ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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どうしてこんなものを作ってしまったのか…
因習村・カルト宗教系ホラーという話だけ聞いて視聴。
序盤の人間描写から村に行った後の意味ありげな映り込みから、とにかく全てが分かりやすくて2時間超を一切ダレずに見られました。
恐怖自体は0/1や1/1d2の小さなSANチェックが常に入ってくるような感覚で、悲鳴を上げることも飛び上がることもないですが、ただただ精神を蝕まれるような気がします。
主人公の家族のこと、主人公とその恋人及び学友3人の関係、論文に関する諍いなど、様々なものが非常に分かりやすく描かれますが誰に対して共感するということもなく、逃げられない強大な恐怖の前で一人一人の小さな人間達が終わっていくのを観察させられるような映画でした。
ホルガ村の設定も映り込みや会話でかなりを説明してもらえ、しかし想像の余地も残す形でとても好きだったのですが、見終わった後はひたすらに「どうしてこんな映画を作ってしまったんだろう…」と思ってしまっています。
カルト映画は自称したら冷める
因習村に迷い込んだ西洋人が村のイニシエーションに巻き込まれて悲惨な末路を辿るといった筋立ては古来よりホラー映画の設定として好まれてきたものだ。
その際たる例が『ウィッカーマン』であり、本作は明らかに『ウィッカーマン』を下書きにしている。村人たちがあくまで異人ウェルカムな雰囲気である点や、性風俗に重きが置かれている点など、とにかく共通点が多い。とはいえ『ウィッカーマン』に比べて本作のほうが優れているかといえば全肯定はできない。
確かに、舞台を白夜現象の起きるスウェーデンに設定したことで「ホラー映画なのに常に画面が明るい」という逆説的な異常性を打ち出した点は新鮮だが、ギミック性が強すぎてイマイチ乗り切れない。
舞台設定以外にもこうした悪い意味での「ギミック性の強さ」がみられる。中盤以降のゴア描写などもその好例だ。高所から飛び降りたものの脚の骨がグチャグチャのまま死にきれなかった信者を、観衆がハンマーで叩き殺す。画面の明るさとのギャップを狙ったゴア表紙やなのだということが全面化しすぎていて興が醒める。ハンマーというのはどう考えてもやりすぎだろう。
終盤のエロ描写に関しても同様だ。村娘たちの祝福を受けながら性交渉を行うくだりも、前述のゴア描写を見たあとではなんとなく予測できてしまい、あんまり盛り上がれなかった。
といった具合に、なんというか、全体的に「これがカルト映画ですよ〜」という自意識が充満してて嫌だった。
唯一よかった点があるとすれば大学生たちのギクシャクした人間関係だろうか。両親が死んでメンブレしてる彼女を仕方なくホモソ旅に連れていくとか、卒論の題目が友人と被っちゃって気まずくなるとか、その辺の無駄にリアルな関係性は見ていて楽しかった。というか、こっちを主題化すればよかったんじゃないかと思う。互いに足を引っ張り合った結果として全員生贄にされて死ぬ、みたいな。
神経症的なまでに作り込まれた大道具の数々は、おそらくアンドレイ・ホドロフスキー『ホーリー・マウンテン』を参照項としているのだろう。とはいえ作劇上色彩で遊べないのなら大して意味はない。
新興宗教に染まるまでTA
ここまで意味不明な 設定を思いついた事は評価できる。
刺さる人にはかなり刺さるようで面白いらしい。
一体何を見せられたんだ?という感じで、感想に困ってしまうが、 自分は主人公のメンヘラに嫌気がさしていたし、彼氏に 少しだけ共感しながら見ていたので、 最後に主人公が嬉しそうな笑顔をしたことに何の共感もできなかった。
彼女の心境としては、家族をなくしたことがトラウマになっていて、今回の儀式によってその記憶を追体験し、 そして本当の意味で信頼できていない彼氏との関係があり、自分の心を打ち明けることができず、 不信感もあった中で、彼氏のセックスの儀式を見てしまう。
(というか、周りの人は見ることを止めなかったので、見ることも計画されていたんだと思う)
そこで、彼氏の不信感が現実のものとなり、 自分が女王になった状態で、大義名分を得て堂々と復讐をすることができたと言う話。
要はメンヘラの逆襲映画ってこと なんだろうか?
自分では率先して行動ができず、復讐ができない人は他力本願で復讐を果たすと言うこの映画に共感したんだろうか?
高評価の人はどこを評価したのかを 教えて欲しい。
日本人からしたら怖くない
人身御供
閉鎖的な部落とは…
変な家でもそうだったが、閉鎖的な部落には未だに背徳的な風習が残っていて、それが主人公たちに襲い来ると言う映画は、普遍的なテーマなのかもしれないなと、この映画を見て改めて思った。
母の田舎(伊豆の山奥)でも、未だに土着信仰が崇められていたりする状況を目の当たりにすると、他所の人からは不気味に感じるのは仕方ないことなのかもしれない。
ただ、あまりにもやり過ぎてしまうと、その地域にする人から反発が来ないか気になるところ…。
余談で、主人公の恋人と友達が卒論のテーマをかぶったことで争っていることが気になり、大学で教えていた父にテーマがダブって学生同士で争うことはあるか聞いたが、争うぐらいにまじめに取り組んで欲しいところだと返されてしまった💦
日本の学生は、卒論にそこまで貪欲ではないかもしれない…。
スゥエーデンこえぇ
家族を失った主人公が恋人とその友人たちとスゥエーデンに行ってカルト宗教に巻き込まれる話
カメラワークや色彩の素晴らしさ
冒頭から音楽の気持ち悪さ
何となくザワザワする感じは良かったかな
友人はグロすぎて無理って言ってたけど、そこまでグロいわけではなく精神的に来るものはあるかな
白に緑に色とりどりの花
最後の一人まで踊り狂う音楽は耳に残る
カルト的要素が強く、視覚的な怖さが満載だったけど
星占的に運命の人として主人公の恋人がカルト集団の1人と精力剤(みたいなもの)を嗅がされてセックスするシーンは少し肩が落ちたかな。
儀式的に見せたいんだろうけど、周りの女達が自分の胸を揉みしだきながら喘ぐのを真似する姿はちとね…
まぁトリップするようなお薬は(・`A´・)ダメ、ゼッタイ!!
明るいことが恐ろしい…不快な恋愛映画⁉
この映画、アメリカでも日本でも話題となりヒットしたようですね。系統は、胸糞系といいますか後味が思いっきり悪くなります。ピッタリの言葉を選ぶと「不快感」でしょう。
私は、凹む映画が大好物という変り者なので耐性がありますし、『ウィッカーマン』を観ていたので内容はなんとなく理解してましたので、全く問題なかったのですが、評判だけで観た耐性が無い方は、気分を害されながら鑑賞したのでしょうね…。特にカップルとかお友達とかと一緒に鑑賞した後の帰り道はどれほど気まずかったでしょうか…(ひぃぃーー汗)
本作も『ウィッカーマン』もそうなのですが、両者の映画で一貫して言えることは、村人たちがどんなにおかしくても、残酷でも、その村では昔からの文化なんです。いわゆる、しきたりなのです。ある意味、それを外部の人間がどうこう言おうが、村人にとっては普通の事。ただ、それが外部の人間では想像がつかないような意味不明で、イカレタしきたりとしても…。
映画を観て、個人的に一番ヤバいと思ったのはラストシーンでも投身自殺で顔ぐちゃシーンでもなく、畸形児ルビンの存在でした。登場シーンが少なく詳細な説明はないのですが、近親相姦によって意図的に障害もつ子どもを生ませていたという事実は分かります。畸形児だけが、聖書「ルビ・ラダー」を書くことができるというしきたり。ルビンが死んだら、また近親相姦で畸形児を産み出すという、なんともぞ~っとしたルールなのでした…。
他にも、この映画のイカレっぷりをあげるとキリがないのですが、不思議なことになぜか村の文化に引き込まれる自分が居るのです。次はどんな突拍子なことがおこるのか、そしてどれほどイカレタしきたりがあるんだっていう妙な感覚です。何か村の魔術に観賞者も引き込まれるような。しかも、想像の斜め上を行ってくれるというご丁寧っぷりですから。
村が白夜ということもあり、終始明るいのです。村人も非常に明るい。でもやっていることが残酷で気持ち悪いという。これほどまでに明るく純白さが怖いものだとは、今まで想像もつかなかったのです。
最後にこの映画の注意事項!一人きりの鑑賞をお勧めします。一人じゃないと鑑賞後かなり気まずい雰囲気になると予想します…。
すね毛数える方が面白い
◎ あらすじ
不慮の事故で家族を失った主人公は、深い悲しみから精神が不安定になっていた。
そんな中、自身の恋人や友人と共に、スウェーデンの奥地に存在するコミューンを訪れる。白夜の下、草花に囲まれた神秘的な環境で90年振りに開催される夏至祭で、主人公たちはその共同体の異様な文化を目の当たりにする・・・
◎ 総評
面白いと友人に勧められたので、本作を鑑賞することにした。
お勧めしてもらったので頑張ってみたが、正直に言えば、時間を返してほしい。
◼︎ 見どころ
・謎の合唱団に囲まれながら、セックスさせられる成人男性が見られる。しかも、腰振りが止まると、おばさんの補助を受けて、強制的に腰を振らされるのでシュールさが倍増する。
・フルチンで逃亡する成人男性が見られる。
◼︎ 好みではないところ
・主人公がコミューンの一員に選ばれた理由を視聴者に納得させるために、前半の鬱パートをあえて冗長にしていると推察できるが、普通に長いし、暗いだけでつまらない。もっと別の描き方をすべきだったと思う。
・コミューンが異常であることは間違いないが、それはごく一般的な感覚を持つ我々現代人の視点であり、秘境で暮らす彼らにとっては生贄文化が当然のことなので、必ずしもそれをホラーとして描写して良いのかという疑問が残る。
・主人公が精神疾患を抱えているにも関わらず、自分で睡眠薬を所持しておらず、毎晩友人に睡眠薬を分けるようにお願いしているのだが、20代前半になってろくに自分の世話もできないのかと呆れる。また、そもそも男だけで楽しい旅行になる雰囲気のところに「彼氏の恋人」が割り込んでくることに対して、(似たような経験をしたことがあるからか)嫌悪感を禁じ得なかった。
・やばい場所だと分かった時点で、車を盗んででもすぐに逃げるべきだったと思う。あまりに鈍感というか、普通に現実で起きた場合は、逃亡一択だと考え得るので、アホらしく見えた。
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場面①:典型的な鬱の主人公
スウェーデンに出発する前のシーン。登場人物の性格や、彼らの関係が輪郭を帯びてくる。
医師国家資格を持っていないので、「典型的な鬱」と書くべきではないが、自分自身や周囲の人間が鬱病持ちなので、「過去の記憶が何らかのトリガーによってフラッシュバックし、不安感や気持ちの昂りを抑えられず、動けなくなり、唸るしかない」様子の主人公を見て、経験則的に「鬱っぽいな」と思った。
主人公が精神的に不安定になると、彼氏に電話をかけ、彼氏はそれにうんざりしている様子が窺える。彼の友人らは、口を揃えて別れを促すが、当の本人は後悔する可能性を考慮して、なかなか踏ん切りがつかない。
作中で「別れてすべきことに集中した方がいい、博士号とか(意訳)」というセリフが出てくるので、おそらく博士課程で人類学を専攻している大学院生と思われる。
彼らのグループの中に現地のコミューン出身者がおり、特殊な祭事が開かれるということに注目して、その祭りを論文の主題に据えるために、全員で帰郷に同行することになった。
精神疾患持ちの主人公は、ひょんなことから彼氏がスウェーデンに向けて、出発することを知り、事前にスウェーデン行きを聞かされていなかったことに憤慨。「まさか来ないだろう」という希望的観測の下、彼氏が主人公も同行しないかと誘ったところ、本人は乗り気に。
場面②:秘境に存在するコミューンの神秘的な様相
スウェーデンに到着してから、4時間以上も車で移動する必要があるほど山奥に位置する共同体がどのようなものかビジュアライズされる。辺りは一面草花が咲き乱れ、白夜の関係でほとんど太陽が顔を出す秘境には、白装飾に身を包んだ共同体の「家族」が待っていた。
マリファナ(?)でハイになって、幻覚に悩まされ、気絶して一日目が終了。
場面③:90年振りに開催される儀式の前夜祭
コミューンの生活拠点に移動し、「家族」からの歓迎を受ける。
みんなで食卓を囲み、周辺を散策。何やら明日には、「重大な儀式」が控えているとのこと。
場面④:重大な儀式の正体
重大な儀式の正体は、老人による自死だった。
衝撃的な慣習に主人公たちは戦慄するが、コミューンにおいて、バイブルとも言える書物「ルビ・ラダー」によれば、生命は輪廻転生を繰り返すという。
場面⑤:消えていく友人たち
主人公を除く友人たちが、少しずつ姿を消していく。
ある者はコミューンの異常性に気づき、都市に戻ると伝えて消え、また、ある者は「先祖なる木」に小便をかけ、「家族」の怒りを買った後、どこかに連れて行かれてしまう。
「ルビ・ラダー」を写真に保存しようとした結果、撲殺されてしまう者もいれば、現在の「女王」に見初められ、女王と(おそらく薬を盛られて)半ば強制的に性交させられた後、捕えられた者も現れる。
場面⑥:儀式の正体と物語の結末
儀式の正体は、コミューンの内と外から合計9人の生贄を捧げるものだった。
全ては計画されており、スウェーデン行き自体が、コミューン出身者の友人による外界から生贄を連れてくるための罠だった。周囲の人間が騙され、生贄にされる中、「家族」の女たちで、倒れるまで踊り続ける「コンペティション(*競争、大会)」で優勝し、クイーン(女王)となった主人公は、彼らの考えに共感し、「家族」の一員となる。
タイトルなし(ネタバレ)
妹と両親を亡くし傷心の主人公。頼られ過ぎ、依存され過ぎで別れたい彼氏。仲間を加えてある村へ。主人公は女王、仲間は生贄、彼氏も主人公に選ばれ生贄に。
評価は二択
スウェーデンには行きたくなくなった。
たぶん、彼女は救われた。
スウェーデンには行きたくなくなったし、夏至の日が怖くなった。二度とこの映画を見たくない。もちろん好きでもない。
なのに、この映画に高い評価をつける私は何なんだろう。
輪廻転生の考え方は人を救うこともある(ような気がした)。
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