ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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こんな儀式なしだ、と思っているコチラが間違っているのかも
アメリカ人女子大生のダニー(フローレンス・ピュー)、自身も不安神経症の傾向があるが、ある日、突然、妹が両親を道連れに無理心中してしまった。
以前以上に恋人のクリスチャン(ジャック・レイナー)に依存することになったダニー。
クリスチャンは、他の3人の大学生仲間とともに、仲間のひとりの故郷スウェーデンの僻地の村を訪れる予定だったが、ダニーも同行させなければならなくなった。
彼らが訪れた村は、夏至のこの頃、特異な儀式を行うというが、村を訪れた彼らの前で、白ずくめの村人が注視する中、ふたりの老人が投身自殺をしてしまう。
が、それは、儀式の始まりだった・・・
といったところからはじまる物語で、古代宗教集団のなかに放り込まれた都会人・・・というのは、70年代に『ウィッカーマン』という映画があった(後に、ニコラス・ケイジ主演で再映画化)。
これら古代宗教は、太陽と大地を崇拝するところは全世界的に一致するようで、今回もそのとおり。
諸星大二郎の漫画やスティーヴン・キングの小説にも描かれたことがあり、その手のジャンルが好きな者としてはお馴染みである。
なので、題材だけを見て、わぁだの、きゃぁだのは言わないが、かなり直接的な描写があり、さすがに、うへぇぇとはなってしまいました。
が、個人的には、この物語の展開、嫌いじゃないです。
『リング』以降、謎解きホラーとでもいうような、ヒントによって主人公が助かるのは、サスペンス映画の変型であってホラーじゃないと思っていたし、ものすごいスピードで走ってくるゾンビを身を守るのも、鬼ごっこ、アクション映画の変型。
既存の、常識と思っているところを、嫌ぁな感覚で、ねじねじとねじ込んでくるあたりが、ホラーの醍醐味。
終盤、メイフラワーの女王に選ばれ、全身花まみれ、小林幸子も裸足で逃げ出す格好をさせられた主人公に、生皮を被せられた恋人の図などは、ほとんどギャグのようだが、これはこれでアリだなぁなどと納得させられてしまう。
この古代宗教、法治国家的にはナシだが、文化人類学的はアリだな。
もしかしたら、ナシといっているコチラが間違っているのかもしれない。
うーん?
オリジナル「ウィツカーマン」が、あるからなー。クリストファー・リーの怪演と○○のインパクトはこちらの方が上かと。あとデレクターズカットは失礼かと。色々な理由で監督の権限が無い場合もあるけど、場面をチョコット追加で出されてもなー。基本不必要なシーンが多いんだよなー。最初から、これだと云うので出して欲しいです。
やっぱヘン。
全員話通じなすぎて怖い。
でも前作みたいに、夜のトイレが怖いとかはないです。
共鳴セラピーとお爺ちゃんのいじわるとクマは笑ったなあ
結局、自分の失恋体験からこれができる監督が一番こわいっす。
映像美と見てはいけないもののコントラスト
ヒットの要因はその辺りの匙加減が絶妙だったからだと思う。姦通儀式での若く美しい赤毛の娘の裸体と臨席している女たちのだらしない身体の対比などはその象徴。これで、ハッピーエンドだったら、さほど話題にもなっていなかっただろう。
救いがないので見終わった後の後味の悪さといったらない。また、R15+指定作品というと、過激な性描写かグロテスクなバイオレンスシーンが含まれている事が対象になるようだが、この作品はその二本立て。エゲツなさはハンパない。
どことなく、グリーンインフェルノ(R18+)に通じる雰囲気を感じさせる作品だが、グロさではこちらの方が上かも知れない。
そういう意味では稀代の問題作と言えるのではないだろうか?
理不尽でなにが起こるかわからない時代だから
気持ちの悪いシーンが多く、
不快に感じるが、
何が起こるかわからない展開に
引き込まれる。
なぜ、あいつがこんな目に合わなければならないのか、
なぜ、あいつらはこんなことをするのか、
理不尽に対する苛立ちと、
それを面白がる気持ちが起こり続け混乱している間に
更なる混乱が引き起こされる。
デザイン力を感じる
美しい構図、人物配置、美術は特に素晴らしい。
ホラーでもあり、パニックムービーでもあり
コメディでもあり、恋愛映画でもある本作は、
記憶にこびりつく不快映画の傑作だ。
ホルガへようこそお越しくださいました!
帰りは駅までお送りいたします。
上映時間の都合で通常版を鑑賞しました。いきなり不穏な雰囲気で始まりますが…。グニャリと歪む映像に気分がアガります。儀式以降は何から何まで怪しく見えますが、途中から笑わせにきてるのかもと思いました。斬新すぎる生け花やクマさんなど観終わってあれこれ話し合う事には困らない映画でした。
好きかと言われるとちょっと困りますが。
新たな血と新たな女王
衝撃だった。彼らはカルト集団なのか、極めて純粋な伝統継承者たちなのか。あまりにも開放的で牧歌的な風景がそれをぼやかしてしまうほど、狂信的で盲目的。冷静に見つめれば、これはスウェーデンのいち山村の出来事なのではなく、多少形を変えながらも世界中にある(いや、かつてあった)風習なのではないか。アフリカでだって、アジアでだって、そして日本でだって。むしろ日本を舞台にして焼き直してみれば、ごく自然に物語が生まれるんじゃないかとさえ思った。
祭事は、人間の思考とは関係がなく、何かの意図に添って行われていく。老人は、老いてゆく苦しみよりは、自らの命を与える。それを見送る村人たちもそれを当たり前のように笑顔で見届ける。そして時折、よそから新しい血を迎える。似つかわしくないものは排除され、選ばれし者には同化を強要しながら。
なんておぞましいのだ。姿が見えないのに赤ん坊の泣き声がする不気味さが、その気分を駆り立てる。不穏な音楽に、不穏な空気。なのに幸せそうに村人たちは笑っている。これはきついなあ。感情を揺すられたことを評価の対象とすれば星数は増えるが、嫌悪をマイナスに査定するとなれば、数は減る。差し引いて、プラマイゼロ。
ジョシュが根尾くん(中日)にしか見えない
友人の誘いで旅行に行ったスウェーデンで田舎の因習に巻き込まれるという話
最初の感想はジョシュが中日の根尾くんに似てる笑
インテリなところからもNEO7にしか見えなかった笑笑
しかしなかなかの胸糞映画でした
スタートからダニーがクリスチャンに負担かけまくりだったから僕はクリスチャン側の見方しちゃったからかもしれないけどダニー側の見方をすれば印象も変わるのだろうか
田舎の因習って部外者には理不尽な場合もあるんだけどそれがホラー映画によくあってる
本当は犬鳴村にもこういう味付けが欲しかった…なんて思いながら観てました
いろいろムカつきながらも雰囲気にどっぷり浸かりながらしっかり楽しめました。ディレクターカットも観たいなぁ
A24はトップが交代して・・・
勝ちに不思議あり、
負けに不思議なし。
は、
故野村克也氏の言葉。
映画の興行に当てはめると、
大ヒットに不思議あり、
惨敗に不思議なし。
本作のコロナウイルスにも負けないヒットに関しての不思議を2点ほど。
1 疑い
現実の世界から一周まわったセカイ。
ヘレディタリーを観た時に、
近々、こういう作品を撮るんだろうという予感はしていた。
周りの20代前後のグループが、
ケラケラ笑いながら観てたので、
健全な感覚に少し安心した。
絶望の淵に立たされた人にとって、
気にもとめてくれない法律や、
見て見ぬふりをするルールなんて、
追い込まれる素材に過ぎない。
全員でこちらを気にかけてくれる人たちが、
独自のルールで集団生活をしていても、
合法ではない死生観を持っていても、
目の前の現実よりも、
そちらに希望を見出すケースがあっても不思議ではない、いや不思議、ん?不思議ではない。
ひと昔前までは、少なくとも日本の一部の村社会では、子どもに対しても普通に行われていた風習。
と考えれば一定の人数の共感するであろうひとたちはSNSの騒がれ方に興味シンシンで映画館に行く。
2 悟り
珍品(セカイを内容にしている)は忘れた頃にヒットする。
ベルイマン(ベルイマンはまともで、別枠ですが、一応、作品の性質上、入れておきます)パゾリーニ、ホドロフスキー、リンチ、トリアー、ハネケ他、一定の周期で論理的に理解不能な、予想外の珍品がヒットするタイミングがある。
ヒットの大凡の流れは、
意識高い系映画→スピリチュアル系映画
→宇宙難解系映画→おバカ系映画→ウェルメイド系映画→意識高い系・・
と流行り廃りを繰り返してきた。
そんな流れの中でアクション大作がブームになり、ヒューマニズム映画が騒がれ、
そして世界が疲れてる時にスピリチュアル系珍品映画がブームになるような気がしないでもない。
最後に。
古今東西で様々な人々に石を投げられ、
足蹴にされてきた【イノセンス】を、
ドアの向こうから声が聞こえてくるような映画館ではなく、いわゆるメジャーといわれるようなシネコンでエンターテインメントとしてアップグレードさせる体に持ち込んだのは一定の評価があってもいいと考えます。
最後の最後に。
上記の監督たちよりは、純粋マジメ野郎または、それを装う事に長けた人なんだろうなアリ・アスター。
A24はトップが交代して、
カロルコやミラマックスのようになってしまう気配ですが、もう少し踏ん張って欲しいです。
マルパソのようにファンドとは一定の距離を置いて、なおかつ集金力がある広告塔のヒーローが必要なんてかなり現実的にはハードルが高いでしょう。
ビョルン・アンドレセンにおどろきました。
好みがわかれる
ヘレディタリーも見てミッドサマーも見たけど不気味とか恐怖とかを感じることができない。ミッドサマーはグロいという噂を聞いて見に行ったものの本当にグロイシーンがない。あと私は映画はストーリーを重視してしまうのでこの監督の映画には不向きだと感じた。イメージでぼやっと見るにはいいかもしれない。へレディタリーの方がましだった気がする
幻惑的
共感する必要はない。
まず映画鑑賞に共感は必要ないと感じる。
理由として共感させる為に作られていないから。よく共感できなかったというレビューがあるが「?」である。感情移入したいのであれば、感動する映画を観れば良いだけの話であるし、この映画が、その様な性質でないことは観る前から分かることである。
どちらを選ぶか。
それよりも、通常版とディレクターズカット版のどちらを選ぶかという問題は、中だるみを避けたい人は前者を、知りたがりの人は後者を選べば問題ないと思う。知りたがりの筆者は、中だるみしながらも通常版より23分長いディレクターズカットの方を選んだ。大は小を兼ねるという理由で。
映像について
ストーリーよりもイメージが強い印象がある。含蓄のあるセリフや驚くべきプロットや伏線はなくて、むしろ強烈なイメージが先行する感じだった。いわば、美術館でショッキングなインスタレーションが部屋を移る度に現れる様な感覚、もしくはパフォーマンスアートとを交互に見せられるような感覚とも言うべきか。しかしショッキングと言っても、10中5くらい。生易しいほう。しかし、耐性がない人は5中5、つまりMAXになってしまうので要注意。筆者は少し狂っているのかも。
1ミリも共感できない、ワースト映画でした。こんな映画が評判になるな...
1ミリも共感できない、ワースト映画でした。こんな映画が評判になるなんて、現代社会は相当病んでいるのではないかと心配になります。時間とお金をどぶに捨て、嫌ああ~な気分になりたい方にはお薦めかも。
北欧は良いところですよ
アリ・アスター監督のデビュー作「ヘレディタリー継承」を観たとき、孤高の奇才アレハンドロ・ホドロフスキー監督の「エルトポ」を見た時の衝撃が蘇りましたが、今回のミッドサマーも期待を裏切らない素晴らしい出来です。冒頭からエンディングまでヒリヒリするような映像と効果音と象徴的なタペストリーや村の建造物などじっくりと味わって鑑賞しました。まあ話は北欧(設定はスウェーデンだが実際には予算の問題でスウェーハンガリーのブダペストで撮影)の人里離れた古くから続くカルト教団に観光気分で訪れたアメリカ人達が酷い目にあうというありがちな話ですが、じっくりとアリ・アスターワールドを楽しむことが出来ました。72才の老男女のアッテストゥパンの儀式、鶏小屋の中で翼を広げた鳥のように吊り下げられたサイモンの残虐かつ凄惨な姿、殺されたマークがバカっぽい帽子をかぶり顔面の皮を失いもはや誰か判別不可能な姿、近親相姦の末に誕生し障害を抱えたルビン、数字の9と13、そして熊などなど、。ディテールやカメラワークなどすべてが素晴らしい。メイクイーンらしからぬダニーの田舎っぽい感じや、すごく優しくて良い人キャラだが悪の根源、ペレ。そして極めつけはいろんな意味でふんだりけったりのダニーの恋人クリスチャン。同情してしまいます。もう何度か観たい映画です。
美観と恐怖
人の本能で感じる美しいと、それを否定せずに恐怖に落とし込む感覚でしょうか。(自分でも何を言っているのか、、、)
しかし美しさを感じようとする観客をとことん気持ち悪くする演出がとても良かったです。グロ表現はハッキリ言って普通でしたが、勢いでちゃんと乗り切っていました。
今まで観てきたホラーと明らかに違う演出だったので、とても楽しめました。この映画を観ると今までのホラーはわざとらしいとまで感じると思います。ホラーの新境地を行くという意味で真に革新を感じました。
見せつけられる集団ヒステリー
期待していた心理描写や集団心理のようなものはあまりなく、とにかく気味の悪いシーンの連続。
主人公の女性の鬱陶しさ、クリスチャンの狡さなど登場人物にリアルさはあった。
ストーリーがもう少し複雑で驚きがあればもっと衝撃作になってたと思う。
人と見るのはおすすめしない。
こういう映画だと思って観た方がいい
ストーリーはあまり期待していなかった。
アリ・アスターという監督は何者なのか?という想いで観にいった。
そうしてリラックスして観賞したせいか、めちゃくちゃ刺激的で稀有な体験にワクワクしっぱなしだった。
これはホラーではなく、人類学的な映画だと思った。
そう捉えると残酷なシーンや滑稽な描写もあまり抵抗感なく受け入れられた。
それにしてもアリ・アスターだ。
ものすごい監督が出てきたものだ。
前作のヘレディタリーも早く観てみたい。
「病みつき」
今年27本目。
病みつきの映画です。
今作はポン・ジュノ監督が昨年観た映画のベスト10に選んでいた、中々話題の作品。
目を覆いたくなるような描写もあるんですが、一旦受け入れると病みつきになってしまう。
後は人生訓ですね。映画2時間半観たら何か得る物はあるんですが、一個の人生訓を得ました。貞操を守るです。
行定勲監督はマリ・クレールと言う冊子で、こう言う映画は毛嫌いせず早い内に観てトラウマになるといい。これで懲りたら観なければいいのだから、と書いていました。
だけどまたアリ・アスターの映画を観てしまうのだろう。
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