「北の果てを目指して一緒に旅する気分になれます。正統派の冒険アニメーション作品です。」ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
北の果てを目指して一緒に旅する気分になれます。正統派の冒険アニメーション作品です。
ポスターを観た瞬間に「観たい」と思った作品です。
観る機会がなく、今回ようやく鑑賞することができました。
ポスターを見たときの印象としては
キャラデザの雰囲気もあって、「白蛇伝」 や 「ホルスの大冒険」
みたいな作品かなと思っていました。
当たらずとも遠からず。 …いや、遠いかも (弱気)
探検から戻らぬ祖父を探しに旅立つ少女。
立ちはだかる苦難の連続。
どんな展開になるのか最後までハラハラ。
王道を行く、良質な冒険物語でした。
観終わったあとに頭に浮かんだのが 「世界名作劇場」。
「母を訪ねて三千里」 の マルコ とか
「家なき子」 の レミ とか
「ペリーヌ物語」 の ペリーヌ とか
いずれも主人公が苦難を乗り越えながら旅をし、
旅を通して成長していくお話。
この作品は、主人公サーシャの成長物語でした。
◇
19世紀末
ヒロイン・サーシャはロシア貴族の娘
大好きな祖父は冒険家
北極点を目指したまま戻ってこない…
捜索隊が出るも、手がかり無し
それなら自分が探しにいかなくちゃ
というわけで
一人旅立つサーシャの運命やいかに
という冒険活劇(※)です。
エンディングまで、しっかりと楽しめる作品でした。 満足。
※ 古い表現なのかもしれませんが、
これが一番あっている気がしました。
◇ あれこれ
■エンディング その1 父と娘
出航した港に戻ってきた際の場面がエンドロールとして流れる中
家出も同然に旅立った(というか家出そのもの) サーシャを
何も言わず、ただ抱きしめる父親。
父の首にしがみつき、顔を埋めるサーシャ。
↑ この場面、エンディングなのでセリフはありません。
なのに、心情がとても良く伝わってきました。
思わずほろり
■シロクマさん
食料が尽きたクルーから離れ一人吹雪の中を行くサーシャ
シロクマが現れた 大ピンチ
食われてしまう~
…
ずどーん
…
めでたく食料となるシロクマさんでした。
白熊ってどんな味なのでしょうね。
「しろくまアイス」しか食べたことありません ←これは好き ♡
※三毛別羆事件みたいな悲惨なエンディングに
ならなくて良かったと、しみじみ。
■エンディング その2 フラグ
おじいさんが北極点に立てた「旗」
最後の最後に、それが
風に飛ばされていく描写で終わるのです。 ぴゅぅ
うーん
これを、どう解釈したらいいのかなと
あれこれ思案…
・「航海日誌」は祖父の願いどおりサーシャの手にわたった
・祖父の北極点到達も世間の知るところにもなった
・北極探検船も、無事にロシアに帰ることができた
↑ということからすると
「祖父の願いが叶ったので、祖父の立てた旗が天に昇った」
と、そういうことなのでしょうか。 はて
実に奥の深いエンディングです。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。