「パッと観て、はいはいとはなりません」劇場 M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)
パッと観て、はいはいとはなりません
Amazon primeと映画館での上映が同時公開となり、そうかーそんなことが起こるのかーと、コロナによって映画関係者の方々の苦労を思うとともに、映画が好きな自分としては、いつもとは違うスタイルではありましたが、公開してすぐの作品を家で観ることができたのはそれはそれで良い経験になりました。
又吉先生の作品は、花火に続いて2作品目。
うーん、パッとみて、ははは!はいはい。と言うわけにはいかないのです。
ちょいちょい台詞にフワリと何かが被さっているように思えてしまい、ついつい考えてしまう。考えてるからちょいちょい内容が分からなくなるので巻き戻す。笑
(映画館ではありえないことが出来てしまったw)
ただ今回の登場人物、誰一人魅力的には見えず。
すんごい悪人がいるわけでもないのですが、どのキャラクターもなんかなー、なんかなーとモヤモヤしてしまった。ついつい女性の立場から見てしまうので、サキちゃん(松岡茉優さん)の行動、言動が気になる。彼女が高校生ならやってることみて、まぁ、若いからなの一言で片付けるのですが、27歳にもなってそんな事やってんのかーい!と突っ込みたくなる。
永田(山崎賢人さん)もう個人的にはできるだけ関わりたくないタイプの人間。きっと魅力があるのだろうけれど、こんな自分勝手な奴ー!と見てる最中ずっと思ってた。
ただ、二人とも純粋過ぎて。純粋が故に起こる会話の衝突とか、すれ違いとか。切ない場面は盛りだくさん。
永田がバイク壊してるシーンなんて、おいおい!と思ったらその後の自転車買ってる永田みて、はー、お馬鹿さん。そんな事したらサキちゃんがまた好きになっちゃうよーとか、いろいろ思いながら鑑賞。
なんとなくストーリー自体が劇中劇のような気がしながら見ていたら最後はやっぱり二人のやりとりが劇になっていた。やっぱりね。
松岡茉優ちゃんの演技は割と好きで、山崎賢人くんはワイルドな感じで良かったです。
劇場のタイトルですが、激情か?と思うほど、人間の素直な感情が描かれていたと思う。行定監督らしいなぁ。