「認めることの強さ。受け入れる優しさ。」劇場 caiさんの映画レビュー(感想・評価)
認めることの強さ。受け入れる優しさ。
泣いた、泣いた。
自分で自分を認めてあげられない、というのは、狂気、そして凶器にもなり得る
ただただ不器用で、
自分を受け入れることができないからこそ誰かを傷つけてしまう
"才能がある、ない"なんて言葉は私自身も信じたくはない。
永田は、自分を認めてあげられる強さがなかったんだ。
誰かと生きていく、誰かが近くにいることは時には鬱陶しく、時に全部捨ててしまいたくなる。
その根源には、きっと、"愛されたい""だれかに認めて欲しい"という、ものすごくシンプルで、人間そのものの感情がある。
また、
二人の関係が変わっていくことというのは、それまで絶妙なカタチで成り立ってきた、脆く壊れやすい結晶のようなものを、別の形に変えていこうとするもの。それは、始めは幸せを感じていたものが、幸せじゃなくなるということ。
だからこそ、『大切な人と出会い、結婚して、添い遂げていく』それは、本当に奇跡で、次の瞬間壊れることもいつだってあり得るんだなって思った。
前の自分なら、彼氏のクズっぷりに腹を立てていただけだっただろう。
でも、恋愛を経験していくうちに、彼氏のどうしようもできない気持ちと、本当の優しさを向けられない彼女の気持ちもわかる。
それが、二人のカタチ。
大切なことは、自分自身と相手と、真っ向から向き合う強さ。
臆病な自分も、そんなところも私だもんねって自分で自分を慰めてあげる本当の優しさ。
そんなことを考えさせられながら、
すごくリアルなシーンに心が苦しくなり、
自分の経験もフラッシュバックしてきた。
本当に、いい作品だった。
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