「50周年にふさわしい傑作」映画ドラえもん のび太の新恐竜 クロクヌレさんの映画レビュー(感想・評価)
50周年にふさわしい傑作
2000年代の「新」を除くオリジナル作品では「のび太と緑の巨人伝」を除けば幼児向け路線のなかで見るべきような作品はなかったといえるシリーズにおいて驚愕すべき出来栄えであった。
注目はやはり今や日本を代表する映画プロデューサーといえる川村元気氏が脚本を担当していることである。
2年前「のび太の宝島」においても氏は脚本を担当しているが、原作「宝島」と「ドラえもん」の大きさに萎縮したのか凡庸な仕上がりであった。
しかし今回はドラえもん50周年の記念作品であり、東宝的にも「天気の子」の大ヒットによる興行的な余裕からか野心的な作品となっており、プロデューサー業だけでなく川村氏が映画に愛された男であることを証明するに相応しい仕上がりとなっている。
作品自体のレビューは避けるがアニメに自身を客体化することでしか現実と向き合うことができない世界において、新海誠監督作品が提示したように私たちがそれでも希望を持ち続けなければならないことを「ドラえもん」という無限の可能性を用いながら再度私たちに託した熱量のある映画となっている。
そして全編に藤子先生とこれまでのドラえもん映画に対する敬意が溢れており、今更ながら氏の姿勢が本物であることに安堵する。
これは決してい油断してはならない作品であり、来年以降の同リーズの方向性を注目しなければならない。
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