「作り物が本物になるテレビの怖さ」マーズ・コンタクト 猫足さんの映画レビュー(感想・評価)
作り物が本物になるテレビの怖さ
イントロの水辺のシーンで、ロシア映画だ、と思ったら、そうだった。かつてのソ連映画には水辺のシーンが多かった。そして惑星ソラリス、ストーカーなどのSFを、思い出していた。宇宙やゾーンの空間を描きながら人間の内面を問い詰める。他の国にありがちな、頑張れば何でもできるんだ的な明るくて嘘っぽい未来はそこにはない。この映画は、火星人とのコンタクトの話かと思って借りてきたけどそうではなかった。地球での茶番を描き、地球人こそが異星人なのだと、宇宙的視野について考えさせる。かつて程の重さはないが、それなりに良くできていると思う。
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