お百姓さんになりたい

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お百姓さんになりたい

解説

「いのち耕す人々」「天に栄える村」など、農業をテーマにした作品をライフワークとして手がけている原村政樹監督が、前作「武蔵野 江戸の循環農業が息づく」に続き、武蔵野地域の農園の営みを丁寧に追ったドキュメンタリー。2.8ヘクタールの畑で60種類もの野菜を育てる明石農園の明石誠一さんは28歳の時に東京から埼玉県三芳町に移り住み、新規就農した。有機農法からスタートし、現在では肥料さえも使わない自然栽培に取り組んでいる。研修生として明石農園にやってくるパティシエやカメラマンといったさまざまな経歴の人たち、農業福祉連携で働く障がいを持つ人たち、農業体験イベントに参加する子どもたちと、農作業で土に触れることから心豊かに暮らすためのヒントが提示される。

2019年製作/104分/日本
配給:きろくびと
劇場公開日:2019年8月24日

スタッフ・キャスト

監督
撮影
原村政樹
映像技術
荒山和之
浅野北斗
整音
丸山晃
堀口誠
ポストプロダクションマネージャー
原田修
編集
原村政樹
音楽
鈴木光男
語り
小林綾子
本編題字
原村慶子
スチール
柿内未央
イラスト
ミキサキコ
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フォトギャラリー

映画レビュー

2.5画一性が求められる現代

2019年9月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

画一性が求められる現代、人間にも野菜にもそれを測る規格、基準が存在する。すなわちそこから溢れ落ちたものは価値がない(低いもの)として扱われる。そんな時代にそれを個性として捉える小規模農園主の生き様が描かれている。化学科や工業化と全く無縁なその生活は実に質素そのもの、淡々と流れる四季に同化してもはやそこで働き暮らす人たちさえも自然の一部であることを感じさせてくれる映画です。

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ちゆう

4.0「不揃い」という思想

2019年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

自分は単純に、題名から予想されるような「お百姓さんになりたい」人のためのヒントを描いた、“土と野菜の匂いあふれる人間ドキュメンタリー映画”なのかなと予想して観に行ったのだが、実際にはいくつものテーマをもつ密度の濃い作品であった。 内容として、一つには「自然栽培」のサイエンスに関する、様々な側面が紹介される。 植物自身のもつ生育力や抵抗力を高める栽培法を採用しないと、たちまち満足な収穫ができなくなるリスクと隣り合わせの中で、試行錯誤している。パラメーターは10種を超え、1年単位というのは、農業ならではの厳しさだろう。 種子は自ら採取し、「自然では必ず不揃いなものが出てくるが、それで良い」と、規格品の購入には懐疑的だ。交雑も恐れない。 ただ正直なところ、見終わった今でも、本作で描かれる「自然栽培」と、有機農法(化学肥料未使用、農薬フリー、遺伝子組換えなし)の間の区別は、まだ自分はついてない。 一方、サイエンスだけでなく、農作物を作る人間側の話も扱われる。 「お百姓さん」志望の人たちの姿だけでなく、障がい者の人たちの働く姿などにも長尺を割いている。 代表の明石さんは、障がい者や子供達を受け入れる活動にも、真剣に取り組んでいる。自然と格闘するサイエンティストというだけでなく、「子供には五臓六腑の底から、農作物を体験して欲しい」と語るような活動家だった。 公式サイトには「野菜も人も不揃いが自然」とあり、監督は本作を制作するにあたり、「自然栽培」農業と人間社会のあり方を、一体のものとして構想したようだ。

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Imperator

5.0みんなちがってそれがいい

2019年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

自然栽培での野菜作りは天候に大きく左右されてしまい、失敗することもしばしばのようですが、明石農園の明石さんは豊富な知識と経験、そして冷静な観察眼に基づいて失敗の原因を探り、それを実験的に解明して乗り越えていきます。その自然の摂理を探求する研究者のようなストイックな姿勢に感銘を受けました。また、同時に描かれる障がい者への優しい眼差しも印象的でした。野菜も、人も、みんなちがってそれがいいという精神。こういったテーマはともすれば心情的になりがちですが、この映画はそれが生半可でない知識と経験、技量に裏付けられていることを描いてくれています。

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天神

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