劇場公開日 2020年7月17日

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「最後の5分にやられた❤️」劇場 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5最後の5分にやられた❤️

2020年7月18日
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芥川賞作家・又吉文学、第二段の映画化。活字で読んだ時より、映像化することで、登場人物のリアリティさと人間臭さが伝わってきました。

ストーリーとしては、都会の片隅に咲く、売れない劇団員の男と、その男を献身的に支える女との辛苦を舐め合う、よくあるラブ・ストーリー。付かず離れずの2人の恋愛物語が淡々と進んでいきます。

少し昭和の匂いがする、フォークソングをモチーフにした70年代の日活の青春ムービーを思い起こす内容。それなのに、これだけ高いレビューとなっているのは…?

山崎賢人が、ホントに自己中心的なダメな劇団員を…。松岡茉優が、優しさに包まれた献身的な女性を…。
見事に演じ、一つ一つのセリフや演技が自然体で、映画を観ているというより、現実の2人の生活ドキュメントを観ているようなリアリティさが伝わったからでしょう。

そこに加えて、最後の5分間の演出にやられました。タイトルである『劇場』に結びつけて、余韻を残しフィナーレに向かうシーンでは、熱いものが頬を伝わりました。

売れない劇団員や芸人の世界観を、文学的な芸術作品としてこの世に送り出してた又吉直樹は、やっぱり凄いと思いました。

bunmei21