした。
ただ、ラストの結末は、本当に両者共に納得した結果なのかな!?っと少し疑問には思えました。かなりの妥協が入った気もして、後々後悔の念に駆られないかなぁっと。もちろん、誰もが悪者にならない唯一の優しい結末であったとは思いましたが。
総じて、非常に考えさせられた映画でした。たまにはこういう真面目な作品も観て感情を揺さぶられるのもいいなぁっと思った次第です。
タイトルにもあるように、非常に綺麗な夕陽のシーンがこの映画の見どころにもなっているので必見でしたね~。
思ったこと
育てた家族だけでなく役場の人も育ての親を優先させるのが子供の幸せと断定していたのには、違和感を抱きました。また将来島を出る時には、と言っていたけれど、この島は高校から出て行くのでしょうか?五月がうまいこと島から出さないように仕向けるかも、とか考えてしまいました。
というのも、祭で豊和が太鼓を叩くのをにこやかに見守る育ての家族と対比して暗い顔でバスに一人乗って行く産みの親。結局育ての親は以前と変わらぬ暮らしが続くのに産んだ親は、取り返しがつかない絶望感で寂しく去る。和やかに解決したかのようで産みの親が身を引いた、
という印象。
オーソドックスな、あまりにオーソドックスな・・・
設定から来る演技が過剰。鹿児島弁の方言が下手すぎて、気になって仕方ない。最後に持ってかれたなぁ~鰤の子育て、これぞ長島かぁ~😅ただ全体にセンスをあまり感じることは出来なかったものの、生真面目に取り組んだ正攻法の映画作りは好感が持てた🎵
特別養子縁組の詳細がわかる
映画・ドラマではよくある話だけれど、8歳までにしなければならないとか法的根拠のあるしっかりしたストーリー。そして、やっぱり海は偉大だ。
最近観た『ベイビー・ブローカー』でも「生まれてきてくれてありがとう」という言葉が印象的だったけど、この作品では「生んでくれてありがとう」。絶妙にニュアンスが違い、生みの親と育ての親との心理が交差する。
将来どうなるのだろうか?茜に惚れてしまう男もいいし、俺だってそうありたい。小さな島であるがゆえに皆で育てる気持ちも温かく伝わってくる。かつて茜が受けていたDVの酷さを描いてくれたらもっと良かったとも思う。
子供は皆で育てる。
産みの親か、育ての親か どちらが子供にとって幸せなのか問いかける。育ての親と産みの親それぞれの気持ち想いが伝わる。
お婆ちゃんは子供は皆、預かりもの。と言っていた 自分の子供を育て高校生で島を離れる時この先戻って来ないかも知れない。と思った時に……子供は預かりものだと
とわちゃんが お母さんと仲直りしてほしいと茜さんに言ってきた時、心にじ~んと響きました。お母さんはさつきさんだと。そしてとわくんがお母さんはいっぱい居るんだ島の人皆がお母さんなんだって。確かにそうだね
最後さつきさんが茜さんにとわがこの島を出たらお願いね。で…… よかったです
役場の秀幸さんはとっても誠実そうな人柄で茜さんにお似合いな感じでした。
産みの親か、育ての親か
貧困と孤独を抱えた人は、助けの求め方すら分からない。
このセリフはまさに日本の現実そのもので心に刺さった。
ストーリー序盤はモヤモヤしたまま、あー多分こうなんだろうなぁと想像通りの展開。
45分待ちましょう。
ここからテンポが生まれ、落とし所に向かって進んでいく。
実際、こういう結末で終われるのだろうか。
母とは、男には理解し得ない特別な境地を持っている。
一つのパターンとしてこういうお話もありというところか。
花子とアンの朝ドラで宇田川先生役をやっていた山田真歩さんの本格映画出演に注目でした。実力派です。
貫地谷しほりさんは言うに及ばず。
ふたりの女優が魅せる、子を思う生みの母と育ての母親像が心に響く。 ...
ふたりの女優が魅せる、子を思う生みの母と育ての母親像が心に響く。
登場人物を優しくあたたかく包みこむ夕陽が印象的。
静かな感動の余韻は長い。
夕陽のあと
陽のあと、一番好きなシーンは五月が東京へ行った日に茜が豊和の太鼓の練習をこっそり覗いてるときお茶を持って来てくれたもう一人の授からなかった女性が五月とは別の方法で島の子供たちの母親になってて幸せそうで、救われた気がしました。短いけどこの映画に必要な重要なシーンです。
全国の図書館に置いたらどうでしょうか その前に、劇場の支配人さん、ちょっと考えて❗ 真面目なレビューです
単純に産みの母親の葛藤と里親の意地の話しではないところまで昇華されている美しい映画でした。
特別養子縁組制度について考えるきっかけになりました。ただ、映画の冒頭にテロップで説明が少しありましたが、この制度で縁組が成立した例は非常に少ない。子供は産みの親の戸籍から完全に抹消され、永遠に育ての親だけの子供になるらしい。この映画の作り手はこの制度に対するあからさまな反対は表明はしていない。しかし、映画の冒頭で単なる里親からの養子縁組との違いをテロップで示しているので、何らかのメッセージを感じる。制度自体が広く理解されている訳ではなく、まずは産んだ子供を手放した親の事情や心理、里親になることを志願した家族の事情や本当の親になろうとする努力、揺らぐ心の様を理解しなければ、この制度を云々することには遠く及ばないと思って、この映画を作ったのだと思います。
セリフ一つ一つに無駄がなく、必要ギリギリに削がれ、貫地谷しほり、山田真歩の演技に委ねられていたと思います。複雑な状況なので、言葉で説明し過ぎがちになるところを、お二方の演技力と細かな場面設定で映画にしました❗
個人情報保護法もあり、この制度自体が産んだ母親が自分の子供がどこで暮らしているかも知ることさえ出来ない。
だから、この映画のようなことは、突っ込むつもりもありませんが、あり得ない。いくら後悔しても、謝りたくても出来ない。育ての親ともニアミスしても、わかりようもない。それでは、物語にはならないわけです。物語にならなければ、両者の心を直に戦わせることも、理解し、許し、感謝することもない。ファンタジーと言ってしまえば、それっきりです。だからこそこの映画は素晴らしいと思います。
子供はまだ何も知りません。子役の豊和くん、とよかずじゃありません。とわ です。いい名前。可愛くて、個性的な子で、大きくなって、俳優をやるんなら、うんと応援したくなりました(柳楽優弥みたいになりませんように)。地元の皆さん。とわくんがぐれたりしないようにサポートお願いします。
美しい自然、海の幸に恵まれた小さな漁村の美しい夕陽。一隻の漁船が湾に出て行きます。二人の母親を乗せて。
幸せになって欲しいと願わずにはいられません。
詳しいことは他の人のレビューを読んで下さい。みんないいレビューです。
11月13日 シネマカリテにて
追記
役所の男性職員役が宇野祥平さんで、なんか悪さすんじゃないかと、ちょっと冷や冷やしました。真面目な役も🆗✌️でした
誰も悪くない
・誰も悪くないのが観ていてずっと苦しかった。(貫地谷しほりをDVしてた夫だけ悪い)しかし、観ていて産みの親が悪いように観えてきたり、育ての親が悪く見えてきたり、結果どちらも悪くないのに何でこんなことになってしまったんだろうと苦しくなってきて。どこにでもある人生の歪みの描き方が凄まじかった。
・映画を観ていて主人公はこうしたらいいんじゃないのかなと考えたりするけれど、この映画はそれが全くわからなかった。それだけに唯一無二の映画だと思った。
・貫地谷しほりの東京で漫画喫茶、職場とすべてのシーンがとても苦しかった。
・豊和役の子が凄く良かった。
・育ての親の五月が東京に向かって足跡を追うのが良かった。貫地谷しほりを理解して話し合おうとするのが良かった。
・ラスト、船上で話し合うのが絵になって良かった。二人ともに折り合いがついて良かった。
・貫地谷しほりがどうやって育ての親の場所を調べたのかが少し気になった。描いたら、同じ方法で探そうとする人がいるかもしれなかったからなのかな。
・貫地谷しほりが誘拐しなかったのが本気で連れて行こうとしていたんだなと思い辛かった。
素晴らしかった
ご当地映画なこともあり、気になるところはいろいろあるし、脚本も演出もうーん?って思いそうになるところはある。
だけどそれ以上に、作品の本質に何度も触れることができて、本当に素晴らしかった。
ボロ泣きだし、心から豊和くんのことも茜のこともさつきさんのことを想った。
映画館、前も隣もボロボロに泣いてたと思う(笑)
母親なら共感できることが多いのだろう
大阪唯一の劇場も公開週から一日2回、夕方で年配の男性10人くらいの入りとちょっと残念 でも内容は子どもを愛する母親目線で描かれる 子どもの虐待に関心が寄せられ、里親制度や養子縁組も関係者の努力で浸透してきている中、子どもを持ちたい、子どもを育てたいという「おとな」の思いと、「こども」の幸せについて考えるものでした 自らの気持ちの空虚さを埋めるために「こども」の存在を望む親もいるのでしょうが、「こども」と一緒に時間を過ごす中で、「こども」自身の幸せを考えるようになる「生みの親」の気持ちの動きを描く終盤熱くなりました 無責任な親の存在が多く報道される一方で、DVや経済的な壁に疲弊してしまっている「生みの親」のようは「母親」は決して少なくないのでしょう 貫地谷さんの背景(もちろん役の上)から彼女にどうしても幸せになってほしいと願わずにはおれないけれど、「こども」を育ててくれた「育ての親」、島の人々の存在を思うと、「再び母親になれなかった」ことが悲しく思いました 2年前「望郷」でも、幸せになりきれない主人公を貫地谷さんは演じておられました 何としても自分で育てたいという思い、一緒に料理を作るところ、写真を撮るところ、キャンプで一緒に枕を並べるところ、自転車の二人乗り、真の母親ならあたりまえのことなのに、それが許されずあの瞬間だけ「母親の笑顔」になっているところ悲しかった おなかの傷は決して忘れないものなのでしょう(12月12日 シネリーブル梅田にて鑑賞)
貫地谷しほりさんの魅力を改めて知りました
貧しさゆえ赤ん坊をネットカフェに置き去りにした産みの親(貫地谷しほり)と鹿児島の離島で暮らす育ての親(山田真歩)との葛藤。
娘たちを溺愛し幸せボケした私は、終始外から見ていた気がする。映画の中に入り込むのが特技なのだが。
特筆すべきはしほりさん。ホント魅力的だった。
ふたりの母が素晴らしい
茜と五月。
ふたりの母が切なくて中盤から涙が止まりませんでした。
そしてふたりの母を演じたふたりの女優がとにかく素晴らしい。
産みの母と育ての母。
たくましく成長する島の子。
そんな母や子を島の美しい夕陽が包み込む。
まさに傑作だと思います。
子供の幸せって何だろう
二人の母が子を求める気持ちは、それぞれ分かる。
でも、子供の幸せを1番に考えたら、実母が身を引いて良かった良かったとは思えない。
難しい問題だけど、子供に選ばせるには酷かな。
でも、大きくなって話を聞かされた時、素直に聞けるかな?
実のお母さんが可哀想とは思わないかな。
気持ちがスッキリしないまま終わったな。
2019年最優秀作品賞として強く推薦したい
施設から里親として預かった育ての親が住む町に一度は捨てた産みの親が子供を連れ戻しにやって来る話
ありがちな話しで決して難解ではなく単純な話ではあるが難しい問題がある
どうまとめるか気にはなったが最後はあっさり産みの親が引き下がったのには正直拍子が抜けたがそれで良かった
現実はなかなかそうはいかないだろうがそこは虚構である
監督や脚本家の人間性が出ている
こういう作品にこそ文化庁は支援するべきなんだ
それにしても実際には産みの親の承諾もなく里子に出してもいいのかな?こういうことがあるわけだから
残念なのはこれだけ素晴らしい作品を上映する劇場がやたら少ないことだ
東北では仙台しかなくしかも一つでミニシアターで東京に比べると上映開始日が遅めだった
おばあちゃんをよく見たら最近亡くなった木内みどりだった
おばあちゃん役が樹木希林なみに板についている
木内みどりといえば元気がでるテレビの秘書役の印象しかなかったのでそれからいきなりのおばあちゃんに驚いた
おばあちゃん女優としてのこれからの活躍に期待できたのに残念な思いがいっぱいで早すぎる死だった
育ての母親役の山田真歩が良かった
涙を流すシーンはもらい泣きしてしまった
北川景子は見習ってほしいがきっと悲しい経験がないのでできないのかもしれない
声が綺麗なので本人じゃないだろうがあまりにも似てるので椿鬼奴の妹かなと思ったが違うようだ
他人の空似だ
そして何よりも素晴らしいのは貫地谷しほりの演技である
演技力がずば抜けている!見事な顔力
ますます好きになった
彼女の代表作であり今まで歩んできた役者人生の集大成といえる
表情のさまざまな移り変わりが世界的にも最高な芸術の域に達している
もう一度チャンスをくださいと土下座するシーンも良かったし母乳を出すシーンも良かった
「あーもったいない飲みたい」と思わず思ったくらい
胸を露出するのではと嬉しい反面不特定多数に見せないで嫌だなとという場面も結局出さなかったが右の乳輪が母乳でシャツが透けていた
あれは本物の乳輪なのか男性ならほとんどの人が気になるところだがそれはどうでもいい
彼女は意外にわりとそこそこバストがあるので胸が張るという設定も違和感がない
女優は胸があるに越したことないし吉永小百合だって有れば若い頃もっと大胆に脱いでいた
胸が大きめになるよう生んでくれた母親に貫地谷は感謝しないといけない
宮本から君への蒼井優も凄いので甲乙つけがたい
どっちが今年の最優秀主演女優賞か決めないといけないならかなり迷う
村上か近本で決まったあとも揉めてるセの新人王より判断が難しい
蒼井が鬼(いい意味で)なら貫地谷は仏
蒼井が悪魔(もちろんいい意味で)なら貫地谷は天使
産みの親か育ての親かで最後までどうなるか気になった同様に極めて困難な選択
当初は憎んでいた育ての母親も息子豊和(とわ)と産みの親の歴史を調べるためわざわざ鹿児島長島町から上京し戻ってきたら夫が呆れるほどすっかり軟化していた
僕は一応男だが彼女たちの切実な思いが不思議とわかるような気がする
いやわかったつもりだろうが人間としてわかってあげたい
自己中で片付けるわけにはいかない
借金まみれの国だがこの国の未来のためにも子供がほしい夫婦に少しでも支援してあげてほしいと感じた
山田真歩が貫地谷しほりにつかみかかるあたりのインディーズ映画のようなカメラ割りが良かった
豊和を後ろに乗せて坂道を自転車で港まで降りていく引きのシーンが良かったしそこからアップの貫地谷の笑顔も◎
豊和の鰤からの海が母親そしてみんなが母親というあの一連のセリフに感動して涙が出た
漁船で育ての母親が産みの母親を抱きしめ「産んでくれてありがとう」でまた感動して涙が流れた
2019年最高の作品
是非劇場で観てほしいがそれが無理ならCSとかツタヤとか動画サイトで必ず観るべし
かなり長めな感想になったがバカな自分にはとても短くまとめることができない愛がぎゅうぎゅうにつまった感動作でした
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