「可哀そうなヒグマちゃん・・・」ミッドサマー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
可哀そうなヒグマちゃん・・・
友人のペレの故郷でもあるスウェーデンのホルガという小さな村。奥にはピラミッド型の神殿もあるし、絶壁の山もある。白夜なだけにずっと明るいため、時間の概念すら奪われそうで、常にトリップした雰囲気の若者5人組。元々は男子4人で行こうと計画していたのに、クリスチャンの恋人ダニーは折しも両親、妹の3人を同時に排気ガス自殺で亡くし、失意のどん底だったために急遽参加することになったのだ。
閉鎖的なコミュニティのカルト的儀式。自然を愛するがゆえに“サイクル・オブ・ライフ”という、人間も自然になぞらえている。なんとなく90年に一度という大祝祭と18年周期の人生が絡み合うが、どうも72歳になったら死を迎えることが自然なようだ・・・。自然に癒されることも大切だ!なんて初日を過ごしたが、彼らよそ者が目の当たりにしたのは驚愕の自殺の儀式だった。
もう帰りたい!と思ったに違いないダニー。民俗学の論文のために必死にメモする黒人のジョシュ、クリスチャンも共同研究したいと言い出す始末。まぁ、自殺だけならそのまま帰れたかもしれないが、『メイズ・ランナー』でも演技が印象的だったマーク(ウィル・ポールター)が枯れ木にしょんべんかけたことからおかしくなった。逃げろ!メイズ・ランナーのように・・・あ、やられちゃったな。
とにかく閉鎖的であるがゆえに、近親結婚もあるんじゃ?という疑問もおこるが、時折外部の“血”を取り入れてるのだという。アメリカではいとこ婚も禁ずる州が多い(可能なのは6州)けど、その考えも取り入れてるのだろう(ちょっと日本と違う)。最終的にはその外部の血が欲しかっただけという目的もあった。
とにかくグロ!明るい草原の風景とマッチしない異様さがまた凄い。ダニーの視線がほとんどなのですが、手や足に草が生えてくる描写が面白かったし、わざとらしくメイクイーンに選ばれ、最後の生贄の決断を迫られるところもいい。ペレくんが大仕事をやってのけたんですね。
それにしても上映後、誰も席を立とうとしない。しかも女性たちに人気があるみたいで、「面白かった」「パンフ欲しい」という声が聞こえてくる。男はしょせん種馬さ・・・みたいな・・・どこかで書いた気がする。
コメント失礼します。女性と映画の話をするとホラーは苦手でもグロはOKという人が結構います。本作のような心霊の出ないサスペンス系ホラーは女性好みなのかもしれませんね
kossyさん、いつもありがとうございます。きっと何気なく選んだ場所だと私も思います。
ウィル・ポールターやマイルズ・テラーは独特の位置を築き上げた気がしますね。
私の観た映画館でも、カップルでエンドロール後、さきに話しかけているのは女性の声の方が多かったんです。しかも楽しそうな表情で。比較的若い世代の女子のネットワークの中で評判が高いんですかね?初日の夜の回もほぼ満席で、著名人のトークショーでもあるのかと勘違いするほどでした。仕方なく翌日に鑑賞しました。
僕の見た劇場もエンドロールで退出する人はほとんどいなくて、上映後は感想を語り合う声があちこちから聞こえました。こんなに20代の観客が多い映画は最近ではあまり記憶にないです。アリ・アスター監督はもうカリスマになってしまったのかな😅