「もはや『眠れる森の美女』じゃない!…けど、」マレフィセント2 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
もはや『眠れる森の美女』じゃない!…けど、
ディズニーが自社の名作の一つ『眠れる森の美女』を“元ネタ破壊レベル”で実写化した2014年のヒット作。
だって、ヴィランのマレフィセントが主役となり、王様はクズ人間となり、オーロラ姫は王子様と結ばれない代わりにマレフィセントと擬似母娘のような関係に…って、どうやったらこんな大胆解釈&翻案出来る??
でも実を言うと、オリジナルの『眠れる森の美女』よりしっくり来たんだよね。
その5年ぶりの続編。つまり今回は、元ネタナシの完全オリジナルストーリー。
いつぞやの白雪姫不在の白雪姫映画続編のように、作る必要の無い続編にならぬか否か。
オーロラ姫はフィリップ王子からプロポーズされるも、マレフィセントは反対。
王子の母である王妃から招待されるが、そこで事件が。
深手を負ったマレフィセントは助けられ、思わぬ世界と仲間を知る。
ある陰謀により妖精の国と人間の国の対立が深まり、争いが…。
内容的にはなかなか豊富。
妖精と人間、共存は出来ないのか。争う事の愚かさ。
マレフィセントと同種族の妖精たち。そのルーツ。自分は何者か。
箱入り娘の結婚を巡って、育ての親と婚約者の母がバチバチ火花。ファンタジーの世界でもあるんです…。
そして、マレフィセントとオーロラ姫の擬似母娘関係。引き裂かれようとしても、血の繋がりが無くとも、再び“真実の愛”が試される…。
物語を動かす主人公も敵もテーマ的にも“女性”で、今のハリウッドを象徴。
それにしても、あの『眠れる森の美女』からよくここまで自由に世界観や物語や解釈を拡げたもんだ。
女優業復帰は4年ぶり、大作への出演は前作以来5年ぶりながら、あの巨大な翼と角を付けたマレフィセント姿のアンジェリーナ・ジョリーの存在感は引き続き変わらず。ヴィランであり、ヒロインであり、恐ろしい存在であり、慈愛に満ちた女性であり、ハマり役!
エル・ファニングはますます魅力的に。
新参加に、ミシェル・ファイファー。アンジーvsミシェルは一見の価値あり(かも)。
前作では全く無用だった王子だが、今回は一応見せ場あり。好青年でひと安心。
個人的には、マレフィセントに仕えるカラス男が前作からお気に入りキャラ。ご主人様との掛け合いはユーモラス。前作はドラゴンに変身したけど、今回は…。
前作では添え物でしかなかった妖精キャラも奮闘。あの擬人化されたハリネズミキャラは人気出そう。
その翼で力強く空を飛び、魔法を使い、CGを惜しみなく駆使したビジュアルやクライマックスのバトルは、これぞファンタジーの世界!(何だか『アバター』みたいだった)
難点やご都合主義は多々。
陰謀企むヴィランの正体は見る前から…いや、見なくともすぐ分かる。悪役に徹して天晴れ!…だけど。
オーロラ姫が呪いを掛けられた国王の真相を容易く見破ったり、
ラストでマレフィセントが身を犠牲にしてオーロラ姫を守って感動させたのに、不思議な現象で復活したりと、もうちょっと説得力欲しかった。
また、ラストは妖精と人間双方のハッピーエンドになるが、何か決定的な事を忘れてるような…。
さすがに前作の方がシンプルで面白かったのは致し方ない。
所々詰めが甘く、日米共に前作よりヒットも話題にもなっていないが、決して作る必要の無かった続編ではなく、今回も無難に楽しめるディズニー・ファンタジー!
強いて言うなら、もはや『眠れる森の美女』ではないって事!(笑)
近大さんへ
さすがです。お見それしました!
と言うか、どうやったら調べられるんですか?驚愕ですw
お陰様でスッキリしました。本当にありがとうございました!
あの三人の妖精のおば様方、イメルダ・スタウントンは分かったんですが、あとの御二方の名前が、どうしても思い出せないw 顔には見覚えがある様な気がするんですけど....