ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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人滲み出る人間の怖さ
自分としては面白かった映画です。2時間半弱の長めの映画でしたが、あまり長いとは感じませんでした。
ゾンビ系やパニック系の怖さより、派手ではないけど背後から滲み出る人間の怖さの方が好き(面白いと思ってる)な自分としはとても良かった🤔まぁでも派手ではありましたね、自殺のシーンとかは。笑
またみた後に他の人のレビューをみて北欧神話のことが背景としてわかっているとすんなり入ってくる部分もあったのかなと思いました。
これも人の考察ですが、村に入るときにカメラが反転したり、通常夜で描くものを逆に日中、白夜で描いたりという"逆に"なっていることが、例えば我々にとっては死は恐怖の対象だがあの村では死とはサイクルの一つで喜ばしいことであると考えられていて我々の世界とあの村の価値観は"逆である"ということを意味しているというのには妙に納得してしまいました。
伏線満載な良質のホラー映画だった!
前作の「ヘレディタリー/継承」が面白かったので、前以てチェックしてたアリ・アスター監督の作品。
期待に胸を膨らませて映画館に足を運んだけど、大満足の内容!
考察も兼ねて何回か足を運びたいくらい、気になる点が多すぎる(笑)
まず、90年に1度のホルガの民の祝祭が、やらせというか嘘のように思えて仕方ないんですよね。
まず、普通に考えて簡素な施設しかない場所で、普段の生活はもちろん、北欧の冬を越せるとは思えない。
冬は確実に凍死しちゃうでしょ…。
あの場所は定期的に行われる「儀式(意味深)」の会場。
ホルガの民は普段は一般人に溶け込んで暮らして、夏至の時には会場に集まってきて、生贄になる外部の人も一緒に連れて来くるのではと思った。
彼らは英語も話せるし、高い水準の教育を受けれる層の人間の可能性もある。
ホルガ村には学校みたいなものは見当たらなかった。
子供が少なからずいるのにも関わらず、教育施設がないのはおかしい。
女王の写真もそう。
結構な枚数があったから、90年周期に行われるなら辻褄が合わない。
取って付けたようなルーン文字とか北欧神話の要素を見ても、ホルガの民がそこそこ新興のカルト宗教なんじゃないかな?
スカウト役の友人は、しっかり根回しをしていたと思う。
主人公に対してもやけに積極的だったし、彼氏に対する不安を煽る発言も気になった。
彼氏に関しても前以て村に情報が共有されていて、目を付けられてたんじゃないかってくらい、スムーズに事が運んでた。
監督が「これはホラーではない」って言ってるみたいだけど、個人的には悪意たっぷりのホラー映画だと思う。
少なくとも巷で言われているような「セラピー映画」ではない。
アッテストゥパン
主人公にとってのハッピーエンドを見て祝うまでの感情が湧かないし、そもそも周りの人が罪とされて処罰?されてる内容がそこまで大したことじゃないからシンプルにかわいそうに思えてきて、いや何を見せられてるんだ?????でした。本当にどこかの国にああいう風習がかつて存在した、とかでもない限りあの発想が生まれる監督の意図がわからなすぎる、となってしまった。
ただ、居場所を失った主人公に居場所がみつかった、という観点から見ると感情移入の余地はあったのかと、終わってから気づきました。
内臓を取られた人間と熊のくだりがめちゃくちゃリアリティ欠けていたことを除けば、映像のセンスはすごく好き。高速の道のりで上下逆さになる映像と、死んだ妹と目の前で死んだ年寄りの重なるフラッシュバックが強烈に印象的。
確かに昼間に見るよりレイトショーで見る方が怖くない気がします。
あと、性の儀式のシーンで、最初はモザイクかかってなかったのに、次映る時からモザイクかかってたのがまじの謎です。
この映画を茶化す傾向とは
今、SNSでミッドサマーをTRICKパロディに仕立てて面白可笑しくしているのをよく見かけるがこの流行がとても肌に合わず気分が悪い。
私はこの映画を楽しみにして、満員御礼で鑑賞し、とてもスッキリした気持ちで映画館を出た派である。
何故かというと私は主人公のダニーの感情に寄り添いながら観ていたからである。天涯孤独となり恋人や友人からも冷たくされている若い女の子が異文化に触れ、迎えられ必要とされた物語はハッピーエンドとしか言えない。
ホルガをキチガイの新興宗教だ!と騒ぐ人達はダニーの恋人とその友人側の視点で鑑賞しているのではないかと思う。教典を盗撮し、聖なる木におしっこするのは異文化を理解しようとする気持ちは持ち合わせておらず、馬鹿にしたり笑いに変えたりするのではないかと思う。
だが、それが悪いかというわけではなく、人それぞれの信仰や考え方は多様であるので、冒頭のパロディだのが悪いとは思わない、あくまで「私は好きじゃない」というだけなので私と同じ感想の人がいたら収束するまでのんびり待とう。
この映画を鑑賞するにあたり、スッキリした人はホルガの住人になり、ヤバイ!キモイ!と嫌悪感のある人は…映画で良かったね。本来なら生贄にされていたかもしれないんだよ。という事かもしれない。
現代文化から逸脱した思想の儀式にりかいが追いつかずに混乱するが、こういった土着の伝承文化は世界中、日本にもある。真摯に受け止めてしまったのでしばらくは頭がこの映画でいっぱいになった。
一つだけ言わせて。
これ儀式で熊に生きたまま食われるとか絶対あるっしょ!と、思ったら無かった。
欺瞞ゆえにまだ救いがある
内容の話じゃなく、観る側の心持ちにおいて。
生贄を得るために自分たちに都合のいい嘘をついて都合のいい癒しに浸る人間臭さが伺えるから、きわめて真っ当な怒りと不快感を持つことができる。クリスチャンが序盤で「カルチャーなんだ。歩み寄る努力をしなくちゃ」と言うようなことを言うがモラルがあればあるほどこれを抱えてると苦しい。価値観の差ってことは理解できるけど感情が受け入れてくれない、こんなコミュニティは燃やせって気持ちになるから。でもよくよく考えるとこいつらは外の人間にも中の人間にも平気で嘘をついていて、あたかも生と死は平等、等しく愛おしいというような態度でいるけれど最後焼死が間近に迫って喚き散らす住民によって「やっぱそんなん欺瞞じゃねーか」って滑稽なネタばらしを食らう。そうするとコミュニティの捉え方がまるきり変わる。唯一祝祭を文字や画の形にすることが許されている障がいを持った男(の子?)。障がい者だから余計な価値観を持たない、ありのままを捉える無垢な存在なんだって決めつけ、ある種責任の押しつけがものすごく胸糞悪い。そしてその理屈だと同じく無垢な存在と言える赤ちゃん。でもみんな知ってる通り赤ちゃんに愛とか利他なんて感情はない。我儘の限り。究極の利己。無垢とはむしろ共同体を守るそういう社会的な感覚から最も遠いもの。だからあのコミュニティが言ってることは都合の良い嘘で、赤ちゃんはずっと泣いてたし、ありのままを描いた画はきちんと気味が悪かった(なんなら警告では?)。
でもそういう納得のいく不愉快さがあるからあの特殊空間に引っ張られずに済むという感じ。向き不向き好き嫌いを抜きにすれば作品の出来は間違いなく良かったし、それも「これはよく出来たフィクションでエンタメだ」という感情の逃げ場になった。
観終わってすぐは「こいつらを理解してやらなきゃいけないのか……? 無理だろ、無理だごめん。私は私のためにこの村を焼いて消滅させなきゃ」とげんなりしたけれど、冷静になれば上記の通り不愉快で当たり前だ!と大義名分を得られるのでわりと平気。
あらゆる本人たちが良いと思ってればそれで良いもの(御守りとか幽霊とか)は内側で守っている間は正当な力を持つけど、外に出した時点で変質する、秩序を失う。外の人間を嘘ついて取り込んだ時点であのコミュニティの文化はただの欺瞞に成り下がった。
ホラーではない
監督がインタビューで言ってた通り、ホラー映画ではないという印象。
失恋をテーマにしたブラックコメディ??
メンヘラ彼女とズルズル付き合ってたら酷い目に遭った彼氏…。
90年に一度の奇祭らしいが、村人みんな慣れ過ぎてて年一で似たような儀式はやってるんだろなーと。
グロはあるが、エロめなシーンではエロさとか不気味さよりも滑稽さが際立って思わず劇場で吹き出して笑いを堪えるのに必死でした。
ネットやTwitterでは話題になってたというか、もはやTwitter民のオモチャにされてる感ありますが、まあオモチャにされるのもわかるような…。
2時間半という長尺ですが、不穏な曲と主人公らがキョドキョドするだけの間に無駄に尺が割かれていて冗長な印象。話を追うだけなら1時間あれば足りそう。
刺さる人には刺さるのかもしれないが、個人的にはシュールでチープなサブカルニッチムービーという感じでした。
ニコ動コメ付きなら満点
村八分のカルト団体のお話です。
白い装束に老若男女の営みを描く様はまるでオ〇ム真理教のサティアンを連想させました。
盛り上がりもなくただ淡々と生贄を調達していくさまを2時間半見させられるのみ。
途中で帰りたくなった映画は初めて。
恋人と見てなければ出てましたね笑
村人がクリーチャーになって村から脱出するサバイバル的展開なら盛り上がったかも。
100%クソ映画
予告編見て気になってたので、事前に見る人選ぶかもという情報は得た上で、ホラーのようなサスペンスのような映画なのかなと思って鑑賞。見終わって、堪らずに他の人のレビューをチェックして自分だけじゃなかった良かったと安心しました。
ストーリーも一応流れはあるけれど、やたら長くて早く終わってくれって上映中ずっと願ってました。家族一気に亡くしてボロボロメンタル状態な時に、関係がうまくいってない彼氏が友達と旅行に行くの隠してたの発覚して、しれっと一緒に行けるメンタルってどんな状態か分からないけど。
自分のような凡人には制作陣の「どうです?不気味でサイコでなんやかんやでこんな描写に結末なんて素敵でしょ?」感を前面に押し出されたような感じで非常にイラッとしました。
上映中ずっと不快だったのは音楽のボリュームが半端ない大きさだったこと。冒頭の電話の音からBGMと思ったら実は村人が演奏してましたな音まで全部耳が辛かった。編集の時に音楽やらの担当者がボリュームの調整間違えたのかな。会話の音量は普通なのでわざわざ大きくしてるのは分かるのですが、音楽のボリューム本当にうるさかった。
なんやかんやで仲間達が死んでいってそろそろ終わってくれるはず!と期待してみてたら、彼氏が薬入りジュース飲んで陰毛食べさせられた生娘村娘with村の女性達と花に囲まれて性行為をするシーンがあって、唐突なモザイクと喘ぎ声を増幅させた歌声で???何を見させられてるんだろう状態。オシャレ感?不気味感?もうモザイクしか目に残らない。話的にもカット出来ないし更に歌声入っちゃってるからカット出来ず苦肉の策でモザイク?
予告編で見たドアの向こうを見ちゃうシーンの向こう側って彼氏の浮気現場かっ!彼氏が裸で走り回るモザイクがスクリーンから浮きすぎててモザイクから目が離せなかった。あれは日本だけ配慮してモザイクなのか?
精神的に不安定そうな主人公は耐えきれず、とんでもない勢いで打ちひしがれて泣いてるのに合わせて増幅させた歌声で一緒に歌う村の女子たち。ここは笑ったら不謹慎なところですか?
最後は村に一緒に来た友人(既に死体)も彼氏(熊の中で虫の息)も一緒にお焚き上げ、それを見て笑う主人公。ほらこんな結末不気味でしょ!という制作陣の渾身のラストシーン。ずっと前から置いてきぼりだったから、スタッフロールに花が生えてたけど、湧き上がってくる時間(上映時間長すぎる)とお金を無駄にしてしまった後悔にさいなまれてそれどころじゃなない。もう何を伝えたかったのか分からなさすぎて、終わってから後ろ向きで花を摘みたくなった。
映画ってちゃんとジャンル分けができることって大切なんだと思いました。ホラーでもないし、グロでもないし、何を求めて見るかって大事。映画館にわざわざ見に行くと耳が壊れそうになるおまけ付きだし。この映画好きって言う人は、「大衆には理解できないだろう物を理解できちゃう自分すごくない?」とか「私は!監督の伝えたかったこと分かるわぁ」みたいな自分大好きな感情が見える気すらします。これは余計なお世話ですけど。
制作陣の自己満足映画としか言えない。自分の読解力が足りないせいで分からないのかと思ってネットで調べてたら、公式によるネタバレ解説があって絶句。映画の中で伝わってない、観客が理解出来てないだろうことを映画外で解説してるって…それって映画の中で伝えきれてないって分かってやってますよね。ずっと置いてきぼりだった自分が、思惑通りにわざわざ調べて公式の方々によるありがたーい解説も見て、それで理解した上での感想です。
100%クソ映画!!
フラワー・インフェルノ
女子好みの要素をみっちり詰め込んで語られるファンシーグロムービー。
馬鹿で下品で勝手過ぎる男どもの末路
デブで取り柄がなくてメンヘラだけど「あなた」が
お姫様!
画面を埋め尽くす花、プーさん、股間を隠して右往左往する元カレ!
これが最初の<偏執狂>アリアスター作品なら充分満足できる。
次作、さらに完成度の高さを見せて欲しい。
RPGツクールで作った様な薄い村!!
設定が作り込んでありそうで期待しましたが、勿体ぶった作風で微妙でした。ロケーション、村人共にRPGツクールで作ったような感じで、大勢に共感?して泣いてもらえても、まるで虫か何かの集合体を相手にしているみたいで、薄っぺらく感じました。ショッキングなシーンも期待したようなものはなく、ほのめかしばかりで、どう殺されたかは想像して下さいばかりで肩透かしでした。エッチな儀式シーンは、天皇が若い巫女二人と一晩中3Pして稲に精子をかけるというカルト儀式、27億円かけた先日の「大嘗祭」が頭をよぎりました。マークがヤリ目キャラだったので、そこはマークじゃないと話が締まらないと思いました。(松坂桃李だと「うおおおお!!」と使命感に燃えて、滞りなく儀式は済んだのだろうなとも思いました。)長い割に村とアメリカどちらの暮らしが真の人間らしいのかというテーマでもなく、村と村人が薄く祭りや儀式の高揚感に入り込む事もできないので残念でした。ホルガ村より、出だしの電話のベルと主人公の泣き声が怖かったです。気に入った人はディレクターズカット(170分)も観て考察してね、という感じですが、半年遅れの劇場公開で制限版を観せられたのかよと、そこまで付き合う気にはなりませんでした。古いですが、「楢山節考」(1983)の方が生命の循環を上手く表していました。
眠かった
・座席の少ないスクリーンとはいえ物凄く混んで驚いた。
・冒頭で何で両親と妹が自殺したんだろうという疑問はさておいてスウェーデンのどこかの村?へ旅行や論文の取材やらへ行くという話になり、トータルで90年に一度の夏至祭の模様を観た。っていう感じがした。結果、両親と妹の自殺であれだけ悲嘆にくれていたのに、核心には迫らず何だったんだろうと思った。
・主人公のダニーが面倒くさいのに面倒くさいって思われたくない様子の女でクリスチャンがどんどん可哀そうに思えてきた。彼なりに迷って付き合ってきてたように見えたのに最後、ほぼ錯乱状態で村ぐるみで村の女とヤッたところを観たら処刑?って酷いなぁと思った。
・前半物凄く眠くてたまらなかったが、ルールで決まった寿命に達した老人が飛び降りて死ぬシーンを淡々と描いたあたりでようやく目がぱっちり覚めた。
・殺すことに個人の善悪の概念がなく、組織の善悪で決まっている様子で、次々と主人公らの仲間が殺されていくのだけど、あんだけ人数いるのだから一人ずつとかじゃなくて一気にいけばいいのにと思った。逃げようにも逃げられそうもなさそうだし。
・時々主人公の妄想のようなシーンがわけわからなかった。
・同意の表現として両手を顔くらいの位置に挙げて手を左右に動かす動作が面白かった。
・好きな男に陰毛と経血?を食べさせるという気持ち悪い儀式をしていて怖かった。
・主人公のダニーがプリンセス?になって色々と決められる立場に急になったけど一体なんだったんだろうと思った。
・黒人の青年が殺された後、ふくろはぎが土から突き出てる状態でうけた。謎が多すぎる。
・前半で説明されてたかもしれないけど、何で顔面の皮膚を剥いでマスクを作ってラストに人形を作って燃やしたのかなと思った。
・あの村にいた人たちは普段どういう生活を送っているんだろうと思った。あの村でずっと生活していたのかな。にしても90年周期の祭りで死ぬのも構わないっていうのが全然わからない。
・近親相姦の予言者?だったか聖書?に記録できる人の顔はマスクだったのか、実際の顔面だったのか結果、どういう意味があったのか。
・クリスチャン可哀そう、変な女には気をつけろって思った映画だった。
・若い女性の観客も多く、どういう感想を持ったんだろうと聞けるなら聞きたかった。冒頭の学生の一人がウェイターの女を観てはらませちまえよ!っていうセリフとかどう思ってんのかなと。
・屋根裏の殺人鬼と連続で観たせいか死体を沢山観た一日になってしまった。
白夜の狂喜がヤバすぎる作品です。
話題のサスペンススリラー作品で結構前から気になっていて、鑑賞しました。
鑑賞したヒューマントラストシネマ渋谷は休日と言う事もあり、鑑賞した回は早々と満席。
で、感想はと言うと…ヤバい。これヤバい作品ですよ。
静かに美しく、軽やかにゆっくりと、じわりじわりと狂気を狂喜に忍ばせていく。
綺麗な包装で包まれていても、芯はエグい、グロい、キモいの三拍子w
パスカル・ロジェの「マーターズ」を思い出させる様なヤバい作品です。
最初は日の沈まぬ白夜の日々に精神が異常をきたす作品かなと思っていたら、全然違った。
一言で言うとカルト変態村ですわw
古き風習があって、カルト宗教コミュニティの様なヤバさ。何もかもかま怪しくて、何もかもが胡散臭いw
何を信じて良いのやらと言う感じで全てが酔っ払った様なあやふやで不確かさに満ち溢れている。
村で出される食べ物も飲み物も全て怪しく見えて、全て疑ってしまう。
村人が祝祭とあってか、いつも何処かで踊ってる。
もう、狂喜の世界で、どピカンに晴れた青空や明るさが怖い。白い服が怖い。村人の笑顔が怖い。
怪しさ満載過ぎ。
家族を不慮の事故で亡くしたダニーとその仲間達でスウェーデンの奥地の村で行われる「90年に一度行われる祝祭」に参加する為に村に訪れるが、最初はファンタジーかつ乙女チックな風景とほんわかした雰囲気だったが、徐々に怪しげな雰囲気に醸し出されていき、奇妙な風習が行われていく。
仲間が徐々にいなくなり、またダニーの精神も徐々に蝕まれていく。そして、祝祭のクライマックスが近づいていく…
と言うのが大まかな荒筋ですが、全てが怪しい。
もう、カルト宗教か?と言わんばかりの怪しさで、と言うかカルト宗教ですよね?w
様々な国や土地で様々な風習はいろいろあると思うし、今でも普通に信仰されている物も多数あると思います。
例えば、昭和初期まで東北の奥地で行われていた「楢山節考」の題材にもなった姥捨山の習わしも古き風習だし、沖縄の「風葬」も古き風習。
他所の地の者から見たら、奇妙な習わしに感じても、それを一概に駄目と言うつもりは全くなく、様々な文化の違いとしか言い様が無い。
ただ、それを踏まえてもやっぱりおかしい。この作品の村のコミュニティは全てがおかしく怪しさ満点
難点はダニー達が村に訪れるまではなんか長いし、村人が崖から飛び降りるまでもなんか長い。
村の雰囲気が緩やかな感じを醸し出しているせいか、全体的に間延びする感じもするんですよね。
で、約2時間30分の上映時間も長い。
ツッコミどころはやっぱり沢山あってw
・ラストの交わりのシーンもなんかモザイクと言うかボカシをかける所が掛かっていたり、掛かっていなかったりで、“ボカすつもりあるんかい!”と思ったり
・クリスチャンと赤毛の女の子のセックスシーンなんて、皆に見守られて、“ん?乱交パーティーか?”と思いきや、他の人達は素っ裸でただ見てるだけw
しまいにはご婦人に腰使いの補助までされて、“よもや馬の交配?”と思うくらいの屈辱っぷりだったりw
・クリスチャンのセックスシーンを目撃して、ショックで泣いているダニーに周りの女の子達が一緒に泣いている。文字で書くと悲しみを共有する美しいシーンに感じるが、泣きのテンポと声まで合わせている。もう“お前ら高校球児か?”と言わんばかりにツッコんでしまったりw
・自然豊かで警察も巡回しない様な土地で電波は飛んでるみたいだし
・女王を決める躍りの場面では観客の村人達は手を上に上げて、手の平をくるくる回しているのとかギャグにしか見えなかったり
・栄光の犠牲者選びがビンゴだったり
・ラストは熊さんの生着ぐるみを着させられたりとか
笑いを取りに来ているとは思えないけど、口あんぐりになって、苦笑と言うか、笑うしかないぐらいのエッジの効きすぎたシニカルさ。
そう言えば、ダニーの誕生日をクリスチャンがケーキの蝋燭に火をつけながら、「ハッピーバースデー トゥユー」を歌いながら、蝋燭に火をつけようとしてもなかなかつかなくて、歌いきっても火がつかなったのに、“ハッピーバースデートゥユー フ○ック!”と抜群の間で“フ○ック!”を入れて来たのには笑いました。
いろいろと考えるとアリ・アスター監督は結構な確信犯か?w
ラストはいろいろと解釈があると思うけど、概ね「ウェルカム ク○イジーワールド!」に行っちゃった微笑なのかと。
いろんな作品を観ていると琴線に引っ掛からなくても、興味のそそられる作品もあるし、琴線に引っ掛かっても、合わなかった作品もあります。
この作品ぐらい後味を引くと言うか、余韻の残る程の後味の悪さと気持ち悪さは久し振りw
それでも単にヤバいだけでなく、何か引っ掛かる後味と言うか、興味が引くんですよね。
覗いてはいけないモノ。普段接する事のない異次元の価値観と言うか、正気の隣に普通に居座る狂気と言うか。
それでも、いろいろと倫理観に引っ掛かる物も散りばめられていて、ヤバい雰囲気が一杯。
でも、こごまでブッ飛んだ作品はなんか凄いね。
いや~凄いの観たわw
とりあえず、お薦めはしませんが、変わった変な後味の悪い作品を所望されるのなら、是非w
明るく美しく不快で凶悪な、逆襲のファンタジー
まず、てんこ盛りの不快さについて。
フローレンス・ピューが演じる主人公ダニは、精神を病んでいた妹と両親を無理心中で失う。
恋人は頼りにならない。音楽は不協和音を奏でる。ドラッグによる幻視。花の飾りつけも過剰であればそれは美しいというより異様である。
そして、ダニたちが訪れたスウェーデンの村の不気味さ。
白夜の明るさの中で、住人が揃って同じ白い服を着てにこにこしている。皆がにこにこしているのは不自然であるし、喜ぶ、泣く、そうした感情を皆で共有するのも気味が悪い。個人の感じ方や感情はないのか。
セックスは全裸の女性たちが見守り、かけ声をかけ続ける中で行われる。
ここではセックスは、男女が個人の選択として行うのではなく、村の意思として個人に強いるものである。つけ足すと、全くエロくない。
さらに、村の作法に反したときは、仮に作法に無知であったとしても処罰され命を奪われる。
祭は9人の生贄を捧げて終わる。
最後の一人の選択を任されたダニは恋人を生贄に選ぶ。そして生贄たちが焼き殺されるのを見たダニは笑顔を浮かべる。
二度見したが、笑顔を浮かべている。信頼できない恋人は殺す。死ね。
家族を失い、恋人も頼りにできないダニの逆襲のファンタジーである。
明るく美しく、不快で凶悪な映像が次々と繰り出され、147分という長尺であることを感じなかった。
ホラーだと思わなければ悪くない。
おかしな儀式だったりおかしな風習がたんたんと映されていくんだけど、ホラーならふつう徐々に盛り上げていくように作るのかなあ。各シーンが演出というより説明になっていたような、、、。
妹が両親と無理心中したのがラストとどうつながるのかと期待しながら観てたけど全然関係ない(であろう)オチだったのが肩透かしだった。
ってどうしてもヘレディタリー的なものを期待してしまうけどこの映画そのものは別に悪くない。
☆☆☆☆ ハ〜〜〜フ〜〜〜!シュランペッタ、ホ〜〜〜ヘンタ〜イ!ミ...
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ハ〜〜〜フ〜〜〜!シュランペッタ、ホ〜〜〜ヘンタ〜イ!ミラネッリ、ダイシュウゴ〜〜〜!
ハ〜〜〜フ〜〜〜!ナンダコレ〜〜〜、ワマナラ〜〜〜メッチャ〜〜〜!ンシカケム、オモシロ〜イ!
ハ〜〜〜フ〜〜〜!ククニ〜ニサノ、ビャク〜ヤノアカルサ〜デ、シンケイ〜ガオカサレ〜〜テイ〜〜ク!
ハ〜〜〜フ〜〜〜!エエヨメコナイカ〜〜〜、ヌフユウバ〜〜〜!ダカ〜〜ラ〜、ナラヤマ〜〜〜!ブシコ〜〜ウ〜!
ハ〜〜〜フ〜〜〜!ユソッパリンイ、キサ〜〜マ〜!ショ〜〜ン〜〜ベ〜〜ンヲ、スル〜〜ナ〜〜〜!
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♬ア〜〜!オド〜〜レ、オド〜〜レ!ワニナッテオド〜〜レ〜!
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♬ア〜〜!ヒヌ〜ト、ヲォ〜メ〜〜ス!オマ〜エ〜カッ〜〜タ〜〜!ハ〜ナワヲカブ〜レ、カブ〜レ!
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♬ン〜〜〜!ン〜〜〜!ン〜〜!ナニクワ〜ヌカオ〜デ、イ〜〜ンモ〜〜オ、タベタ〜〜〜ナ!
♬ア〜〜〜!ア〜〜〜!ア〜〜〜!ニシ〜〜ンタベ〜〜タ!ダカ〜〜ラ、ニンシ〜〜〜ン、ニンシ〜〜〜ン!
♬イ〜〜〜!イ〜〜〜!イ〜〜〜!サ〜〜ア、イ〜〜ケ〜二〜〜〜エ〜!イ〜〜ケ〜二〜〜〜エ〜!
サ〜ア!イマコ〜ソ、ミナ〜デ、シゼン〜ヲ、トリモドソ〜〜〜ウ!
ソノタメ二〜モ、へンタイサ〜ン、イラッシャ〜〜〜イ٩( ᐛ )و
2020年2月24日 TOHOシネマズ市川コルトンプラザ/スクリーン2
異文化交流とバッドトリップ
大学の仲間の地元・スウェーデンの田舎にあるコミューンに旅行に行く5人。そこで開かれる祝祭に参加するが…。
そのコミューンが夏だと白夜だからとにかく明るい。コミューンの住民も皆妙に明るい。でもその明るさが気味悪いという設定。
明るいし牧歌的な雰囲気なんだけど薄気味悪い。こんな鑑賞体験は珍しい。いや、観終わったとき、戸惑ってしまった。自分はこれを面白いと思ったのか。ただ、上映時間がこんなに長いとは知らなかった。それを飽きずに観終えたんだから面白かったと感じたのかも。こんな鑑賞体験はホントに珍しい。
ちなみに90年に一度の祭?って思ったけど、最後まで観ると定期的にやってんじゃないの?って気がした。外から男を呼んできて子孫を作るための祭。そう考えるとあの手際の良さも納得する。さらに薄気味悪いけど。
でも、ホラーという感じではないかな。言葉だけでなく風習の違う、気味の悪い異文化に触れた違和感と恐怖が描かれた映画。
ドラッグのトリップも特徴的だ。そこらへんにあるものがうねうねと動いたりする映像を見るのはなかなか気持ち悪かった。
ちなみに主演のフローレンス・ピューはクロエ・グレース・モレッツに似てる。共感する人いないかな。すでに出尽くしてる意見かな。
これ、続編作っても面白いな。今度はこのコミューンのことを知った上で新しい外部の人間が来て、脱出しようとする話。ないかー。
期待して観賞
『ヘレディタリー』が悪夢的な怖さだったので、おぉ❗️期待できる監督さんかなと、又あの嫌~な感じを味わせてくれるのかと、ところが、『ウィッカーマン』か❓️たんなる田舎町の昔ながらの風習を都会の大学生やら、精神疾患を抱えている彼女
らを巻き込んでの騒ぎ、そこにエロあり、トリップあり、まぁ、何となく先は読めた、だが1つ!驚愕したのは後から知って良く見ておくんだった、『ベニスに死す』で絶世の美少年←大好きだった、ビョルン・アンドレセンが年寄りの役で生け贄←生まれ変わりか、見るも無惨な姿に
ムラ社会によるソリッドシチュエーションホラー
老いたものが自ら命を絶ち、代わりに新しい命にその後を託す。隔絶されたムラ社会での儀式。社会にはテリトリーがあり、そこに溶け込めないのでは、足を踏み入れてはならない。興味本位で迷い込んでしまった学生たちは、当然のごとくそれについていけない。そして、犠牲となる。
性交の儀式も表現される。個人というものはなく、ムラ全体で生活し、時間を過ごしてゆくようになる。
目を背けたくなるシーンがあり、R15だが、R18でもいいのではないかと思い、高校生の息子には見せられないと感じた。
しかし、思わず表情を緩めてしまうシーンもチョイチョイいれてある。人が真っ裸で股間を隠して外を走ったりする。
人が本物の熊の着ぐるみ姿となるシーンがあり、これはマンガの「ゴールデンカムイ」の実写版かと一瞬思った。
見終わった時、デカプリオの「ザ ビーチ」を思い出した。
不気味
昔なら本当にやってそうな儀式。狭い共同体の中での不気味さが十分伝わってきます。伏線のように散りばめられた絵が、これから起きる出来事の想像をかき立てられて上手いですね。不気味な不協和音の音楽も効果的で、全編にわたる不穏さを強調します。そして、怖くて不快な儀式へと。ラストの衝撃的なオチはなんとも。ある人物の「両親は火に包まれて死んだ」という台詞はここにつながるんだね。
明るい悪夢
私は女。
メンタルがおかしくて希死念慮に苛まれ、不眠症を患っている。
あらすじを読み、この映画を見たいと思い鑑賞してきた。
結果はずっと味わったことの無い憂鬱な気持ちになった。
希死念慮もない純粋な鬱、かと思えば何かが燃え上がるような躁状態を繰り返している。
開始5分で背後から殴られたような感覚に陥り、ここからずっとODに失敗したかのようなバッドトリップである。
主人公ダニーの恋人クリスチャンの友人たちが出すメンヘラの彼女に対する空気感、そこに主人公が来ると自然と避けようとする友人たち……。
私は過去の経験であったり、居心地の悪さから「もうやめてくれ」と叫びたくなってしまった。
主人公ダニーが自然とペレの近くに座り、話をしたのも「ペレだけは」彼女と自然に話してくれていた経験があったからなのではないだろうか?と思わせる。
途中、私の好きな描写がある。
スウェーデン行きの旅行へ出ることを隠されていたダニーがクリスチャンに対して話をしようと「椅子に座る」ように促すがクリスチャンは座らずに立ったまま話を続けていたシーンである。
クリスチャンは上辺だけ相手に合わせ、だがいますぐにここから立ち去りたい、メンヘラ彼女の面倒事に巻き込まれたくないという幼稚性が出ている。
「私はあなたのことを責めていない」「あなたのことを分かろうとしている」=「だからあなたも私を理解してほしい」という気持ちが見え隠れしていてとても胸に刺さったシーンだ。
このシーンが非常にもどかしく、映画を見ていて何度かの「もうやめてくれ!」が出てくる。
その後、ペレにより村の『儀式』を見せられたダニーは家族を思い出し、「こんな村からは出ていく」と主張する。
しかし、ペレもまた「座って話がしたい」となだめるのである。
ダニーはクリスチャンと違い、「座って話をする」のである。
ここの対比があまりにも美しく、私は鳥肌が止まらなかった。
ダニーは儀式のことを否定し、私は受け入れられないとずっと嘆いていたが相手と向き合っていたように思える。
この向き合い方がダニー、クリスチャンであるカップルのすれ違い方であるんだろうなと見せ付けられた。
映画を見終えて。
クリスチャンはたぶん悪いやつじゃなく、健康的な家族を持った恋人とであれば幸せな甘い時間を過ごせていたのかもしれないなぁと思う。
メンヘラ彼女を見捨てた罪悪感を背負いたくなかったんだろうとメンヘラで面倒くさい性質の私だからこそ持てる感想である。
私の感想はここで終わりにする。
最後に言いたいのはこの映画は147分間のバッドトリップを味わう。
他人にはおすすめしたいが、大切な人に見てほしくない映画である。
私はあのバッドトリップをまた味わいたいと思える映画だったのでぜひ2度目環境の整った映画館で見たい。
が、見たくない気持ちもあるのでこの監督は「人の脳を直接揺さぶることのできる」演出が上手いのであろう。
映画を見るときは「快晴予報」の日に「昼間で終わる」時間帯をまた選んであの純粋無垢な悪夢を楽しみたい。
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