「脚本とキャストの粗さが目立つ」映画ドラえもん のび太の新恐竜 だいすけ*さんの映画レビュー(感想・評価)
脚本とキャストの粗さが目立つ
全体通しては良い話でしたが、感動の押し売り的なのと、これでええんかいな?的なモヤモヤっとした終わり方、あとさして重要性のないキャラクターが多過ぎる(ストーリーに深く絡めて重みを付けられていない)のが見終わった後で不完全燃焼になる。
大筋は、恐竜拾って育てるのはのび太の恐竜、恐竜の歴史云々は竜の騎士と過去の恐竜作を足した内容で、「新」というからには、もう少し新しい発想だったらなーと。まぁ、過去作知らない世代だとここに引っかかりはないんでしょうけど。
道具も既存のものや物語のキーとして出てきた物が大半で、「コレいいなー」「羨ましい~」みたいな夢のあるものが少なかった。
有名小説家とか有名脚本家みたいな肩書の人間に任すのは試みとしては良いけど、これまで持ってたドラえもんの良いところはきちんと守って欲しかった。
あと今作に限ったことではないけど、映画ドラあるあるで、声優さんじゃないタレントのアフレコ感がせっかく話に入り込んでたのに一気に現実に引き戻されて興ざめする。
男性キャラの方は中の人が丸出しだし、女性キャラの方は台詞の抑揚に違和感。
脚本とキャストが逆客寄せパンダに。
音楽は観る前は「Mr.Childrenってどうなんだー?」と思ってたけど曲はしっくりきてた。これは救われた点だと思う。
決して悪い作品ではないけれど、筋書きの弱さと大人のあざとさがチラホラ見えたのが残念です。
新ドラ映画作品も良いものはあるけど、なかなかのび太の恐竜や竜の騎士みたいな藤子先生の過去の恐竜作品を超えるのは難しい。
やはり原作者というのは偉大ですね。
ただ新鉄人兵団とか新小宇宙戦争みたいな絶対に超えられない過去の偉大な名作にリメイクで中途半端なアレンジ入れて手を出すよりも、こういった新作、新しいストーリーでドラ映画を作って挑む姿勢は素晴らしいと思います。