「前作。別次元のゲームとなっている。」ジュマンジ ネクスト・レベル Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
前作。別次元のゲームとなっている。
If you wish to leave the game, you must save Jumanji, and call out
” IT'S NAME.”
「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017)」では、ソニーピクチャーズの株を押し上げるとともに、同社が持つ興行収入ばかりでなくウォルトディズニーの「スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017)」なんてチョコザイな映画を見る影もなくし、しかもなぎ倒して亜空間に放り投げた偉大な映画? すみません、スター・ウォーズ・ファンの皆様。謝るぐらいなら、書くなってか?
前作を見たのにもかかわらず、その内容を一切の記憶のない者にでもダニー・グローバーとダニー・デビート両御大がゲームに参加しているので、ストーリーを見ながら、前回の映画を未鑑賞の方でも(失礼?)映画の設定が把握できる親切丁寧・至れり尽くせりなつくりとなっている。初めから知っているファンの人でもウザク感じさせないもので、この映画の特徴の一つとなっている。しかも胸をポンとたたけば、そのキャラの特性やウィークポイントが頭上にサインとして出てくる優れものアイテムもあることや、今回からか?ゲームのアバターのキャラのシフトが出来る設定になっているところが見どころ満載の映画をサポートしている。
物語は、クリスマス休暇を利用してスペンサーがニューヨークの大学から帰省するところから映画の幕が上がる。なぜかついていない男・スペンサー。遠距離のせいというよりは、大学で輝いている彼女のマーサと自分が違うのではないかという距離感を感じているためにギクシャクしてしまっている彼女との関係。そんなことを忘れたいのか?輝きをもう一度取り戻したいのか?スペンサーは、ひとりゲームの中へ。
College is the best time of one's life and that things are destined to
go downhill as one grows older.
しばらくしてから、スペンサーの後を追いかけるようにマーサとフリッジがゲームの中に吸い込まれた時、何故かスペンサーのおじいちゃんのエディーと彼の知り合いで過去に行き違いがあり、今は疎遠となっていたマイロ共々吸い込まれてしまう。
ここで、映画の基本テーマを挙げるとするなら、エディーとかつては共同経営者であったマイロが疎遠になっているエディーに会いに今になってわざわざ家まで何故、訪ねてきたのか?また二人の御大の行き違いの関係は修復できるのか?そして不甲斐ないスペンサーとマーサの関係は?ラストは一番重要な”Jurgen the Brutal”に奪われた宝石を取り返し、太陽にかざし、ジュマンジの世界を救うことができるのかが、この映画の芯をなすシナリオとなっている。
前半、今回の特徴として、スペンサーはあらかじめ彼らより先にジュマンジの世界に行っているので、ミン・フリートフットという盗みの達人をアバターとしていたが、今回は、ダニー・デビートが、ドウェイン・ジョンソ扮するスモルダー・ブレイブストーン博士であるチーム・リーダーにして欠点なしの男に役柄が移っているので、出だしのテンポが狂うように見えたりする分マーサのアバターであるルビー・ラウンドハウスが活躍するので心配はいりません。エディー爺はすぐにその体になれますから…激しいアクションにすぐに移行していきます。
ノンプレイヤーキャラクターのナイジェルからのいい加減な情報をもとにセスナから放り出されるところから本格的アクションシーンが始まり、映画の前半の大盛り上がりのダチョウの大群に襲われるシーンの展開へと突入していく。とにかく、全シーンを通じて、動物の大群がキーワードになっているので個人的考えとして、チームリーダーは、もちろんスモルダー・ブレイブストーン博士のドウェイン・ジョンソなんだけれども、動物の言葉を理解するフランクリン・“ムース”・フィンバーを外すわけにはいかない。だって彼のキャラ、面白すぎですもの!?
砂漠を超え、中東の街では喧嘩をし、ヒヒの大群に襲われ、そして雪と氷でできた城にジュマンジの生命の元ともいえるファルコン・ジュエルを奪回するために乗り込んでいく。
Show the jewel to the sun
Calling out Jumanji's name to win
マレーシアのタブロイド紙The Sun Dailyの解説では、「不幸にもこの映画は、こじつけがましすぎるためにシナリオ自体が薄っぺらなものになっている。」はっきり言って正論です。しかし、自分のことを最新のコミックやハリウッドの情報をリポートするファン・サイトと自ら呼んでいるComicBookMovie.comでは、この映画の事を「前作のいいところを利用して、あふれるばかりのアクションやユーモアを驚くほどの演技力で支え、このゲームをこれから何度も何度もあなたを夢中にさすこととなる。」そんなことより、この映画には正論なんて必要としないと失礼な言い方をすることができ、また肩肘を張らずにみる映画に相応しいと言える。少し、細かな部分でCGのあいまいさや遠くの景色の完成度が低く感じるけれども、それも御愛嬌ということで....?
そして最後のシーンにまつわるエピソード。個人的な解釈では、負の意味も含めて自己犠牲と捉えたけれども、見る方によっては、自分の人生をもう一度謳歌することができる羨ましく見える終わり方をしていると思えるかもしれない。その立場立場で解釈が異なる演出は、何かいいものを見せていただいた気分となりました。
Finally パチパチ