劇場公開日 2020年7月17日

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「激情」劇場 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5激情

2020年8月4日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

知的

2020年映画館鑑賞49作品目

原作未読

出演者の一部以外予備知識全くなく観た
タイトルのイメージと内容がだいぶ違った

女優になるために上京した20代後半の女とろくでもないクズでとても精細な売れない舞台俳優の男が一緒に暮らす話がほとんど

二人の会話劇と主人公のナレーションが重要になってくる

同棲でやること決まっているだろと思う人もいるかもしれないがそういうシーンは一切ない
ラブストーリーなのかどうか微妙だ

たしかに前衛的な舞台は全くつまらない
シュールだ
まだ死んでないよの方もよくわからないし終わる直前だけど面白そうな雰囲気は感じた

向こうの劇団の名前がすごい
劇団名じゃなくてバンド名だけど『うるさくてごめんねバンド』を思い出した

山崎賢人も松岡茉優も良かった
両方良かった
うまかった

若手の男性俳優には触れると火傷しそうな荒々しさを求めたい
今回の山崎くんはとてもセクシーだった

可愛いは作れるってほんとなんだね
こんなかわいい松岡茉優初めて観た
泥酔してブチギレて怒りをぶちまけるシーンがグッときた

沙希を演じたのは松岡茉優だが沙希というキャラもかわいいを演じていたんだ
結婚したかったのかな
沙希は変わっていくけど永田は変わらない
沙希は悪くない!悪いのは永田だと思うことができたら壊れなかったのに
東京にギブアップし実家に帰り地元に就職した沙希と東京であてのない夢を追いかけ続ける貧乏役者永田
舞台劇を観ながら涙を流しながら何度も「ごめんね」を言う沙希にグサッとくる

バイクのシーンや二人で台本を読む一連のシーンや人形じゃないよとヒロインが呟くシーン
静かさが不快に感じるってところもいい
そのほかにも印象に残る好きな場面が多かった

脇役の伊藤沙莉も良かった

水木一郎がオールスターゲームで歌うような風なびくカラフルなマフラーにゴールドのスカートの伊藤沙莉
あんな人は東京で見たことない

何度も観たくなる映画
噛めば噛むほど味が出るスルメのような作品

原作も読んでみよう

だけど最後があれれって感じ
なにあの演出
あまり好きじゃないなあ
こち亀で作者がページ数間違えてああいうことあったことを思い出した

エンドロールの最中も本編が続く

『ステップ』と『劇場』を観たあと強く感じた
山崎松岡伊藤同学年の3人が令和の映画界演劇界を引っ張っていくんだなと
それ思うとワクワクしてまだまだ死ぬわけにはいかない

野川新栄