「新恐竜の「新」にメッセージ性を感じた」映画ドラえもん のび太の新恐竜 necoakさんの映画レビュー(感想・評価)
新恐竜の「新」にメッセージ性を感じた
映画どらえもん のび太の恐竜(旧・新)どちらとも異なる映画に仕上がっていて、「新」恐竜といえる。
まず、登場する2匹の恐竜、キューとミュー、は未発見の恐竜であることから「新恐竜」と呼称されている。わかる。次に、シナリオがのび太の恐竜(旧・新)と全く異なることから「新」恐竜。わかる。更に、映画で「恐竜」となれば忘れられないあの存在を、出しつつも表立って登場させないことから、旧英語との決別という意味で、「新」恐竜。わかる
だが、3つ目のところがどうにも解せない。ドラえもんが旧作(つまり、藤子・F・不二雄氏の作品)と決別してどうするんだと思ってしまう。ファンサービスとして出すなら違う形でしょうね。あえてあのような登場のさせかたをするのは意図、つまり、新しいドラえもんにこれからしていくよというメッセージ性のようなものを感じる。これはとても残念です。確かに、時代背景とかが合わなくなってきて、変えていかなきゃいけないのはわかるが、それをメッセージとして出されるとモヤっと、イラっとする。(伝わらないかもしれないですし、別作品を持ち出すのはどうかと思いつついうと、けものフレンズ2のかばんちゃん・サーバルちゃんのような扱いをされたなという気持ち)
これももう一つ言っておきたい。のび太の家の間取りがいつもとなんかちょっと違う。。確かに固定した設定がないのは知ってるし、扉の位置とか種類とかも作品や回によって変わるのは知ってる。けどあからさまに間取りが違ってて違和感を感じた(と、ここまで書いておいてなんだが、もしかして旧ドラのび太の恐竜の間取りと同じだったのかも。。)
と、ここまで苦言を言ってしまったがいいところも。
恐竜のシーンは3Dがよく作り込まれてて恐竜映画かなと思うレベルで、動きもグリグリ動いてて恐竜っぽいなと思えた。伏線もいいかんじにめぐらされてて回収もわかりやすくされてたのが映画としてメリハリあったなと思います。キューの尻尾の長さが違うねとか、ジオラマとか。(ただ回収されてなかった伏線もあってモヤっとポイントもあり。恐竜博の研究員とか、化石触ったときの演出とか。。まぁ化石の演出はきっと旧ドラのあの存在を微かに匂わすためのものだったのかな)。
とまぁ、色々書きましたが面白かったのは面白かったです。ただ、ドラえもんのタイトルを掲げる以上過去作品を否定しちゃだめだよねー、むしろ利用してかないと。F氏もよく過去の登場人物とか設定を再利用してたから、是非否定ではなく存在の再利用をしてほしかったな。そして主にはキッズ向けとなる映画で「新」をそこまでメッセージに込めるなよとも思いましたが、キッズ勢はそこまで深読みしないから純粋に楽しめるかもしれない。(もはや全くキッズ勢ではない私はそこまでは楽しめなかった。)