ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんのレビュー・感想・評価
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厳しい旅
牧歌的なファンタジー映画かと思いきや…。
絵の調子は昔の東映アニメ映画を彷彿とさせる簡素さでしたが、様々な描写、特に雪や氷の描写が素晴らしく、見応えがありました。
物語は非常に分かりやすく、主要な登場人物も絞り込まれている上に描き分けがしっかりとされているので、置いてけぼりになることはまずありません。
主人公のサーシャは、貴族の出身であることと、(恐らく)一度も故郷を離れたことがないのに、熟練した探検家も顔負けの航海知識を持っていることを除けば、全く普通の女性です。北極探検に出たまま行方不明となっている祖父を助けたいと思いながらも、機会を得られないまま日々を送っていました。ふとしたきっかけで祖父の足どりを知った彼女は、旅立ちを決意します。
最近公開の『アナと雪の女王』の続編とは、極北を舞台としているという点で共通点があります。サーシャはいわば、(魔法が使えない)エルサの使命感と、アナの冒険心が一体化したような人物で、勇気と知恵で困難を切り抜けようとします。ところが本作は自然の脅威を見せつけることに一切容赦がありません。どこか牧歌的な絵柄の人物達だけに、過酷な状況に翻弄される様子の凄惨さがより際立っています。
公式サイトの、片渕監督のメッセージが本作を良く言い表していますね。監督の言葉通り「子供向け」とはかけ離れた作品でした。
昔見た作品
シンプル・イズ・ベスト
ブリザードシーンの緊迫感と絶望感は必見
2Dゲームのめっちゃ滑らかに動くオープニングみたいなアニメーションが素敵だった~。
ストーリーもいい感じ……なんだが!
連日の疲れ&寝不足で最初の30分ほど眠ってしまった!
痛恨のミス!
サーシャが祖父のために必死に足跡を追う姿はグッときた。
女将さんのもとで成長していく過程が素敵やな、と。
セリフほぼゼロで一人前になっていくのが端的にわかる。
素朴な絵なのだけど意思の強さをしっかり感じられる”表情”が素晴らしい。
周りの荒くれ者どももまた良い味出しててー。
でもコレ前半をちゃんと見てたらもっと良かったんだろうなぁ;
後半の雪原シーン。
先の見えない広さ、自然の無情っぷりはかなり怖い。
特にブリザードの場面はゼログラビティに近い恐怖感あった。
映画館で見てこそ。
雪原を頑張って乗り越えようとするサーシャと男たちの”表情”がしっかりと頭に残ってる。
その後ろに広がる広大な雪原/雪山の美しさ、そして過酷さもステキ。
暖かいカレーが食べたくなる!
ともかく絵が綺麗で可愛い
フランス・デンマークのアニメ
全国の学校で上映してもおかしくないくらいの良作
親子で一緒に見れる良作
シンプルかわいいヒロインの冒険
世界の名作アニメ的雰囲気
輪郭線を捨てて描かれた冒険物語
少し前のフランスのアニメ作品だが、ようやく日本語版が見れるようになった。
原題は、北極点という意味で「地球のてっぺん」。
ストーリーは1880年代前半だが、史実では、人類が北極点付近に到達できたのは、20世紀に入ってしばらく経ってかららしい。
ロシア貴族の若い女性サーシャが、北極点を目指して消息を絶った探検家の祖父の“名誉”と、失われた砕氷船を取り戻すために、「長い旅路」へ向かう・・・。
アートの面では、自分はパッと観て、1920~30年代の商業ポスターを思ったが、1940年代の鉄道会社のポスターからインスパイアされたそうだ。
輪郭線をあまり描かず(描いても黒い線は使われない)、かつ、版画のようにベタ塗りの色面で構成していく。(最初は線で起こすとしても、線画の線を最後に抜くという発想法では、こういう絵柄は作れないと思う。)
その代わり、2次元的な陰影は一つ一つ丁寧に付けており、光と影のコントラストは美しい。
原色はほとんど使われず、パステル的な少し濁った中間色が使われているが、北方の風景を描くのには効果的だ。
「シンプルな画風」とか「ミニマム」などと、ちらしに書かれているが、自分はそうは思わなかった。映像表現だけとっても、必要十分なクオリティをもち、予算不足や表現不足など一切感じない。
輪郭線を捨てたことで、豊かな表情やキレのある動作といった、マンガ的な表現は制限される。しかしその代わりに、フレーム一つ一つが、そのまま版画やポスター画であるような世界が実現している。
そもそも、“おとぎ話”には写実性は必要とされない。「髪の毛1本1本」が描かれなくても、「風に合わせてなびく髪」であれば良い。
また、音響表現がイケており、絵の写実性の不足を補っている。流氷のきしむ音や割れる音には、息をのむ。
ストーリーは、見かけによらず、フランス映画らしからぬ(?)ほど、かなりご都合主義だし、ハリウッド的でもある。
正直、「ありえない・・・」なのだが、スッキリとまとめ上げていることも事実で、“おとぎ話”と割り切った方が良さそうだ。
主人公のサーシャの絵柄は“カワイイ”が、声は低くハスキーで、“しぶとい”キャラに合っている。
大きなスクリーンと、素晴らしい音響で観ると、より楽しめる映画だと思う。
南極よりも遠い場所
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